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木の話

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適材適所という言葉、今は人の配置などに使われていますが、本来はその名のとおり木材を適した場所につかうという意味の言葉でした。  日本人が古くから付き合ってきた木の良さ、木の面白…
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#エッセイ

木の話7 法隆寺と釘

木の話7 法隆寺と釘

世界最古の木造建築、法隆寺のお話。

法隆寺の柱は千年もたせる為に、ヒノキを使いました。

ヒノキは針葉樹で導管がなく、外部からの水の浸入を防ぎます。また、ヒノキの中にタンニンと言う成分が多く含まれていて、腐りにくい木でもあります。

飛鳥時代の職人さんはこれらの事を感覚的に知っていたというのがすごいですよね。

法隆寺は釘を一本も使用していないことで有名でした。私もそう思っていました。

宮大工

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木の話6 日本書紀の木使い

ヨーロッパが石の文化と言われるのに対して、日本は木の文化と言われます。

世界的に言ってchina(チャイナ)、と言えば磁器のことですよね。

では、japan(ジャパン)と言えば?

答えは漆器です。漆(うるし)塗りのことです。
世界的にみても日本は木の文化なんですね。

どれぐらい木の文化かといいますと、日本書紀にさかのぼります。
日本書紀に、

「杉と橡樟の両樹は浮宝の、桧は瑞宮の、柀は奥津

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木の話5 日本は木の文化

木の話5 日本は木の文化

ヨーロッパは石の文化と言われます。お城とか見ると石の文化だなぁと思いますよね。

中東は何の文化かご存ですか?中東はレンガの文化なんだそうです。そう言われてみると、なんか砂漠っぽいところで砂埃がたっていて赤茶けた建物がある…というイメージですよね。

文化と言っても建築の話だと思いますが、そんなイメージがします。まあ、ボクは建築は専門ではないので詳しいことはわかりませんが…。

それら石の文化、レ

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木の話4 日本は資源大国

木の話4 日本は資源大国

日本の森林の面積は30年前と変わりはありません。こちらの林野庁の資料によれば30年前どころか50年前から比べても森林面積はほとんど変わっていないのがわかります。

次にこちら、こちらも林野庁の資料ですが、日本の森林蓄積の推移です。

ごらんいただければわかるように、木は年々育っていくので、森林での木の蓄積は年々増えていっています。

日本は資源が少ないとよく言われますが、実は、森林という資源は年々

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木の話3 森林は減っている?

木の話3 森林は減っている?

 日本の森林は30年前からくらべるとどれぐらい減ったでしょうか?という質問を小学校の出前授業でよくするのですが、どう思われますか?

 20%減ったでしょうか?それとも50%ぐらいになった?

 答は30年前と変わらない、です。

 結構意外なのではないでしょうか?
 小学校でもこの質問に正解する子どもは10%もいません。環境は破壊されているものだ、というイメージが定着しているのかもしれません。

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