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ずるの日

稽古が順調に進んでいる。

その中で今回、ぼくは役作りの一環で少し体重を落とそうとしている。簡単に言えばダイエットである。
決して太っているわけではないが、ぼくの考える役の身体はもう少し痩せている。というよりかは不健康に痩せている。

今の体重が68キロくらいなので、5キロくらいは絞りたいと思っている。
近年は68キロ前後を行ったり来たりしているので、63キロというのはかなり久しぶりの数値かもしれない。

基本的にはいつものトレーニングは変えず、食事制限をかけている。

白いご飯を食べるタイミングがあったとしても絶対におかわりはしない。
食事スピードをゆっくりにする。
稽古のある日は朝と夜の2食。
野菜とタンパク質を積極的に摂る。


トレーニングを継続してやってきているので、筋肉の重さもあるのだと思う。
なので感覚的には顔のお肉がちょっと落ちてくれれば十分かなとは思っている。

そんな食事制限を始めて5日くらいは経っただろうか。
やはり心が折れそうにはなる。稽古中盤くらいからものすごくお腹が空いてくる。
多分、共演者の方々も同じくらいのタイミングでお腹が空いてくるのだろう。皆さん、同じような時間に持ってきたお弁当だとか軽食だとかを食べ始める。

もちろんぼくはそれを見ているだけなので、なんとも言えない気持ちになる。
そんなときは素直に「お腹がすいた」と口にするようにしている。見て見ぬ振りが一番しんどいから。

かなり食に飢えている近頃。
チートデイとして設定しているオフ日前日の夜、ぼくはひとりで低価格帯の焼肉を食べに行った。

焼肉に行っても牛肉は頼まない。
ぼくが頼んだのはキムチ・ラム肉・鶏肉・イイダコ・ニンニクホイル焼き・ライス(中)だけである。
ライス(小)にできなかったのはぼくの甘えです。

稽古終わりの疲労感、そして空腹感。
その中で好きなラジオを聴きながらのスロー焼肉。
オフ日前日だからこそ好き勝手食べられるニンニクのホイル焼き。

信じられないくらいの幸福感があった。
低価格帯の焼肉で、普段弾き出せる幸福感の数倍は記録していたと思う。

食事スピードをゆっくりにしているおかげで、注文している品が少なくても、久しぶりに満腹感を得る食事になった。

こういうチートデイがオフ日前日の夜に待っていると思うと、なんだか食事制限を続けられる気がしている。

ちょっと生活のリズムを変えるだけで、幸福の尺度が変わる。
もしかしたら、ダイエット以上に大きな新しい学びになったかもしれない。

千秋楽を迎えるその日まで、なんとか耐え忍ぶぞ。
千秋楽が終わったら、俺は寿司を食う。

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