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【理学療法士と知る】女性(ホルモン)と頭痛のカンケイ

【動作・歩行・呼吸の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が及ぼす身体への影響や、生活における悩みとの繋がりについての解説と、その改善方法・予防方法として、【運動や、生活に取り入れてほしいこと】もあわせてお伝えしています。

わたし自身が女性ということもあり、特に女性の身体と心についての投稿をどんどん書いていますので、是非読んでいただけたり、「○○について知りたい!」などのリクエストもいただけると嬉しいです。

先日より、女性の身体にとっては【変化】もストレスになること、さらに女性は毎月【変化】が起こるので、よりこの【変化】による影響へのケアが必要だということをお伝えしています。

昨日は、女性ホルモンのエストロゲンと、幸せホルモンのセロトニンの関わりを投稿しました。

エストロゲンが減少することにより、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやGABA(γ-アミノ酪酸)が不足します。
脳内のセロトニンが減少すると、気分が落ち込みやすくなったり、不安を感じやすくなったり。また緊張しやすくなったり、イライラしやすい、痛みを感じやすくなるなど、ネガティブな感情が引き起こされやすくなります。
またGABAは脳の活動を抑えて穏やかにする働きがあります。働きが悪くなると、こちらも不安や、緊張、イライラなどが現れます。
エストロゲンとセロトニン・GABAは同調して働くために、月経前のPMS期にエストロゲンが減少するとセロトニンやギャバも減少してしまうのです。

【理学療法士と知る】女性ホルモン・エストロゲンと幸せホルモン・セロトニンのカンケイ

実は、このエストロゲン・セロトニンの減少が、頭痛を引き起こすこともあるのです。今日はその点を深堀していきましょう。

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頭痛にはいくつか種類があり、よく見られるのは【緊張性頭痛】や【片頭痛】です。

【緊張性頭痛】は後頭部から首筋にかけて重苦しくなったり、ぎゅっと締め付けられるような圧迫感が起こります。

【片頭痛】は血管が拡張することでずきずきとした痛みが生じます。吐き気を催す方もいます。

これら【緊張型頭痛】は女性が男性の1.5倍、【片頭痛】は女性が男性の3倍と、男性より女性のほうが有病者が多いのです。

まず、【緊張型頭痛】が起こるきっかけは、大半が身体的または精神的ストレスです。長時間同じ姿勢を取ることも身体的ストレスになりますし、環境の変化などは精神的ストレスとなります。これらのストレスにより、神経や筋肉がぐっとこわばって緊張し、疲労物質の蓄積や、痛みの調整機能が上手く働かなくなり、痛みが出現します。

このような【緊張型頭痛】の有病率が女性に高いということは、ストレスを強く感じているということでしょう。昨日の投稿でお話ししたように、女性はセロトニンの分泌量が少なかったり、消費量は多いこともカンケイしているかもしれません。

【片頭痛】は原因が明確となっていませんが、完璧主義や神経質な人がなりやすい傾向にあるようです。同じように、なぜ女性の有病率が高いのかという理由も、明らかにはなっていません。

しかしながら、女性で最も多い【片頭痛】の誘因が【生理】であることがわかっています。生理が始まる数日前や生理中に片頭痛の症状を訴える女性は多く、この時期は女性ホルモン(エストロゲン)が低下する時期にあたります。

ここで思い出してほしいのですが、エストロゲンの分泌が減ると、脳内のセロトニン分泌も減少するのでしたね。セロトニンには血管をコントロールしたり、痛みを和らげる働きがあるため、分泌が減少すると痛みに過敏になったり頭痛が起こりやすくなると考えられます。

ピルや漢方の内服で、PMSやPMDD、また生理に伴う片頭痛を和らげることは可能です。それも十分な治療であり、セルフケアです。だけど、それだけではなく、ストレスを和らげるための運動や、セロトニンを増やすための運動を取り入れ、身体の深くから調子を整えていけると気持ちもより前向きになれるのではないかと思います。

ぜひ一緒に、身体と心を整えていきましょう。

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運動習慣作りや自分の姿勢や身体の歪み、呼吸法などの把握・改善はとっても地道ですが、「しっかり取り組もう、改善しよう」と思われた場合は、やはり客観的な指導があることが一番効率的かと思います。

動作・歩行・姿勢・呼吸の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみることはいかがでしょうか。

現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズ、おすすめのトレーニングもお伝えできます。お気軽にご相談ください。

また、もっと知りたいことやわからないことがある場合も、是非コメントや連絡いただけると嬉しいです。

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