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暁にマークは続く

「千マイルブルース」収録作品

北海道の真夜中で遭遇する奇妙な数々。
これはもしかして、「アレ」に巻き込まれたのか?
そうして暁を迎えた時……。


暁にマークは続く

 真夜中の北海道を淡々と走っていた俺は、寝静まる町でコンビニの灯を見つけ、胸を撫で下ろした。
 予備タンだったのだ。起きている住人に、スタンドの在処ありかを訊かなければならない。俺はエンジンを切り、惰性で駐車場に入っていった。
 早速店員に訊くと、この先にスタンドはあるが夜中は営業していないと言う。距離を尋ねたら、ガソリン残量にピッタリなのだが。
 仕方がない。俺は、駐車場でガスを分けてくれる善人を待つことにした。
 だが、来ない。という以前に、誰も通過しない。考えてみれば当たり前だ。真夜中の北海道の、とても小さな町なのだから。
 それならばなにか別の方法をと考えていると、道の奥から排気音が聴こえてきた。バイクだ。バイク? まだツーリングの時期には早いし、だいたいが真夜中だ。俺と似た、夜走り好きが他にいるのだろうか?

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