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海外フルリモート企業から考察する、テレワークをうまく稼働させるために取り入れたい4つのカルチャー

このnoteについて

このnoteは経営者のためのマガジン「withコロナ時代を生き抜く組織改革」のうちのコンテンツです。

多くの企業では、企業文化・カルチャーを作った際に「テレワーク」を前提としていなかったと思います。しばらくCOVID-19×テレワークの影響は続くでしょう。テレワークがスタンダードになる可能性も捨てきれません。

今の状態にいち早く対応するために、企業文化やルールを追加することも検討すべきかと思います。

このnoteでは、COVID-19×テレワーク環境で検討したい企業文化を、創業時からフルリモートで会社を経営しているZapierを参考にしながら見ていければと思います。素晴らしすぎて、これぞ!という感じでした。

特に推奨される行動と、そうでない行動を一緒に出していることが素晴らしいです。ユーザベースさんも同じようなことをやっています。

▼私が取材させてもらいました。懐かしい。


チェックリスト

□ 自社の組織文化はCOVID-19×テレワーク、今後のwithコロナの時代を考えても不足ないものになっていますか?

□ Zapierのコアバリューと比較して、足りてないと感じるものはありましたか?

Zapierのコアバリュー

Zapierはウェブアプリケーションの自動連携を実現するサービスを提供しており、従業員はフルリモートで働いています。Zapierは最初の3ヶ月だけオフィスに集まっていたそうですが、その後テレワークに移行。そんなZapierはどんなコアバリューをもとに、フルリモート経営を実現させているのでしょうか。コアバリュー5つのうちの4つを見ていきます。

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① Default to Action

「すべてのことは変更される可能性があると理解した上で、将来の予測で動かないよりも、今価値のあるものを実行する」ことを大切にしています。ディスカバリードリブンプランニングに近い考え方ですね。

Zapierでは、このバリューを機能させるために、以下のように考えることを求めています。

・OK「問題を見つけたらすぐに行動する。」NG「誰かの仕事だからといって、問題を無視する。
・OK「わからないことがあれば、マネージャーやチームメイトに助けを求める。」NG「人の目を気にして、問題提起や質問をしようとしない。
・OK「完璧を追求するのではなく、迅速できちんとした意思決定を好む。」NG「時間がどれだけかかっても完璧なものを追求しようとする。
・OK「1日の仕事の優先順位を決める時、チームの目標に沿ったタスクにフォーカスする。」NG「次々に新しい仕事を増やしては、誰も助けてくれないとイライラする。
・OK「巨大で大胆かつ困難な問題に取り組み、チームとして正しく大きな賭けをする。」NG「逆転するのが難しい大きな問題を自分で決める。

② Default to Transparency

離れた環境で働いていると、同じものを共有することが難しくなります。文脈、目的、目標、進行中の仕事を公の場で共有することで、全員の共通した大きなゴールを達成することができます。もし透明性が担保されていなければ、自分が何をやるべきか正しい判断ができなくなってしまうかもしれません。

Zapierでは、このバリューを機能させるために、以下のように考えることを求めています。

・OK「文脈に沿って適切に関連する情報を共有しているので、チームメイトにとってサプライズがない。」NG「共有する必要が発生するときまで情報を隠しているがチームメイトにそのことによりサプライズが起こっても問題はない。
・OK「自分の目標の進捗や仕事を迅速・頻繁にメンターに共有するので、すぐに行動の修正ができる。」NG「終わったときにようやく、自分の最高傑作として共有する。
・OK「すでに詳しいものややり遂げたものをうまく要約し、社内の誰もがわかるように共有する。」NG「自分の生産性や仕事をアピールするために、全ての詳細を共有する。
・OK「機密性の高い情報がきたときに、よく考えて公にする前にマネージャーに相談する。」NG「透明性のために、すぐに遠く広く共有する。

③ Grow Through Feedback

従業員全員の目標達成や個人的な野望を叶えるために、成長は欠かせないでしょう。お互いに率直なフィードバックを送り合うことで協力して成功をおさめることができることはとても大切です。

・OK「フィードバックを聞き、改善する。」NG「フィードバックを聞くと、やる気が下がる。
・OK「フィードバックを受ける時に、ポジティブな意図を感じる。」NG「フィードバックを受ける時に、攻撃されたと感じる。
・OK「チームメイトの行動が自分を助けた時に、どのように貢献したかまでを共有し、感謝を伝える。」NG「自分へのフィードバックしか考えない。
・OK「他の人の成長にも参加する。」NG「感情を傷つけたり、不快な想いをしないように黙っている。
・OK「ダイレクトに思いやりを持ってフィードバックを行う。」NG「相手を助けるという気持ちをもたずにフィードバックをする。
・OK「変化が起きた時、新しいチャンスを受け入れる。」NG「変化が起こると、最悪の事態を恐れる。

フィードバックの際のガイドラインのようですね。それだけフィードバックを重要視しているということが伝わってきます。

④ Empathy, No Ego

優れたチームメイトがいると信頼し、決して独りよがりで働かないこと。一緒に仕事をすることで必ず成功を抑めることができると言っています。そして傷ついた自分に寛容であり取り戻すことの重要さも伝えています。

・OK「他の人と協力して素晴らしいアイデアを構築する。」NG「自分のアイデアが最高だと考え、一人仕事をする。
・OK「チームメイトやユーザーの幸福に関心があり、強い絆があれば困難な状況も一緒に乗り越えられると信じる。」NG「自分の興味関心を満たすために、チームメイトを「資源」として扱う。
・OK「床が汚れていたら、自分で掃除をする。」NG「自分がやるような仕事ではないと考え、管理人が掃除をするのを待つ。
・OK「失敗した時に学ぶ。」NG「失敗したら、自分はダメだと考える。
・OK「自分はなんでも学べる。」NG「得意か不得意かのどちらかである。
・OK「挫折した時に堪える。」NG「挫折したら諦める。
・OK「他人が成功したら、刺激を受ける。」NG「他人が成功したら、恐れを抱く。

ポイント

いかがでしたでしょうか?テレワークを実践するにあたって、とても重要なことが書かれているかと思います。ポイントは以下かなと思います。自社、自分のチームではこれらのことが実現されていますか?

① 目の前の仕事にフォーカスして、大きな目標をチームで叶える。

テレワークに移行したことにより、よりアウトプットを求めることになります。しかし、アウトプットを出したいあまり、「自分がアウトプットを出しやすい業務」に手をあちこち出していてもチームとして大きな目標は達成されません。透明性の文化でも触れましたが、自分がやっている業務の進捗を常に共有し、目の前の「もっとも大事な仕事」にフォーカスしていく必要があるでしょう。

② 常に受け取りやすい情報をシェアし、顔の見えない相手にサプライズを起こさない。

細かく共有することはもちろん、ドキュメンテーション能力は、COVID-19×テレワーク環境下になり「必須のスキル」となるでしょう。実際、Zapierでも採用のときに「ライターであるか」を見ているようです。チャットでのコミュニケーションやノウハウの共有、フィードバックを送る際に、相手のことを考えた伝わりやすいドキュメンテーションを書けるかどうかは非常に重要になります。

③ 企業文化を作るために、全員で成長していくためにフィードバックに注力する。

健全なフィードバックを組織に根付かせることは、この不確実な時代を勝ち抜くためにとても重要なことです。個人やチームに対しての学習と成長を促進させていくことで、早く変化に適応、行動の修正、カルチャーフィットしてもらうことができます。

④ 同僚と自分を信頼して、組織、同僚、自分の成功を考える。

COVID-19×テレワーク環境下において、ダイバーシティ的なものの理解がとても求められます。それぞれの家の事情などによって働ける時間やコミットの仕方、気持ちの持ち様が変わってくるためです。そんな状態だからこそ、お互いが信頼して、相手の気持ちに共感し組織を運営していく必要が高まります。それができなければ、「合わない」と思う人は会社を去っていくことになります。

最後に

企業文化の構築は、企業にとって競争優位性を生み出します。Zapier社の場合はダイレクトにリモートワーク環境が整っている文化・仕組みを持つことで、世界中の優秀な人材を採用することができています。

これからの時代に必要な企業文化にチューニングしていくことも、今経営者に求められていることかもしれません。

▼ 限定30社に無料で、テレワーク環境下でのマネジメントの設計と研修までセットのサービスを提供しています。

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目標管理や1on1、フィードバックの仕組みを簡単に取り入れられます。マネージャーの方の体験を大幅に良くすることができるプロダクトなので、ぜひ見てみてください。

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▼ COVID-19×テレワークでのマネジメントについてディスカッションしましょう。


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