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共感おばけってなんだ?

数年前。
保育園のクラスの集まり(子ども&母親の食事会)に参加した時の話。

ある母親の靴下に、子どものシールが付いていたらしい。

「これ、あるあるですよねえ〜!」

と、シールをはがしながら笑う母親。

すると、近くの人たちも

「あー!よくありますよねえ」
「うちもよくシールが付いていて〜」

と、次々に同意する人がいて、話がはずんでいた。

「シールが靴下に付くのって、あるあるなのか」

当時、我が家はあまりシール遊びをしなかったからか、「へーそうなんだ」と。

つまり、あるあるに同意できずに終わった。
ただ、それだけの話なんですがw

この本に書かれていた
「共感おばけ」の話に似ているかも?と思ったのです。

共感おばけって何?

著者の武田砂鉄さん。
以前、作家の本谷有希子さんが
共感おばけに捕まらないようにしている
と話していたのが印象的だったという。

どういうことか?

今、何を言っても書いても、うんうん共感しました、と捕まえられてしまう。でも、何とかしてそこから逃げたいらしい。

どんなテーマ、展開、感情だったとしても、自分に手繰り寄せ、私にも同じような経験がありますし、そういう気持ちになったことを覚えていますから…とやられてしまう。
野球選手が完全試合を達成しても、命からがら戦地から逃れても、その経過の中に共感できるポイントを探し出し、捕獲して共感する。

書籍より引用

やられてしまう…ってw

共感は「おばけ」のように現れて、振り払ったとしてもまた出てくる。

でも「おばけ」とネガティブに捉えるのは少数派。
むしろ欲しくてたまらないものとして期待されているのが大半だろう、と著者。

共感を探し続けていると、いつしか
共感度の高さ・低さ=相手の評価
につながってしまうという。

たとえば

30代・男・子持ち・市役所勤務・住宅ローン30年
→5つ完全に一致すれば、共感度マックス

30代・女・子持ち・外資系勤務・住宅ローン30年
→いくつか違うので、共感度半減?

50代・女・子なし・無職・持ち家
→共感度は激減??

そんな単純ではないと思いたいが…

同じような感じだから共感するし、同じようではないからなかなか共感できない

書籍より引用

このように、単純な話になっている光景って、よく見かけるんじゃないか?という話でした。

感想

冒頭に書いた、シールあるあるの話も、これなのかなあと。

「30代・女・子持ち」という同じカテゴリーの人が発したことだから、周りの人も共感していたのかな?と。

もちろん、本当に「あるある」と共感していたのかもしれない。
私が、たまたま共感できなかっただけで。

でも、もしかしたら
あたかも「30代・女・子持ち」の総意のように言われたら、
「同意せざるを得ない」
「同意しないといけない」
と思う人も、中にはいるのかもしれない。
…知らんけど。

だとしたら、それには同意したくないし
総意のように言わんどいて、とツッコミたい。
(心の中で)

そして、
「自分がそんな物言いをしていないか?」
に気をつけたいな。


そんなことを思ったのでした。

〈あとがき〉
発信したことが、結果として共感してもらえる。それは、めちゃうれしいです。
でも「共感捕獲したる!!!」と思って書くことは…ないです。たぶん。きっと。Maybe。
同じカテゴリーでも共感できない場合は多々あるし、カテゴリーは違えど共感できる場合もあります。
カテゴリーで分けるのもどうなん?って思うけど、共通点があると親近感がわく。それもまた事実。
今日もありがとうございました。

【関連】私はこういう会話がしたい、って話↓




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