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ことばはひとを救う

スターバックスコーヒーのアプリをダウンロードしてから、少し時間が空く時などによくスタバを利用するようになった。

アプリの中には訪れた店舗を記録できるスタンプラリーのようなものがあり、近くにスタバが数店舗あった場合、行ったことのない店舗に行くようにしている。

行きつけの店舗があるとすれば二子玉川公園内にある店舗だろう。
翻訳の作業をする時など、今年の夏は大変にお世話になった。

もうひとつは今年の5月と6月、渋谷のPARCOで舞台公演があった時にパルコ店内にある店舗に朝から楽屋入りまでの時間、お世話になっていた。

スタバの接客は素晴らしい。
特別なサービスをしているわけではないが、顔なじみになったお客に内輪的な会話を提供している。

そんな会話は他のチェーン店ではなかなか見られない光景であり、スタバ以外の場では交流のないひと同士が交わす距離感の近い会話は聞いていて嬉しくなるし、羨ましく思ったりする。

昨今の状況でむやみやたらと知らないひとに話しかけることが難しくなってしまった。
(そもそも昔からそんなことしてはいないが)

でもその場で出会った知らないひとと共通の話題でなにかを共感・共有し合うことは素敵な体験であることを知っている。

例えば野球場。

同じチームの見知らぬファン同士が隣の席に座って、一緒に応援をしている。
やはり試合の序盤はどこかヨソヨソしいのだが、中盤に贔屓チームに得点が入ったりすると勢いでハイタッチをしたりする。
ハイタッチをした後に乾杯をしたり、プレーへの愚痴に共感しあったりする。

ぼくはそれでヤクザのひと達と仲良くなってしまったこともある。

そしてロンドンの劇場。

ロンドンの劇場にはバーが併設されていることが多く、舞台公演の休憩時間にはロンドナー達がバーに繰り出して、芝居のことやら何やらを一通りお喋りして、再び自分の席に戻っていく。
(日本にはあまり無い文化だし、日本人はこういうのがあまり得意ではない)

ひとつの芸術が媒体となってひととひとを繋いでいく。
一杯のコーヒーがひととひとを繋いでいく。

素敵な光景だと思う。
少しの会話で心が救われる瞬間ってあるよなあ。

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