真也@福井吟遊詩人

福井在住43歳。 何か為したいと思いながら、何も成せていない。 そんな憧憬と暮れゆく歳…

真也@福井吟遊詩人

福井在住43歳。 何か為したいと思いながら、何も成せていない。 そんな憧憬と暮れゆく歳に抗っている。 どこにでもいるサラリーマンをこなすだけの才能さえなく、唯一少しだけ才を与えられたこの筆で何かを描き出してみる。https://twitter.com/yorangeorange

最近の記事

スマホ

スマートフォンの登場。 半ズボンで、青バナ垂らして虫を追っかけてた昭和50年代生まれ。 ドラえもんの世界が来るなんて、やっぱり遠い未来のことだと思ってた。 それがどうだ。 黒電話は死に絶え、ひとりに一台、夢のような端末が与えられた。 なまじパソコンなんかより高性能な端末を、俺らは手のひらで弄んでる。 奴らは操作性では一枚まさるが、それも遠くない将来、スマホが克服するだろう。 スティーブジョブズは、まったく天才だった。 こんな夢のような機械を俺らに贈るなんて! だけど得

    • 日本の人口

      イーロンマスクが日本の人口について発言したら、にわかに人口問題がざわつきはじめた。 今更感はあるが、とても大事なこと。 ってか、国家の存続のためには第一に大事なんじゃい! 有史以来の曲がり角。人口が毎年減る、と言うこと。 戦争などの特殊要因で人口が減ることはあっただろうが、今のそれは、構造的な問題と言える。 晩婚化、晩産化、あるいは結婚しても子供をつくらない、といった具合だ。 これらもさることながら、二人目、三人目を作らない、ということが致命的だ。 二人作って人口トントン。増

      • 徒然に

        大学を出て20年あまり。 歩みは早くなかったけれど、 なんとか走り抜けてきた。 振り返れば本当にあっという間で、 なくしてしまった情熱や、 ないがしろにしてしまった大切な存在。 そのすべてに、なんだか涙が、流れる。

        • 芸術

          絵とか音楽とか、本を読むとか。 そんな栄養が、最近ささる。 何も生み出せはしないのだが。

          人生

          人生、なんとかなる。 どんなピンチも、なんとかなったからここにいる。 明日もチャレンジしよう。 失敗しても、なんとかなるんだから。 チャレンジもせずに、 グダグダ言い訳を並べるのって、 いけてない。

          岸田首相

          この国をどうしたいのか、どんな国をつくりたいのか、何にも言わないの。 間違ってでもいいから、国民に何か言って欲しい。

          信長 獅子の生 五

          獅子の生 五 美濃境を越えた。 物見の報告では、稲葉山の攻囲を脱した道三が長良川沿いに陣を敷いているという。 その報を聞いて戦場へと駆け付けたが、 劣勢は明らかだった。 義龍は一万八千余、対する道三と信長の軍は二千八百かそこらといったもの。 それでも戦線は膠着し、一晩を明かした。 朝霧と静寂。 靄の隙間から、ふいに義龍方の竹腰道鎮がつっかけた。 五百程度。歩兵で、道三の前衛を押すが、 すぐに乱れて、退却しようとする。 決戦にいきり立つ道三軍は、すぐに追い討ちをかけようと

          信長 獅子の生 五

          信長 獅子の生 四

          獅子の生 四 道三との同盟の果実は確かに在った。 豪族は信長に対して及び腰になり、 信長はその間に着々と銭を蓄え、兵を登用した。 新兵は、信長自らが鍛えに鍛えた。 兵達からは、死の調練と言われたが、 文字通り、死すれすれまで鍛えあげた。 今までよりも、豪族の内乱は幾らか少ないが、 治める領地はまだまだ小さい。弱小大名なのだ。 ひとりひとりを強くしていく他、 生き残る道はない。 美濃に不穏の空気あり。 かねてより小競り合いが続いていた道三と、息子の義龍の間柄が悪化しはじめ

          信長 獅子の生 四

          信長 日輪の生 三

          日論の生 三 日吉は駆けた。 正徳寺から転がるようにして、城下へ駆け戻ってきた。 市の井戸につくと、へたりこんでしまった。 腹が突き出るほどに水を飲むと、 そのまままた駆けだして、市の知った顔に片っ端から声をかけた。 「信長様にお仕えしたい。なんぞ伝手はないか」 誰もが顔をそむける。それでも何かないかと食い下がると、槍働きならどうじゃと言う。 いくさで手柄を立てれば、信長様ならすぐに重役に取り立ててくれる。 現に、滝川なにがしという流れ者が、たいそう鉄砲の扱いがうまい

          信長 日輪の生 三

          信長 日輪の生 二

          日輪の生 二 「むしろは要らんか。むしろは要らんか」 来る日も来る日も売り歩いた。 一軒一軒訪ねてみたり、寺の前に棚を広げて声をあげる日もあった。 日吉のむしろは一向に売れない。 百姓が、農閑期に細々とやっていたむしろ織り。 腰が曲がってもう田へ出られぬおばばばかりを集めて織らせれば、 商売になるのではないかと日吉は閃いた。 遠江から帰ってからというもの、日吉はいくつか商売を思いついてはやってみた。 小間物屋から、針の行商、末はむしろ売り。 どれもうまくは行かなかった。

          信長 日輪の生 二

          いつか時が汝を

          『いつか時が汝を』歴史小説ではない、北方謙三のハードボイルド作品。 いつかの5月の連休に、東海道をひとり旅しながら、電車の中で読んだ。 そんなことを覚えている。 タイトルがとても美しい。 いつか時が汝を。 響きが美しい言葉は好きだ。

          いつか時が汝を

          晩ごはん。

          仲間たちと連れ立って。 遊んであるく、なんでもない夕方。 ふんわりとカレーのにおいが香ってくると、 嬉しくて、駆けてうちに帰って。 もう、そんな光景も、あんなにおいも、無くなった。 母さんとは子供たちは、呼ばない。 ママ、らしい。 カレーライスは、ご馳走ではないんだって。 時代なんて変わるに決まってるけど、 消えてゆくものが多くて。 さみしい。

          不二子ちゃんは、ルパンのことを、屁とも思ってないのだろうか。

          不二子ちゃんは、ルパンのことを、屁とも思ってないのだろうか。

          さくらあおそら

          まだ咲き始め。 あお空が気持ちいい。

          さくらあおそら

          信長 獅子の生 三

          獅子の生 三 尾張の内での勢力争いが激化していた。 鳴海城主の山口教継が織田家を裏切り、信長の領内に侵攻してきた。 清州城家老の坂井大膳が、松葉・深田城を占領。 これは叔父の信光と共に奪還した。 信長には財がある。 祖父、父と、津島の湊、熱田の湊の物流をしっかりとおさえてきた。 それを引き継いだ信長に入る税は、莫大な額となった。 それでも、銭には限りがある。 このまま内乱が続けば、いつしか新兵の登用もままならなくなるだろう。 豪族は、諸勢力が今のところ危うい均衡のうちに

          信長 獅子の生 三

          信長 獅子の生 二

          獅子の生 二. 寝所に忍んでくる者があった。 影。 そう呼ばれている乱破だ。名は、そこそこ通りはじめている。 「旦那、三河の方の首尾は上々です」 殿と呼ばないことも、許していた。銭も知行も与えてはいない。 奇特な乱破だった。 十六の夏のある夜、枕元にすっくと現れ、「旦那のそばに居ると楽しそうだ」と言った。 なぜか斬ろうとは思わなかった。信じることなど毛頭しなかったが、 うつけと呼ばれた己に誰かが乱破を差し向けるとも思えなかったからだ。 何より、影がまとった陰惨な気配を

          信長 獅子の生 二