山田深夜

小説家。横須賀市在住。強面。だが子供と動物には好かれる。ハックドラッグが女房、業務スー…

山田深夜

小説家。横須賀市在住。強面。だが子供と動物には好かれる。ハックドラッグが女房、業務スーパーは愛人。愛車のワルキューレが年々重くなるのが不思議。職質が減ったのが不満。物書きに嫌気がさし音楽に活路を求めるが、どちらでも食えないことがわかる。最近は霞(かすみ)が主食の仙人。

マガジン

  • 「キャベツのはらわた」まとめ

    商業デビュー前の作品です。「5」の短編小説だけ無料にいたしました。

  • 「今宵この曲」まとめ

    「今宵この曲……」の記事をまとめました。

  • ブルースハープ演奏まとめ

    ブルースハープ演奏関係をまとめました。

  • 「バイクの旅人」まとめ

    フォトコラム「バイクの旅人」をまとめました。

  • 「追憶のミーコ」まとめ

    フォトエッセイ「追憶のミーコ」の記事をまとめました。

最近の記事

解説②「このパターンは読んだな」と思われた方も多いと思います。そうです。何度か似たシチュエーションの物語を書きました。けれどこれが大本で、他が「アレンジ」なのです。でも不思議です。舞台設定は30年前なのに、まるで現代の物語のように読めてしまいます。スマホもETCも出てこないのに。

    • 解説①まず「長いな」と思われたでしょう。短編の定義は、じつは業界でも曖昧です。でも慣習として、400字原稿用紙で百枚までですね、短編は。今回のものは67枚ですし、やはり短編です。けれどネット界隈では、枚数ではなく文字数で計算されています。そうなりますわな、無駄な空行ばかりですし。

      • キャベツのはらわた 5

        短編小説 はじまりへの旅 1  師走の重苦しい雲が垂れこめた下で、葉山真治がバイクを走らせていた。  北に延びるハイウェイはスムーズに流れていたが、葉山のすべては円滑ではない。すべてはこの冷風を浴び続けているためである。  アクセルグリップを握る右手は、寒さですでに感覚が麻痺していた。クラッチレバーに添えた左手も、氷のリングでも嵌めたように冷たい。これはメタルバンドの腕時計のせいである。葉山は、革ベルトの腕時計にしてこなかったことを、横浜は港町のアパートを出た直後から後悔して

        • 私はプロだがとてもマイナーな作家である。文学賞の受賞もないし、映像化された作品もない。ベストセラーもない。そして寡作である。なのでこのまま埋もれようと考えていたが、一方でこんな作家もいたのだと知ってほしい気持ちもある。ということで決めました。「はじまりへの旅」を無料にいたします。

        解説②「このパターンは読んだな」と思われた方も多いと思います。そうです。何度か似たシチュエーションの物語を書きました。けれどこれが大本で、他が「アレンジ」なのです。でも不思議です。舞台設定は30年前なのに、まるで現代の物語のように読めてしまいます。スマホもETCも出てこないのに。

        • 解説①まず「長いな」と思われたでしょう。短編の定義は、じつは業界でも曖昧です。でも慣習として、400字原稿用紙で百枚までですね、短編は。今回のものは67枚ですし、やはり短編です。けれどネット界隈では、枚数ではなく文字数で計算されています。そうなりますわな、無駄な空行ばかりですし。

        • キャベツのはらわた 5

        • 私はプロだがとてもマイナーな作家である。文学賞の受賞もないし、映像化された作品もない。ベストセラーもない。そして寡作である。なのでこのまま埋もれようと考えていたが、一方でこんな作家もいたのだと知ってほしい気持ちもある。ということで決めました。「はじまりへの旅」を無料にいたします。

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        • 「キャベツのはらわた」まとめ
          9本
        • 「今宵この曲」まとめ
          11本
        • ブルースハープ演奏まとめ
          5本
        • 「バイクの旅人」まとめ
          4本
        • 「追憶のミーコ」まとめ
          10本
        • 「千マイルブルース」まとめ
          42本

        記事

          ようやく蛹になった。けれど自然界は、やはり過酷だ。蛹になれたのは、11匹いた中で、たった一匹だけである。それも餌がなくなり、とんでもない場所に移動していた個体だった。たまたま見つけて保護したが、あのままでは天敵に捕食されていたに違いない。いや、まて。私は運命を変えてしまったのか?

          ようやく蛹になった。けれど自然界は、やはり過酷だ。蛹になれたのは、11匹いた中で、たった一匹だけである。それも餌がなくなり、とんでもない場所に移動していた個体だった。たまたま見つけて保護したが、あのままでは天敵に捕食されていたに違いない。いや、まて。私は運命を変えてしまったのか?

          30年前の私との書き直しが続く。するとある事を思いつく。考えてもいなかったことである。「やれば」と無責任にはしゃぐ過去の私。こいつにはまだ、これからの小説家人生を伝えていない。なので還暦を過ぎてもカツカツな私を想像していない。だがやる意味はある。一人でも多くに読んでもらうためだ。

          30年前の私との書き直しが続く。するとある事を思いつく。考えてもいなかったことである。「やれば」と無責任にはしゃぐ過去の私。こいつにはまだ、これからの小説家人生を伝えていない。なので還暦を過ぎてもカツカツな私を想像していない。だがやる意味はある。一人でも多くに読んでもらうためだ。

          だめだ、やはりワクワクして踏み入ってしまう。けれど冷静な部分はもちろんあり、ひったくられぬようバッグを斜め掛けに移し、片手でフラッシュライトを握っている。すべて無意識のうちにである。そして足。どんな衣服を着ていようと、私はいつも軍用の編み上げブーツを履いている。重いが頑丈なのだ。

          だめだ、やはりワクワクして踏み入ってしまう。けれど冷静な部分はもちろんあり、ひったくられぬようバッグを斜め掛けに移し、片手でフラッシュライトを握っている。すべて無意識のうちにである。そして足。どんな衣服を着ていようと、私はいつも軍用の編み上げブーツを履いている。重いが頑丈なのだ。

          「農家」という言葉は味わい深い。「建築家」「小説家」と同じ「その道のプロ」なのだ。「百姓」は差別用語とされ文筆の世界で使えないが、農家の人たちは胸を張り、自らを「百姓です」とよく口にしている。木村秋則氏もしかり。百の技能を持つその道のプロを差別しているのはマスコミではないのか?

          「農家」という言葉は味わい深い。「建築家」「小説家」と同じ「その道のプロ」なのだ。「百姓」は差別用語とされ文筆の世界で使えないが、農家の人たちは胸を張り、自らを「百姓です」とよく口にしている。木村秋則氏もしかり。百の技能を持つその道のプロを差別しているのはマスコミではないのか?

          「奇跡のリンゴ」は、書籍も映画化されたことも、以前より知っていた。けれどなぜか興味が向かなかった。今回観ようと思ったのは、別のジャンルで「木村秋則」なる人物を知ったから。で、観てみようとなり、映画としての見事さに唸ったのである。ストーリーはもう、まるで寓話のよう。素晴らしい。

          「奇跡のリンゴ」は、書籍も映画化されたことも、以前より知っていた。けれどなぜか興味が向かなかった。今回観ようと思ったのは、別のジャンルで「木村秋則」なる人物を知ったから。で、観てみようとなり、映画としての見事さに唸ったのである。ストーリーはもう、まるで寓話のよう。素晴らしい。

          キャベツのはらわた 8 終

          お引越し その後 ネイバーズ その二 ネイバーズ その三

          ¥200

          キャベツのはらわた 8 終

          ¥200

          「食い物をくれと言いながら死んだ奴もいた」と劇中で山崎努が語る。ラバウルでの話である。そうして義理の息子がようやく作った、とても小さなリンゴを手に握り、病院のベッドで逝く。リンゴは生き抜いた証であり、餓死した戦友にあげるためでもあろう。語らずに語る俳優はそういない。名優である。

          「食い物をくれと言いながら死んだ奴もいた」と劇中で山崎努が語る。ラバウルでの話である。そうして義理の息子がようやく作った、とても小さなリンゴを手に握り、病院のベッドで逝く。リンゴは生き抜いた証であり、餓死した戦友にあげるためでもあろう。語らずに語る俳優はそういない。名優である。

          やはり山崎努の演技が頭を離れない。ラバウルで生死を彷徨い、その戦地の土を持ち帰り、仏壇で手を合わせる。「生きなければ」という念とともに、「生き残ってしまった」という悔恨の情があるのだ。どうせならば戦って死にたい。いや戦う者のために死にたい。それがあの「ラバウル小唄」だったのだ。

          やはり山崎努の演技が頭を離れない。ラバウルで生死を彷徨い、その戦地の土を持ち帰り、仏壇で手を合わせる。「生きなければ」という念とともに、「生き残ってしまった」という悔恨の情があるのだ。どうせならば戦って死にたい。いや戦う者のために死にたい。それがあの「ラバウル小唄」だったのだ。

          映画「奇跡のリンゴ」を観た。書きたいことはいくつもあるが、義父役の山崎努の演技が秀逸。息子の無農薬に協力するため貯金を全額おろすのだが、その帰りのシーン。「ラバウル小唄」を口ずさむのだ。まるで戦友たちに捧げるように。そして戦地に赴くように歩き出す。余計なセリフは一切ない。よい。

          映画「奇跡のリンゴ」を観た。書きたいことはいくつもあるが、義父役の山崎努の演技が秀逸。息子の無農薬に協力するため貯金を全額おろすのだが、その帰りのシーン。「ラバウル小唄」を口ずさむのだ。まるで戦友たちに捧げるように。そして戦地に赴くように歩き出す。余計なセリフは一切ない。よい。

          キャベツのはらわた 7

          正しいブルースマンになるための入門講座 次は晴れるさ

          ¥200

          キャベツのはらわた 7

          ¥200

          重松豊はこのエアコン設置の矛盾に気づいたはず。なぜ演出家に疑問をぶつけなかったのだろう?(まあこのドラマの設定自体が矛盾だらけなのだが) ともあれこれでは役者も無知だと思われてしまう。少なくても私はそう感じた。「役を選ぶ」というのは、役者として大事なことだと思うのだが。

          重松豊はこのエアコン設置の矛盾に気づいたはず。なぜ演出家に疑問をぶつけなかったのだろう?(まあこのドラマの設定自体が矛盾だらけなのだが) ともあれこれでは役者も無知だと思われてしまう。少なくても私はそう感じた。「役を選ぶ」というのは、役者として大事なことだと思うのだが。

          おかしなドラマを観た。電気屋がエアコンを設置するのだが、扇風機でも設置するように、壁にポン付けしたのだ。「はい完了です」ってアンタ、部屋に穴あけないで室外機とどうつなぐの? その配管も映ってないけど、どういう仕組みなのさ? 連日使うかどうか迷っているだけに、非常に腹が立った。

          おかしなドラマを観た。電気屋がエアコンを設置するのだが、扇風機でも設置するように、壁にポン付けしたのだ。「はい完了です」ってアンタ、部屋に穴あけないで室外機とどうつなぐの? その配管も映ってないけど、どういう仕組みなのさ? 連日使うかどうか迷っているだけに、非常に腹が立った。