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言葉の宝箱 0298【夫婦もタイミングと縁で、随分、関係が変わるもんだよ】

『金色の雨』藤田宜永(幻冬舎文庫2001/10/25)



抑えても、抑えても、切ない恋心はこぼれ落ちていく。
過ぎし日の想いを躰の奥に沈めながら。
別離と再会、すれ違いと邂逅を何度も重ねながら男と女は次第に成熟していくのだろうか。
美しい軽井沢の四季を背景に数奇な運命に彩られた
大人たちの恋愛模様をそして揺れる心理状態を描いた。
『シロハラの死』『散りゆく花』『深い霧』『パンの香り』『夏の幻』
『バージンロード』『フルートの音』『金色の雨』『冬のめまい』『赤い鳥』10話連作短編集。

・女は、どうしてこんなにうまく環境に適応できてしまうのかしら P32

・人を幸せにするはずの恋も、一方では人を傷つける。
恋は、善悪だけでは判断できるはずもないものよ P69

・夫婦もタイミングと縁で、随分、関係が変わるもんだよ P86

・パン生地はこねすぎてもだめだし、その逆もだめ。
焼き方も天候に左右される(略)
夫婦も、パン作りとよく似たものなのかもしれない P90

・とりたてて不満はなかった。
だが、ここ数年、言葉には表せない苛立ちを感じていた(略)
倦怠期を迎えたのか、と思うと、満たされない気持ちが膨らんだ P95

・寂しさが妄想を生むこともあった P146

・一歩一歩、地面を踏みしめているのが
足に伝わってくると何だか安心するんです P152

・男はみな、女に甘えたいものです P198

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