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つながりを失う恐怖

今日もお疲れ様でした。


明日明後日の役員会議の準備に追われ、
かつ午前中には、全く別件の来客もあり(笑)、
あれよあれよと残業となってしまいました。



このクソ暑い時期に、忙しく働くというのは、
心身にかなりのダメージを与えそうな気がしますね。



皆さんのご体調はいかがでしょうか。






さてそんな中、今日はこちらのコーナーのお送りします。






線路に飛び込む代わりに、不思議なプールに飛び込むと、
自分が思い描いた世界にジャンプできるという、
ご都合主義的なフォーマットに沿って(笑)、各々が小説を
思いのままに"書き殴る"という、この活動。







今回は、団子虫丸 さんの小説「財布と公衆電話」をご紹介。






"どうしよう困ったな…



財布を落としちゃったけど、取りに戻ることができない…



また、あの怖い人に会ったらと思うと、、、



怖くて身体が動かなくなる



はぁ…"






こういうこと、時々ありますよね。



世の中が敵だらけだと、ちょっとしたミスの一つで、
自分にとって非常に厳しい状態をもたらしてしまいます。






"大人の女の人の声がする



びくっと身体が固まり、動かなくなる



どうしよう、また怒鳴られたりしたら…"






"「ねえ、どうしたの?大丈夫?」



優しい声がして、恐る恐る目を開くと、心配げにわたしをみている



女の人の後ろに、男の人もいたけど、2人とも魔酢苦をしていない



なんだかホッとして、涙が止まらなくなり、声を上げて泣いてしまった



「よし、よし。もう大丈夫だよ。」



と、優しく背中をさすってくれた"






何かが破裂しそうなほどの、孤独と恐怖を抱えながら、
息を潜めて毎日を過ごしている若者の様子が、
非常によく描かれているように感じます。



ストーリー自体は、是非上記の記事をお読み頂ければと思いますが、
要所要所で見受けられる、若い女性の不安定な胸の内が、
何とも心を打たれてしまう文章だと思います。



主人公の学校での場面や、その後に彼女が直面する出来事も、
なかなか胸を締め付けられるような内容なのですが、
こうした文章を読んで、改めて考えさせられることがあります。



若い人が平常心で生きるのって、本当に難しい(笑)。



人生経験も無く、自分に何の力も無いことを、
自分が一番よく分かっている中で、それでも社会では、
可能な限り「まともな人間」として振る舞うよう心掛け、
周囲の人間達と渡り合っていくことが要求されます。



人が怖いとか、寂しいとか、辛いとか、自身が持てないとか、
そんな弱音を吐くことなど許してもらえる場面が無く、
自力で立って、一人の人間として生きなければなりません。



まぁ、辛いですよね。



自分も10代の頃の毎日を思い出して、
喉元を掻きむしりたくなる位の苦しみが蘇ってきました(笑)。






"ファミレスに着くと、女の人に遠慮しなくて、いいからねと言われ、



メニューの飲み物とデザートとを指差すと、微笑んで頷いてくれた



料理が運ばれてくるまでの間、とても仲がよさそうに見えたので、



夫婦ですか?と聞くと、2人とも照れたように笑い、首を横に振った



2人を見ていると、以前の仲がよかった頃の、



おとうさんとおかあさんを思い出す"






"今は、おとうさんはアルバイト、おかあさんはパートの仕事をしている



ケンカは少なくなったけど、おとうさんもおかあさんも、



疲れて帰ってきて、寝ている時も苦しそうだ…"






文面から滲み出る、社会の苦しさが伝わってきます。



皆さんの周りの方や、ご家族の方々はいかがお過ごしでしょうか。



これだけ皆が皆、苦しみながら、色んなものを投げ出して、
生きるために働いて、心身を壊されてしまう私達の社会。



この作品の最後のシーンのように、何らかのきっかけによって、
つながりを互いに持てたらなと思います。








以上、今日は団子虫丸 さんの「財布と公衆電話」という、
オリジナルの私小説を紹介させて頂きました。



やっぱり、小説は良いですね。



自分の生活について、色んな事を省みるきっかけをもたらしてくれます。






皆さんも、死にたくなる位辛いことがあった際は、
線路に飛び込まずに、"不思議なプール"に飛び込みませんか(笑)。







会えなかった、会いたい人。



やれなかった、やりたいこと。






何でも叶う夢の世界を、作り出すのはあなたの閃き次第(笑)。

その100円玉が、誰かの生きがいになります!