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@言葉の宝箱 0176【完璧な判断なんて、誰にもできないんですよ。そのときそのときで、よかれと思うことをするしかないじゃないですか】

『ふたつめの庭』大崎梢(新潮社2013/5/20)


裏鎌倉の保育園を舞台に家族と恋の物語。
保育士になって5年の美南とシングルファーザー1年ちょっとの志賀隆平。隆平は定時退社しやすい部署に異動し、子育てに奮闘するものの、
保育園は予測不能のことばかり。
園内の事件や行事を通して、
美南と隆平は本当に大切にしたいものに気づき、愛を育んでゆく。
湘南モノレールの走る街で紡がれる愛しい時間、絵本がとりなす謎解き。『絵本の時間』『あの日の場所へ』『海辺のひよこ』『日曜日の童話』
『青い星の夜』『発熱の午後』『青空に広がる』7話連作短編集。


・謝り方も重要で、言葉遣いや表情ひとつでこじれる場合もある P8

・彼らのあの手は、いつまでつながっているのだろうか P14

・毎日絵本をめくるみたいにわくわくしまう。
はらはらもするし、どきどきもするし、笑うことも泣かされることも。
毎日、なんていうか、新しいです P69

・完璧な判断なんて、誰にもできないんですよ(略)
そのときそのときで、
よかれと思うことをするしかないじゃないですか P82

・何かあったとき、やっぱりパートナーは大事ね。
それこそ人生、照る日もあれば曇る日もあるから。
ひとりで全部背負わなきゃいけないシングルはたいへん。
心細くなるときもあると思うの P85

・「なんですか、呪文って」
「簡単よ。『あの人だって寂しいのよ』、このひと言。
それぞれにささやくの。うまく使うと効果抜群なんだから」 P110

・幸福は現実の中にはほとんどありえない。
架空の夢物語(略)
ここに描かれているのはユートピアです。
誰でも憧れるけど、誰も持っていない。
読んでいるときだけ浸かることができる。
とても良い本だと思います P152

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