山田深夜

小説家。横須賀市在住。強面。だが子供と動物には好かれる。ハックドラッグが女房、業務スー…

山田深夜

小説家。横須賀市在住。強面。だが子供と動物には好かれる。ハックドラッグが女房、業務スーパーは愛人。愛車のワルキューレが年々重くなるのが不思議。職質が減ったのが不満。物書きに嫌気がさし音楽に活路を求めるが、どちらでも食えないことがわかる。最近は霞(かすみ)が主食の仙人。

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続き。なので噺家は自分で作品を創って演じる。でもこれが一番の理想。けれど皆が創れるわけではない。そして自身にない作風を求める演者もいる。そこで必要とされるのが落語作家だろう。けれど相性も問われる。相性とは感性であり価値観。ここが合致すれば、作品を世の中に出すことは可能であろう。

    • 落語台本続き。演劇や映画の台本には「当て書き」というものがある。演じる俳優を想定し脚本を書くのだ。落語の台本もこれに近いと思う。私は演者と膝突き合わせ、個性を見極め執筆する。つまり噺家が言う「落語作家がいない」とは、「(自分の感性に合う)落語作家がいない」という意味なのであろう。

      • 落語台本続き。私の肌感覚で言うと、落語台本の需要は確実にある。そのためであろう公募も多数ある。才能が渇望されているのだ。けれど「新進の落語作家」の噂は聞かない。現れても定着しないのだろう。問題はいくつか思い当たる。最たる要因は落語は台本だけで成り立つものではないということだろう。

        • noteに創作落語の台本が溢れていることを知り、読み漁っている。そして、落語台本も創作の立派な1ジャンルであることを認識した。けれど不思議である。私の知るどの噺家も「落語作家がいない」と嘆いているのだ。なので私のような者に執筆依頼が来る。いったい、この齟齬はどこから来るのか?

        続き。なので噺家は自分で作品を創って演じる。でもこれが一番の理想。けれど皆が創れるわけではない。そして自身にない作風を求める演者もいる。そこで必要とされるのが落語作家だろう。けれど相性も問われる。相性とは感性であり価値観。ここが合致すれば、作品を世の中に出すことは可能であろう。

        • 落語台本続き。演劇や映画の台本には「当て書き」というものがある。演じる俳優を想定し脚本を書くのだ。落語の台本もこれに近いと思う。私は演者と膝突き合わせ、個性を見極め執筆する。つまり噺家が言う「落語作家がいない」とは、「(自分の感性に合う)落語作家がいない」という意味なのであろう。

        • 落語台本続き。私の肌感覚で言うと、落語台本の需要は確実にある。そのためであろう公募も多数ある。才能が渇望されているのだ。けれど「新進の落語作家」の噂は聞かない。現れても定着しないのだろう。問題はいくつか思い当たる。最たる要因は落語は台本だけで成り立つものではないということだろう。

        • noteに創作落語の台本が溢れていることを知り、読み漁っている。そして、落語台本も創作の立派な1ジャンルであることを認識した。けれど不思議である。私の知るどの噺家も「落語作家がいない」と嘆いているのだ。なので私のような者に執筆依頼が来る。いったい、この齟齬はどこから来るのか?

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        記事

          この言葉にて愚痴と不平を呑み込む。「時代が悪いの、世の中がおかしいのと言ったところで仕方ない。現実は事実だ。現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因がある。現状を認識して把握したら処理すりゃいい。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿という」立川談志

          この言葉にて愚痴と不平を呑み込む。「時代が悪いの、世の中がおかしいのと言ったところで仕方ない。現実は事実だ。現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因がある。現状を認識して把握したら処理すりゃいい。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿という」立川談志

          創作落語をひとつ書きあげ、演者さんに渡した。それで一息ついているのだが、渡された方はこれからが仕事である。それもたいへんな。なにせ短編小説ひとつ分を覚え、身振り手振りを交えた話術で、お客さんを夢中にさせるべく練り上げなければならないのだから。ああ、噺家でなくてよかった。

          創作落語をひとつ書きあげ、演者さんに渡した。それで一息ついているのだが、渡された方はこれからが仕事である。それもたいへんな。なにせ短編小説ひとつ分を覚え、身振り手振りを交えた話術で、お客さんを夢中にさせるべく練り上げなければならないのだから。ああ、噺家でなくてよかった。

          noteから「創作大賞2024」の募集のお知らせが届いた。創作を志しているみなさん、ぜひ応募してほしい。プロアマを問わないらしいし。え? なら私も出そうか? けれど協賛しているメディアの何社かですでに仕事をしているし、担当者も付いている。もし、これで入賞したらどうなるのだろう?

          noteから「創作大賞2024」の募集のお知らせが届いた。創作を志しているみなさん、ぜひ応募してほしい。プロアマを問わないらしいし。え? なら私も出そうか? けれど協賛しているメディアの何社かですでに仕事をしているし、担当者も付いている。もし、これで入賞したらどうなるのだろう?

          昨日の続き。創作にはゴールがない。これで完成だと思っても、数日後、いや数時間後には不満が出てくる。数年後のものならばもう、直したいところだらけ。けれど、これはよいことだと思っている。成長している証であろうから。逆に言えば、手直し箇所が見つからないなどという日が来ることが、怖い。

          昨日の続き。創作にはゴールがない。これで完成だと思っても、数日後、いや数時間後には不満が出てくる。数年後のものならばもう、直したいところだらけ。けれど、これはよいことだと思っている。成長している証であろうから。逆に言えば、手直し箇所が見つからないなどという日が来ることが、怖い。

          創作とは非常に厄介なもので、数学のような「正解」がない。万人が納得する答えがないのだ。ある者は手放しで褒め称えるが、ある者には一瞥もされない。そして喜んでくれていた人も、いつの間にか消えている。逆に新たに評価されたりもする。そんな空模様を創作者は眺め、明日を見出そうとしている。

          創作とは非常に厄介なもので、数学のような「正解」がない。万人が納得する答えがないのだ。ある者は手放しで褒め称えるが、ある者には一瞥もされない。そして喜んでくれていた人も、いつの間にか消えている。逆に新たに評価されたりもする。そんな空模様を創作者は眺め、明日を見出そうとしている。

          「終活」する若者が多いという番組を観て衝撃を受けた。直面する生命の危機がないにも関わらず、なのだから。中には「就活」と並行して「終活」を行っている者もいた。正直理解できないが、大変に興味深い。生を受けたものとして「まっとう」のようにも感じる。これはある意味「達観」なのだろうか?

          「終活」する若者が多いという番組を観て衝撃を受けた。直面する生命の危機がないにも関わらず、なのだから。中には「就活」と並行して「終活」を行っている者もいた。正直理解できないが、大変に興味深い。生を受けたものとして「まっとう」のようにも感じる。これはある意味「達観」なのだろうか?

          人間は進化したが、老化の遺伝子は排除しなかった。老いて死ぬことが人類にとり最善だと判断したからだろう。「誰が?」は別にして。ともかく生物は種の保存の役目を終えたらもう用済みで、あとは次世代に任せこの世を去る。そう思うと私は無様だが、幾粒かの種を蒔けた気がする。まあ思い込みだが。

          人間は進化したが、老化の遺伝子は排除しなかった。老いて死ぬことが人類にとり最善だと判断したからだろう。「誰が?」は別にして。ともかく生物は種の保存の役目を終えたらもう用済みで、あとは次世代に任せこの世を去る。そう思うと私は無様だが、幾粒かの種を蒔けた気がする。まあ思い込みだが。

          家ではキセルで喫煙している。シャグと呼ばれるタバコの葉を詰め、フィルターなしで吸うのだ。煙がきつそうに思われるが、そうでもない。それに愛飲している葉は、無添加で無農薬のオーガニックである。なので普通のタバコを吸っている人を見ると、あんな体に悪いものをよく吸うなあと思ってしまう。

          家ではキセルで喫煙している。シャグと呼ばれるタバコの葉を詰め、フィルターなしで吸うのだ。煙がきつそうに思われるが、そうでもない。それに愛飲している葉は、無添加で無農薬のオーガニックである。なので普通のタバコを吸っている人を見ると、あんな体に悪いものをよく吸うなあと思ってしまう。

          談志師匠は「落語は人間の業の肯定である」と言った。本当にそうだと思う。人間はどうしようもない生き物であり、「それが人間なんだよ」と寸劇で見せるのが落語なのだ。なので笑いの奥底に切なさや遣る瀬なさがある。つまり笑わせながら考えさせる。その点では私の書いてきたものは共通すると思う。

          談志師匠は「落語は人間の業の肯定である」と言った。本当にそうだと思う。人間はどうしようもない生き物であり、「それが人間なんだよ」と寸劇で見せるのが落語なのだ。なので笑いの奥底に切なさや遣る瀬なさがある。つまり笑わせながら考えさせる。その点では私の書いてきたものは共通すると思う。

          新作落語を書いている。けれど甘く見ていた。これは小説とは別物なのだ。まず視座が違う。神視点だ。さらに基本が会話劇である。そして演者の所作を想定しなければならない。舞台の脚本は書いたことがないが、それに近いのではないだろうか。ともあれ、この歳で新しいドアノブに手をかけた気分である。

          新作落語を書いている。けれど甘く見ていた。これは小説とは別物なのだ。まず視座が違う。神視点だ。さらに基本が会話劇である。そして演者の所作を想定しなければならない。舞台の脚本は書いたことがないが、それに近いのではないだろうか。ともあれ、この歳で新しいドアノブに手をかけた気分である。

          こんな形で、よく落とし物を知らせてくれている場面に出くわす。別に珍しい風景ではない。でもこれ、外国人には理解できないらしい。落とした財布が戻ってくることにも彼らはとても驚いているし。そんな話を聞くたびに、日本人でよかったと感じる。見えぬ相手を慮る気持ちはこの国の美徳であろう。

          こんな形で、よく落とし物を知らせてくれている場面に出くわす。別に珍しい風景ではない。でもこれ、外国人には理解できないらしい。落とした財布が戻ってくることにも彼らはとても驚いているし。そんな話を聞くたびに、日本人でよかったと感じる。見えぬ相手を慮る気持ちはこの国の美徳であろう。

          このジャケットは、いつ作ったのだろう。おそらく数十年前だ。お名前を入れますかと訊かれ、「じゃあ深夜で」と頼んだのだ。たぶん、なんだろうこの人は? と思われたのに違いない。ともかく今と違い、金を持っていた時代だった。でも、また入れたいなあ。今度は青山ではなく、アルマーニあたりに。

          このジャケットは、いつ作ったのだろう。おそらく数十年前だ。お名前を入れますかと訊かれ、「じゃあ深夜で」と頼んだのだ。たぶん、なんだろうこの人は? と思われたのに違いない。ともかく今と違い、金を持っていた時代だった。でも、また入れたいなあ。今度は青山ではなく、アルマーニあたりに。