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フィクションの使い方

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人間は言語を使うことを、つまりフィクションを立てることをう運命づけられていますが、その力は甚大です。人生を傾かせることも、人生を上向かせることも、どのようなフィクションを立てうる…
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#毎日更新

【342】意図と内面の短絡を弾劾する、それでも

表現は、思考ないしは意図というものを、特に法的な場面においては十分正当な形で推定させると…

墓場
3年前
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【339】「プロの素人」になりたいものである

昨日書いた記事——【338】プロかつアマでありたい? ふたつの語源を介して——の一つの核と…

墓場
3年前
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【338】プロかつアマでありたい? ふたつの語源を介して

「好きなことを仕事にせよ」という或る種の命令と「好きなことは仕事にすべきではない」という…

墓場
3年前
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【335】約束された確実な不幸の心地よさ?

臭いものに蓋をしても、どうしてか開けたくなる。嫌な気持ちになることはわかっているのに、怖…

墓場
3年前
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【332】ポジティヴの彼岸

まずは以下のURLの文章をお読みいただけるとよいかと思います。精神科医である林氏が精神に関…

墓場
3年前
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【331】フィロクテーテースの弓と神託

「フィロクテーテースの弓」と言って、その比喩が皆さんに伝わるでしょうか。これはソフォクレ…

墓場
3年前
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【325】丸パクが与えるものは成果ばかりではない

物事を何かマスターしたり良い方向へと進めたりするためには、自分よりもうまくできている人や、あるいは目標としうるような高いレベルで実現している人の姿を見て、それを徹底的にパクる、というのが最も良い手段であるということは確実でしょう。 これはどのような分野でもそうです。型通りのものを身につけるべき「お勉強」であれば当然そうですし、芸事やスポーツももちろんそうです。 さらに言えば、独自性が必要で抜き去りがたいように見える学術研究や、経営や、あるいは創作といった分野においても、こ

【323】ハッピーエンドのその脇で

幼少の頃からハッピーエンドの物語にどこか居心地の悪さを感じてきた身としては、そもそもハッ…

墓場
3年前
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【322】赦しと約束(アレント『人間の条件』)

先日アップした「【319】言葉は悪霊の火、というイメージ」という記事をある意味でインスパイ…

墓場
3年前
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【321】適切に同情するために(古代・中世哲学から)

「同情するなら金をくれ」という言葉が特有の効果を持つのは、この言葉が如何にも「金」に困っ…

墓場
3年前
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【315】心が動いたらその原因を探して言語化する/九條夏夜乃について/反省の微差を…

何か引っかかるセリフがあるとか、ある音楽を聴いてぐいと心を掴まれたような感じになるとか、…

墓場
3年前
8

【310】(欲望を)読むために(欲望を)書くこと/一問一答的な読みで満足していませ…

要するに人生の秘訣というのは、「自分の欲望を知る」こと、ないしは「自分の欲望に対して納得…

墓場
3年前
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【306】あるヨギの幸福:ハマる「才能」から実践的なテクストの読み方へ

ヨガに関する情報は、ティーチャートレーニングなども履修済みで、解剖学なども積極的に勉強し…

墓場
3年前
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【47】書かれなかったものに触れる

経験のある方も多いかもしれませんが、大学で文系の学部に入った場合、大抵は初年次の学生ための基本的なことをやるゼミというものがあります。 この種のゼミは多くの場合必修で、専門的な内容に過度に傾斜することなく、基本的な文献収集の技術や論文の作法について学ぶことになっているのが常です。 つまり、4年間、ないしそれ以上の期間に渡って重要になる技術の基礎を叩き込む機会として設定されているということです。 もちろん文系にも人文系や社会科学系というように色々あります。 人文系でも、文