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同じ「教える」なのに、年収が一桁違う人の「感覚」とは?

こんにちは。米川(@yoneshi0320)です。

今回は同じ「教えること」。なのに、そこで驚くほどの年収の違いを生み出せる人の「感覚」について、解説します。

●対象の違い?

 身近な「教える仕事」といえば、真っ先に「(学校の)先生」と、思い浮かぶでしょう。一方、あまり身近でないのは「企業の研修講師」。企業の社員向けに、経営に関するさまざまな知識やスキルを「教える」人たちです。

彼ら彼女らは(ぼくがお付き合いしていた企業で)平均1日50万円、高い人だと1日100万円を超える価格で「教えて」いました。日本の平均年収がおよそ400万円なので、なんと年間4日〜8日「教える」と同じ額に。

一方で先生の多くは公務員であり、年収はおよそ400万〜600万円ほど。私立の学校でも、年収1,000万円を超えるのは余程の進学校で限られた先生のみでしょう。

この差はいったいどこからくるのか?
ぼくの結論は、次の感覚のある/なしです。

補足:今回は「年収」の話なので、「先生のほうが退職金とか年金多くもらえる可能性がある」などは、一旦除いて考えています。

●結論は「マーケット感覚」

 「マーケット感覚」とは一言でいうと、「商品がマーケット(市場)においてどんな価値と価格なのか?を感じる能力」です。

たとえばメルカリでいらない家具を売るとき、なにを基準に価格をつけますか?

もしその家具が「無印で買った木製の椅子」だった場合、(タダでも売りたい場合を除いて)通常は、他で出品されている「無印の木製の椅子の価格」を基準にします。

これが「マーケット感覚」の一例です。
欲しい人がいるマーケット(=メルカリ)において、自分の商品と一見同じようなものにいくらの価格がついているのかを、把握しようとするか否か。

これが年収に一桁違うほどのインパクトをもたらします。

●たった1日で2,000万円のインパクト

 マーケット感覚を一歩進めると、「相手へのインパクトを定量的に考えること」にいき着きます。

たとえば1日のプログラミング研修をうけて、参加者20人がその後プログラムで仕事量を年間20%削減できた場合を考えます。
その研修の価値、すなわちインパクトは「参加者の年収×0.2×20」。
仮に年収500万円の場合、2,000万円分のコスト削減効果です。

この研修に、あなたが経営者ならいくら払うでしょうか?
仮に1,000万円で提示されても「得をした」と思うのが、優秀な経営者。それがあったら得られた利益や、無かったときに発生していた損失と、商品の価格を見比べて、採用されるか否かの判断がくだされます。

<インパクトの定量化と採用/不採用の関係性>
得られた利益額+無くて発生している損失額 > 商品の価格=採用
得られた利益額+無くて発生している損失額 < 商品の価格=不採用

<プログラム研修の例>
得られた利益(=削減できたコスト)2
,000万円 > 価格1,000万円=採用

●インパクトを定量で出しにくい学校教育

 一方、学校の先生が出したインパクトは、なかなか定量化できません。

日本は憲法第26条で「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」と定めています。

しかし「教育のインパクトは何をもって測るのか」は、識者の間でも見解が分かれる問題です。「受け手の生涯年収」なのか「GDP」なのか「貧困率」なのか。

インパクトの定義が定められない以上、提供者=先生側も給与交渉が難しいのが現状。

さらに学校教育には「神聖な領域にマーケット(商売)感覚を持ち込むな」なる(謎の)思想も一部には存在するので、さらにマーケット感覚を養いにくい環境でもあります。

補足:先生の年収が研修講師よりも相対的に低いという話であり、「先生の仕事の価値やインパクトが低い」という話ではありません。念のため。

●「隠された秘密」が価格を押し上げる

 さらに研修講師の年収を引き上げる要素に、「隠された秘密」があります。マーケティングでは「差別化要因」や「競争優位性」などと表されます。

たとえば前述のプログラミング研修。
「独学でプログラミングを学んだ講師」よりも「GoogleやAmazonを渡り歩き、その社内で使われているプログラミングの思想や知識を持つ講師」の方がより「隠された秘密」をもっています。

過去は「トリビアの泉」、現在なら「東大王」「Qさま」など、「(多くの他人が)知らない知識を得るコンテンツ」に、私たちは日々夢中です。

これは狩猟・農耕民族時代、「生き残っている種族(=勝者)の情報」は群れ全体の生存確率を上げるために必須だったことに由来する、本能。

惹きつけられる企業が多い以上、隠された秘密を持つ講師の価格はプレミアがつくのです。

●年収を一桁上げたいのであれば

 意外かと思うかもしれませんが、学校の先生と研修講師の間に、10倍も20倍も「教えるスキルの差」があるのはほぼ稀です(もちろん世の中TOP 1%は別かもしれません)。

同じようにあなたの仕事でも、「憧れのあの人」とスキルだけみれば、ちょっとした差かもしれません。

しかし一桁や二桁も年収や価格が違うのであれば、次の2つを言語化してみる。それだけで、劇的に変わるきっかけを得られます。

1)その仕事で相手にどんなインパクトがあるのか?
2)他のひとの仕事にはあまりない、(相手が知りたい)隠された秘密はなにか?

最初は難しいかもしれませんが、5分でいいので。
きっと仕事や働く世界が違ってみえることを、お約束します。

まとめ

・同じ「教える」でも、先生の年収は500万円。研修講師は数千万円
・違いは結論、「マーケット感覚」があるかないか
・相手に生み出すインパクトを定量化できるなら、価格を上げやすい
・学校は教育のインパクトを定義できないから、給与交渉が難しい
・相手が知りたい「隠された秘密」があると、より高価格に
・インパクトと隠された秘密を言語化するのが、年収アップへの第一歩

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次回も書きます。
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