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「恋人」だけどずっと「好きな人」



恋人との日々の細やかでたまらなく愛しい、私の記録。

一番おいしいところ

彼となにかを食べていると彼は決まって「ここが一番おいしいよ」と一番おいしいところを私に差し出す。たとえば、クリームたっぷりのパンやスイーツなら端っこは自分が食べて真ん中のとろとろのクリームが溢れ出すところを私に差し出す。スイーツのようなドリンクなら「ここ果肉いっぱい」と指を指す。ハンバーガーなら、全部の具材をひとくちで味わえる丁度のところ。私がその一番おいしいところを食べて幸せな顔をすると彼はとても嬉しそうに笑う。

層になっているスイーツなんかは最高だ。彼が私にすくって渡してくれるとき、スプーンにのせられた層のバランスに愛情を感じる。私の手料理だけは、一番おいしいところを自分が食べるという意思が見てとれるところも、ほんとうに好きだ。

お姫様だっこ

彼は私を楽々とお姫様だっこする。決してロマンチックなたとえではなく、私が体調を崩していて歩けなかったり、リビングで寝てしまったときに彼の手は私の体をふわりと持ち上げる。私はお姫様抱っこされているときに少し斜め下から見る彼の鼻筋と瞳がたまらなく好き。頭を傾ければ彼の心音がよく聞こえる、目を閉じて眠っても大丈夫だという安堵がある。「ありがとう」と言うと、彼は目線を私に向けて優しく微笑む。彼の体温はいつも高い。ちゃんと生きている人の体温だ。

冷房なしのセックス

冷房をきかせた快適な部屋ですることはなんでも気持ちが良い。料理も読書も仕事も、快適な温度は快適な気持ちにさせる。セックスも例外じゃない。けれど私は冷房をきかせてないところでする夏のセックスが結構、いや、かなり好き。あらい呼吸のなか汗をかいて絡みつく2人の身体が生々しくてたまらなく良い。まったくもって機械的じゃない。

彼の首筋から滴る汗が私の身体に落ちる瞬間に気持ちが高揚する。べたつく身体が密着感をより増していて彼を近くに感じる。

そのあとに浴びるシャワーも2人でシェアして食べるアイスも幸福の絶頂。寝室でしてしまったときは「せーの」と言いながら2人でシーツやカバーをケラケラ笑って賑やかに取り替えるのも楽しい。ああそうか、彼となら些細なことが全部楽しい

お昼寝

彼のお昼寝は長い。一度寝ると数時間は起きない。起こせばすっと起きるのだけど、とても気持ち良さそうに寝ているから私は起こさないように自分の好きなことをしている。彼が寝ている空間でする仕事はなぜかいつもより集中できる。小さく耳に届く寝息がそうさせるのか、彼がいるという存在そのものに安心を覚えているからなのか、どちらなのか分からないけれど、私はたしかに安らいでいる。


うとうとし始めるとお昼寝する彼の横にいって私も眠る。彼が眠りの最中無意識に私の頭を撫でるように抱く。一瞬むにゃっとする口元が無防備で愛しい。ずっとこんな日々が続いてほしい。


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