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トヨタの会議では、専門用語を極力使わないらしい

短くて質が良いと有名なトヨタの会議。

1時間で設定されることが多い会議ですが、トヨタの場合はなんと30分。

会議を1時間から30分に短縮することで、年間で2ヶ月分の時間を他の作業に充てることができます。

こちらの記事を読むと、「定例会議を設けない」「議題を事前に共有する」「議事録を取らない」といったルールを設けて、会議におけるムダを徹底的に省いていることがわかります。

その中でも、コピーライターとして印象に残ったものがあります。

それは、不必要な横文字は使わず、専門用語には必ず注釈を入れること。

アサイン、エビデンス、ペンディング、コンセンサス、コミット、タスク、デフォルト、フィックス……などなど。

ビジネスでは横文字が溢れていますが、やたらと横文字を使いたがる人っていますよねー。意識高い系とでも言うのでしょうか。

聞き馴染みのある横文字ならまだしも、その場にいる半分も知っているかどうかわからない言葉だと困りますよね。

メールや文書と違って、会議の場合は言葉がどんどん流れてしまうので調べにくいし、「それってどういう意味ですか?」と会議を止めるのもなかなか勇気がいる。

内容を十分に理解できない人がいるまま、会議が進んでしまうリスクがあります。

そういった曖昧な状況を防ぐために、トヨタの会議では横文字をむやみに使わないようにしているそう。

これは自分も経験があるので共感しかない…!トヨタに限らず、他の会社でも採用してほしいですね〜。

一方、トヨタの工場で働く人たちは日常的に専門用語を使うみたいです。

なるほど。トヨタの会議といっても、所属する場所によってルールが違うらしい。

じゃあ、この違いって何だろう?と考えてみました。


不特定多数の人がいる場では、専門用語を使わない。

オフィスと工場。これは置かれている状況に差がありそう。

私の想像ですが、工場では働いているメンバーが固定化されており、使われる専門用語も現場の人間であれば全員が知っているものだと思います。

顔見知りの中で専門用語が共有されている状況。つまり、工場では専門用語を使うのが標準的なコミュニケーションであると言えます。

では、オフィスの場合。

トヨタの会議ともなれば、毎回それなりの人数が参加するはず。部署ごとの会議もあれば、それをまたぐ会議もあるだろうし、外部の人を含めた打ち合わせもあるでしょう。企画ごとに人の出入りがあって、メンバーも固定ではなさそう。

そうなると、みんなが同じ知識を共有しているとは限りません。

このような場で専門用語を多用すると、うまくコミュニケーションが取れず、仕事の質を下げる可能性があります。

そのため、不特定多数の人がいる場では、専門用語を極力使わないほうがスムーズなコミュニケーションができます。

これは広告の立ち位置にもすごく似ています。

広告はターゲットを絞っても、最終的にどんな人が見てくれるかまではわかりません。メッセージの受け取り方も相手次第です。

専門用語のような難しい言葉を使うと「わからない」というリスクがあります。

広告で「わからない」=「伝わらない」ことを意味するので、役割としては失敗。

広告は不特定多数の人が見るものだからこそ、誰にでもわかる言葉のほうが好ましいのです。


話し上手は、場面によって使い分けられる人のことだ。

専門用語も使う状況ひとつで、その価値が変わってきます。

使ったほうがスムーズな場合もあれば、聞き手を迷わせてしまうことも。

身内では通じていた話が外では通じないことがあるように、状況によって使い分けることが大事だと思います。

きっと話の上手い人は、専門用語もわかるけど、それが通じない相手にはちゃんと噛み砕いて、わかりやすく話してくれるサービス精神があります。

みんなが何でもわかってくれる前提で話をしないよう注意したいですね。



文:ハギ
@よりみちコピーライター

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