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あゝおとうとよ、君を泣く

日本の格闘技界を席巻した、朝倉兄弟。


特に、弟の朝倉 海 選手は、一昨年・昨年とメインイベンターを務め、
いずれも、バンタム級のタイトルを賭けた戦いに臨みました。




結果、まさかの2年連続KO負け。



一方で、右膝前十字じん帯損傷という大怪我から、
1年4か月ぶりの復帰戦で、見事タイトル奪還を果たした、
"最強のMADE IN JAPAN" 堀口 恭司 選手。




RIZINの象徴だった彼の完全復活に、ファンは歓喜し、
榊原社長は「もう、恭司に何回もベルト巻いてるよ」と(笑)、
リング上で、顔をほころばせていました。






文字通り、"年忘れ"と言っても過言ではない程、
一年の凄惨な思い出を吹き飛ばすかのような(笑)、
劇的で、胸を突き動かされる試合を見せてくれる、
選手・ファンにとっての夢舞台、それが大晦日のRIZINです。



名勝負は数知れませんが、大晦日RIZINの真骨頂は、
何と言っても、メインイベントでしょう。



今回の記事は、RIZIN旗揚げの2015年大晦日から、
先日、2020年大晦日の6大会について、
それぞれのメインイベントを振り返りたいと思います。






2015/12/31
RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 IZAの舞


ヘビー級トーナメント 決勝戦

〇 キング・モー vs イリー・プロハースカ ×

1R 5:09 KO(右フック)



かつて、日本の総合格闘技イベント「戦極」でデビューし、
アメリカの団体「Strikeforce」でチャンピオンにも上り詰めた、
レスリングエリート、キング・モー。



対するは、後のRIZINライトヘビー級王者で、
現在は世界最高峰の舞台「UFC」で活躍する、
"チェコの宮本武蔵"、イリー・プロハースカ。



RIZIN旗揚げ当初から、凄いカードがメインになりましたが、
激闘の末、タックルのフェイントを見せてからの、
モーの強烈な右フックが炸裂し、プロハースカは前のめりに失神。



かつて、日本でデビューしたアメリカの天才レスラーが、
またしても日本で、大晦日を沸かせてくれました。






2016/12/31
RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016


無差別級トーナメント 決勝戦

○ ミルコ・クロコップ vs アミール・アリアックバリ ×
1R 2:02 KO(左フック→パウンド)



言わずと知れた、K-1、PRIDEで活躍したスーパースター、
クロアチアの英雄、ミルコ・クロコップ。



対するは、グレコローマン96kg級で世界選手権を連覇した、
イランのレスリングエリート、アミール・アリアックバリ。



年齢差13歳、体格でも上回る相手を落ち着いて捌き、
最後は左フックの連打で、イランの大男をマットに沈め、
見事、RIZINでも頂点に立った、超人・ミルコ。



その圧巻の優勝劇に、日本のファンは総立ちとなりました。






2017/12/31
RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND


バンタム級トーナメント 決勝戦

○ 堀口 恭司 vs 石渡 伸太郎 ×
2R 0:14 KO(右フック)



日本の格闘技団体「修斗」のベルトを22歳で獲得。



世界最高峰の「UFC」では7勝1敗という好成績を残し、
満を持してRIZIN参戦となった、日本格闘技界の最高傑作、
"最強のMADE IN JAPAN" 堀口 恭司。



対するは、PRIDE解散後の日本格闘技界を生き残り、
老舗団体「パンクラス」で叩き上げのチャンピオン、石渡 伸太郎。



壮絶なバンタム級トーナメントを勝ち上がった2人による決勝戦は、
堀口が打撃で終始圧倒し、1R終了時点で石渡の体力はほぼゼロ。



そして2R開始早々、意を決して打撃を振っていった石渡に対し、
堀口の狙いすました右のカウンターが一閃。



あっけなく石渡は崩れ落ち、UFC帰りの堀口が、
世界の猛者が集うバンタム級トーナメントを、圧勝で制しました。






2018/12/31
RIZIN.14


スペシャルエキシビジョン(ボクシング非公式戦)

○ フロイド・メイウェザー・ジュニア vs 那須川 天心 ×
1R 2:19 KO(3ノックダウン)



2018年の秋、日本中に衝撃のニュースが流れました。



"メイウェザーと那須川 天心が大みそかに対戦決定"



それを見て、一格闘ファンの私もひっくり返りましたが、
その話自体も、大会直前に"やる""やらない"で二転三転しました(笑)。



最終的に、向こう(メイウェザー)側の要求を、
RIZIN・天心側が最大限飲む形で実現した、夢のビッグマッチ。



キックボクシング界で、もはや国内外に敵なしと言われた、
"神童" 那須川 天心。



御年41歳(当時)の、ピークを過ぎたメイウェザーになら、
20歳(当時)の天心は、ボクシングルールだったとしても、
一発入れてくれるか? という、大きな期待が寄せられました。



当日も、メイウェザーは果たして来るのか?と(笑)、
榊原社長を初め、関係者も肝を冷やしたと思いますが、
結果、都内で焼肉を楽しんだ後(笑)、会場に現れたメイウェザー。



スパーリング感覚で、ニヤニヤと笑いながら迫ってくる彼に、
天心も果敢に速い打撃を見舞っていきますが、
10㎏近い体重差と、ボクシングの経験差は如何ともし難く…。



結果、1Rでメイウェザーが3度のダウンを奪い、タオルが投入。



競技・階級を超えた天心の挑戦は、あっけなく幕を閉じました。



しかしこの先、そう遠くない将来にキックを卒業する天心。



ボクシングの世界で、彼がベルトを巻く日は果たして…!?






2019/12/31
RIZIN.20


RIZINバンタム級タイトルマッチ

× 朝倉 海 vs マネル・ケイプ ○
2R 0:38 KO(グラウンドパンチ)




2019年の夏に、世界最強と言われ続けた堀口 恭司を、
1R KOで下し、大金星を挙げた、朝倉兄弟の弟、朝倉 海。



ダイレクトリマッチ(再戦)で、タイトル戦が予定されていた本試合。



しかし、堀口が先述の怪我により、長期戦線離脱。



堀口の返上したタイトルを巡り、朝倉と対戦することになったのは、
アンゴラ共和国の暴れん坊、マネル・ケイプ。



同い年のストライカー対決は、前評判では朝倉有利とされ、
「堀口選手の代わりが、ケイプかよ」と一笑に付した、戦前の朝倉。



ところが、好事魔多し。



いざ試合では、ボクシング一辺倒となっていた朝倉に対し、
レスリングや蹴りを織り交ぜ、巧みなフットワークを見せるケイプ。



2R開始直後には、強引に前に出てきた朝倉のワンツーに対し、
"待ってました"と、ケイプのカウンターの右が、ドンピシャでヒット。



この一発で倒れた朝倉に、数限りないグラウンドパンチを浴びせ、
バンタム級のベルトを、アンゴラ共和国へと持ち帰ったケイプ。



朝倉にとっては、悪夢の大晦日となってしまいました。






2020/12/31
RIZIN.26


RIZINバンタム級タイトルマッチ

× 朝倉 海 vs 堀口 恭司 〇
1R 2:48 KO(グラウンドパンチ)



RIZIN王者のケイプが、世界最高峰の舞台・UFCと契約。



ベルトを取られ、早々に"勝ち逃げ"されてしまったRIZIN。



返上となったベルトは、秋の王座決定戦で、朝倉が獲得。



そのタイトルを懸け、怪我から1年4か月ぶりに復帰した堀口が、
今度は"挑戦者"の立場で、朝倉と対戦することになりました。



朝倉のコンディションの良さと、堀口の長期に渡るブランク。



予想は二分されたものの、朝倉有利の声も多かった前評判。



しかし、蓋を開ければ、ボクシング偏重で前傾姿勢の朝倉に対し、
堀口の(ふくらはぎを蹴る)「カーフキック」がバシバシ炸裂。



ものの2分程で、朝倉の左足は破壊されてしまい、
堀口の右の連打からのグラウンドパンチで、レフェリーストップ。



完全なる"作戦負け"で、朝倉は大晦日のタイトル戦 2連敗。



一方で、堀口の復活を心待ちにしていた会場のファンは大爆発。



6年目のRIZINも、変わらず劇的なメインイベントを魅せてくれました。







以上、格闘ファン歴15年以上の私が、
RIZIN大晦日の、メインイベントの歴史を書かせて頂きました。



メインイベント6試合、全てKO決着。



毎年必ず大晦日には、格闘技に励まされている気がします。



また2021年の1年も、多くのファイターが大晦日出場を目指し、
1試合1試合を、死に物狂いで勝ちに来ることでしょう。







私も、2月の簿記1級、頑張らないといけませんね(笑)。



絶えず、素晴らしい大会を作ってくれる関係者の方々に、
心から感謝の気持ちを贈りたいと思います。






次は、3月に東京ドーム大会があるとのこと。




続報を、耳をダンボにして待ちたいと思います。それではまた。

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