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コピーライターが気になる半角カッコと全角カッコの話

つい、先日のこと。わたしはデザイナーからリーフレットの文字チェックつまり校正作業を頼まれたんです。

その際、次のような指摘を入れました。

(税込) → (税込)
※カッコを全角に

夜、パートナーと一緒にご飯を作りながらこのカッコのことを話したところ、予想もしていなかった返事をされたのです。

「全角なんて絶対使わない」

わたしは包丁を持ったまま、絶句しました。

全角を使わないエンジニアと、全角も使うコピーライター

パートナーはIT企業のエンジニア。業務は英語が中心ということもあり、全角はまったく使わないらしいのです。

わたしはキーボードでローマ字入力つまり全角を使っていますが、パートナーは英語入力つまり半角が基本。会社から支給されているMacBookにはひらがなが書かれていませんでした。

英語にはそもそも全角って概念がないよ。それに見た目も半角のほうがスマートじゃない?」と言われ、たしかに…と考え込みました。

わたしがデザイナーに「(税込)の半角カッコをやめて(税込)と全角カッコにしてほしい」と指摘したのには理由があります。(税込)だと税込という文字に対してカッコが下がっているように見えるのが気になるのです。

でも今回、パートナーと話していて、言われてみれば自分も全角カッコに対して「けっこう左右に幅を取るね?」と感じてるな…と思いました。

半角()カッコ
全角()カッコ

比べてみると、全角カッコはパーソナルスペースが広い(電車の座席を一人で2席分使ってるみたいな)。隣にくる文字との間にスキマが生まれてしまうのです。

全角のパーソナルスペース広すぎ問題

もちろん記事などの読み物では、読みやすさにつながっていると思います。

ところが、ポスターやチラシのようないわゆる広告の制作物になるとそうも言いきれない。

「、」や「。」も同じですが、全角の記号を使うと半角の記号に比べて全体が長くなります。

例えばこんな感じ。

秋に発売予定! カットソー6000円(税込)
秋に発売予定!カットソー6000円(税込)

下の場合、デザイナーはMacのPhotoshopやIllustratorというアプリケーションを使ってわざわざ字間をツメることがあります。

デザイナーが字間をツメて整えてくれると文章は劇的に読みやすくなり、見た目もキレイに。

ポスターやチラシ全体のクオリティが段違いに上がるので、デザイナーありがとう、最高!といつも思ってます。

ルールを決めて“表記の揺れ”をなくすことが大切

さあ、(税込)か(税込)か正しいのはどっちなんだ。結論から言うと、どちらも正しいです。好きなほうでよし! 解散!

…なのですが、わたしがコピーライターとして気をつけているのはできるだけ表記を統一すること。

カッコは全角にする、などルールを決めて判断基準をつくり、表記のブレ(広告業界では“表記が揺れる”と言います)をなくすのです。

表記が揺れたままだと何がダメなの?と疑問に思う人もいるかもしれませんね。

みなさんは、海外のサイトで変な日本語が使われていたら不審に思いませんか? 文章のチェックがゆるゆるな適当な会社だろう、適当な人がやってるんだろうな、という印象を持つのではないでしょうか?

表記を統一するのは、人を不安にさせない、ストレスを感じさせないためのちょっとした気遣い。UX(User eXperience)=ユーザー体験への配慮とも言えます。

UXと言えば、国税庁の確定申告書等作成コーナー

最近使ったWebサイトでUXが優れていると感じたのは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」です。

どうせお役所のシステムでしょ、とみくびるなかれ。このサイト、半角・全角を自動的に最適化してくれます。コピペしてきた文字もしっかり反映してくれるし、入力は半角・全角どちらでもOK。必要があればカンマを入れてくれたり半角→全角、全角→半角に自動変換してくれます。感動!

確定申告はいろいろな項目があって面倒ですが、入力がノンストレスだと来年もまた使おう、と思える。使用時のストレスがないほど、そのサービスを引き続き使う意欲が高まるんですよね。UX、やっぱり大事です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。スキやフォロー、コメントいつでもお待ちしてます!

文:シノ

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