能(脳)力を高めるには、「関節」を使ってはいけない(後編)
こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。
これから求められる人材、「バフ人材」。彼ら彼女らが発揮する「バフ(=チームの能力を最大限発揮させる行為)」に関するnoteです。
今回は後編。前編がまだの方はこちらからどうぞ。
能(脳)力を高めるには、フレームに気づき、使用を意図的に封じる。その具体的な方法とは……の記事です。
●15秒で読みたいあなたへ 要約
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●結論、2つだけ。
脳力を高めるために、フレームに気づき、使用を意図的に封じる。は、結論2つに集約されます。
それは、1)脳力を高めたいジャンルの「プロの本を読む」。そして、2)「仕事を依頼する」です。
「なんだ、そんなもんか。」と思うかもしれませんが、それぞれ詳しく解説します。
●コスパ最悪の「執筆」
ぼくはこれまで、一流コンサルタントや経営者との仕事が多く、彼ら彼女らのほとんどは本を出していました。
彼ら彼女らの脳力とフレーム=ノウハウはニーズが高いので、出版で一定の印税が見込めます。しかし「お金」だけをみたら、本業で月に数百万円を稼げるので、数ヶ月を執筆にさくより本業に集中したほうが、はるかに効率的です。
それでも出版する理由はなにか?
もちろんマーケティング目的もありますが、多くは脳力が高まりフレームを生み出したプロセスを開示し、困っている人(=多くは「過去の自分」)に同じ苦労をさせたくない「想い」や「使命感」がほとんどでした。
競争優位の源泉を、競合がみるリスクを抱えてまで出す。それが「本」です。これほど受け手を考え、向き合う時間が長いコミュニケーション手段をぼくは他に知りません。
●テーマをもって読む
とはいえ、ただ漫然と読書をしても「脳力」は高まりませんし、自分のフレームにも気づけません。
では、どうするか?
「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」でも有名な山口周さんは、「『自分独自のテーマ=問い』を持った読書」を推奨しています。
あなたがデザイナーであれば「ひとは、どういう仕掛けにするとミスを最小化できるのか?」、エンジニアであれば「最小のインプットでアウトプットを最大化する機構の、必要条件はなにか?」などです。
このテーマの有無で、1冊から得られる示唆や気付くフレームの数に雲泥の差がつきます。
さらに、マーカーを引く/メモも的確になるので、数日かけて読んでる中で「……なんでこの本読んでるんだっけ?」なんてことも、無くなることでしょう。
●「顧客として」最上のクオリティを体験をする
脳力を高めるもうひとつの方法は、その道のプロに顧客として仕事を依頼するです。あなたのジャンル(=プロマネやライティング、デザインやエンジニアリングなど)で、憧れの会社や個人に依頼しましょう。
企画書作成であれば、社内を説得して有名コンサルティングファームに依頼する。
デザインであれば、憧れの有名デザイナーにホームページやSNS経由で依頼するなど。あなたがそのジャンルに多少なり知見や経験があれば、一流のプロの仕事から学べることは無限大です。
もちろん、競合の依頼を断っている方もいます。その場合はビジネスマナーの範囲で、たとえば友人にお願いするなど工夫しましょう。(WEBサイトを改修したい友人に、有名デザイナーを紹介して、自分がプロマネ的に入るなど)
●なぜ、仕事として依頼なのか?
「いやいや。仕事ではなく、同じお金を払って弟子入りや、オンラインスクールに参加したほうがいいのでは?」
たしかに、ぼくは上記の「学びの場の設計」が本業です。しかしそのぼくが断言します。講師と生徒、師匠と弟子の関係での真剣度は、顧客と提供側の関係を超えることはありません。
生徒/弟子側から講師/師匠のアウトプットにダメ出しすることは、構造的にありえません。なぜなら、そもそもそのアウトプットを出すための脳力やフレームを身につけるため、講座を受けたり弟子入りするからです。
「これが満足されなかったら、契約を切られるかもしれない」
「ダサいアウトプットを出したなら、業界の評判が下がるかもしれない」
そんな顧客と提供側のいい意味での緊張感により、提供側の脳力が成長しフレームが進化する。それを側で感じることこそ、お金を払ってでも得たい価値です。
●自信喪失は、大逆転劇の序章
自分と同じジャンルで圧倒的なクオリティの差を見せつけられる。これは、ほぼかならず、最初凹みます。しかし代わりに、現在地を知り、改善点を知ることができます。
アサヒビール元副社長の故・中條高徳さんは、1980年代に同社のシェアが9%(キリンは60%超え)のとき、驚くべき行動をします。それは、自社のみならずなんと他社17名のエンジニア、そしてキリンビールの経営陣に「どんなビールが美味いか?」を聞いたのです。
(ちなみに、他社からすると当時は圧倒的な差があったので、すんなり教えてくれたそうです)。
その結果、「生が美味い」「原材料が命」を革新し、1987年に「アサヒスーパードライ」を発売。11年後の1998年についに国内シェアNo.1を獲得します。
失う目先の自信以上に、将来みられる素晴らしい景色をみるために。
ぜひ本を読み、憧れのあの人/会社へ仕事を依頼することをおすすめします。
●まとめ
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後編もお読みいただき、ありがとうございます。
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次回は2021年11月20日(土)更新予定
よろしくおねがいします。
がんばるぞ。