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その時々の仕事に適した環境選び

前回は、テレワークをする上で、1つの場所で仕事をし続けることがパフォーマンス向上させる上でベストではない理由を書きました。

それでは、自宅の環境を整備していくために、仕事をどのような視点でとらえたら良いのでしょうか。私たちが考えた3つの因子をご紹介します。

仕事をとりまく3つの因子

①ワークアクティビティ(仕事内容因子):ワーカーの仕事(行動)の変化

3因子1

前回の記事でも書きましたが、ワーカーは一つの業務だけを長時間・長期間行っている方は少なく、メールや打ち合わせ、 集計作業など複数の行動を行っている方がほとんどです。技術進歩により、多くの業務がテ レワークで実現できるようになっています。仕事内容に合わせ、その時々で最適な環境を選 んでいくワークスタイルを「ABW(Activity Baced Working)」と言い、近年のオフィス設計 では多様な空間が取り入れられています。

②ワークアンビエント(仕事環境因子):住まいや職場の環境の変化

3因子2

仕事環境は常に一定の状態ではありません。住宅では家族の在宅状況は変化しますし、設定した執務場所は日差しが気になる時間帯もあるでしょう。職場では、同僚の出社状況に応じてざわつきや、電話や雑談の声が気になる時もあります。気軽に話しかけられてしまう場合もあります。今後、オフィスはリアルなコミュニケーションが出来る場であることが特徴となり、よりこの傾向が顕著になるでしょう。このように仕事場所の変化を捉えることも必要です。

③ ワークコンディション(心身状態因子):ワーカーの心身状態の変化

3因子3

執務場所がその時の仕事に適していた場合でも、長時間、同じ場所、同じ体勢で仕事し続け ている場合、心身が疲労していきます。また、体調が優れない時に仕事をチェックしておき たい場合や、インフルエンザの症状が回復した後、しばらく出社できない場合などもあります。心身の状態で、柔軟に環境を変える事は有効です。

具体例:Aさんの1日で3つの因子はどう変わるか?

①(仕事内容)午前は、打ち合わせ。午後は個人でデータ分析か、ラフアイディアの作成、庶務のどれかを行いたい。

②(環境)自宅は午前に妻が在宅勤務する予定。午後は誰もいない状態。オフィスでは隣の部署の大きなオフライン会議があるため、出社率が高くざわつきが気になりそう。

③(心身状態)軽い頭痛がある。

これらを鑑みて、Aさんは終日在宅勤務にしました。

午前の打ち合わせは、夫婦で調整した上で、音漏れを配慮した部屋でオンラインミーティング。打ち合わせ終了後は、夫婦同室で庶務をこなし、午後は大きなモニターが設置された場所が使えることになったので、データ分析をすることにしました。

新型コロナ影響下では、これらの因子が変化したにも関わらず、住まいの限られた場所で長時間・ 長期間、仕事を行ったため、問題を感じたワーカーが多かったようです。 今後は、このことを意識して、住宅、オフィス、それ以外の場所(例えばコワーキングスペースなど)をその時々で選ぶことがベターと考えます。ワーカー自身が今日やるべき仕事を見つめ直し、適した場所を選ぶ力が、その人のパフォーマンスや業績を大きく左右すると考えられます。

次回は、それらを捉えた上で、どのような視点で住まいの環境を整えていったら良いかご紹介したいと思います。

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この記事は東京都調布市のLINE公式アカウント「調布市スマイのミライ教えてナビ!」に掲載しています。                      

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ミサワホーム総合研究所

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