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音と距離の力

音と距離の力

友人の一人から連絡があり
今大丈夫じゃないから待って欲しいと伝えた
友人は何も聞かず了解です待ってます
たったそれだけのやり取りで救いとられる

もう一人本当にピンチの時に必ず電話に出てくれる友人がいる
電話越しに号泣する私を慰めるでもなく
そうねと体験談を話してくれる

二人の共通項は距離感
決して踏み行って来ないが
冷たさは感じないどころか寧ろあたたかい

私も二人の様になりたい
それを胸に今

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小さな缶 ボンボニエール

小さな缶 ボンボニエール

カンカン好きでなかでも小さな缶好き

一番上の写真はフランスの修道院で作られている飴の缶
もう一度食べたい
どれも掌にすっぽりおさまる大きさ

ボンボニエールという言葉を知ったのは昨年
大好きな東京都庭園美術館の展示
幸せを贈るボンボニエール
意匠を凝らした小さな銀器の数々
わぁぁと感嘆し切り

フランスやイタリア(ボンボニエーラ)そして日本

知らずに自分に幸せを贈っていた
甘いお菓子の入ったボ

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ライブ配信を聴き終えて

ライブ配信を聴き終えて

オンタイムは涙が次から次へと溢れて
とにかく号泣した

二度目は
あれ?レーザーハープの出力強くない?
お手手あちちじゃない?火傷してない?
でも…チカッと光るのもお手手の中でレーザー光るのも美しい

それから先は
声量の凄さやギターや一体感や光や2本の柱の映像や
ひたすら圧倒される

そして昨日最後の配信を聴き終えて
今日思い出すと涙滲んでくる

すごく好きだった曲を検索して
どのアルバムに収録

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素敵な古本屋さんを見付けた
あれもこれも迷って一冊も買わなかった

ひとりで大好きなスペキュロス食べながら
もう一冊も入る隙間の無い本棚を
題字をしんみり眺めて

もう過去を慰めるのは
終わりにしよう

そう決めたら
涙が溢れた

絵本から一生
卒業出来そうにない
小さな心

グレーフィンガーとグリーンフィンガー

グレーフィンガーとグリーンフィンガー

サボテンすら枯らす私はグレーフィンガー
枯らしてしまった植物を列挙するのも気が引けるほど

グリーンフィンガー目指したい

心に大きな負荷が掛かると
私は鉢植えを買わずに居られない
無性に植物に囲まれたくなる

長い付き合いの現役鉢植えは4鉢
そこから株分けしたものが水栽培も併せて4つ
新しく迎えた鉢が1つ

長い付き合いの水遣りが簡単な鉢に
今年から大きな変化が出た

毎年よく見なければ分からな

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一輪の花 開き香る部屋 祈り

一輪の花 開き香る部屋 祈り

新しく迎えた鉢植えに
緑色の小さな蕾がいた
季節が少し遅かったため
予想外のご褒美に見えた

日々様子を観察し
水遣りの時間を調整し
時々葉水を遣り
見守った

まだ固かった蕾に白い花弁が覗く
そこから早かった
半日で外側の花弁が回転する様に
一枚一枚解け
夕刻に外側は完全に開いた

あぁカメラあったら
定点観測として撮影し続けたかった
後ろ髪を引かれながら眠る
(物増えるの苦手なので
カメラを買

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書を飾る

書を飾る

作家さん同士の会話を聞きながら
生まれて初めて書を見てみたいと思った

私にとって書と言えば
物々しい額に入り
恭しく掲げられ
校長室に飾ってあったり
床の間に鎮座ましましている
暮らしと遠い掛け軸の印象しかなかった

足を運んだギャラリーで
真っ先に目に入った
「咄咄咄」
禅語で
「おや!あら!まあ!」といった感嘆を現す言葉

正に「おや!あら!まあ!」といった並びの
正方形の手作りの木枠の中に

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新しいマグカップ 濃い珈琲 雑感

新しいマグカップ 濃い珈琲 雑感

新しいマグカップは
間違いなく自分じゃ選ばないタイプで
それなのにとても愛おしく幸せになる

毎朝たっぷりの珈琲をカップに
七分目と散々言われたけれど
並々と入っているのが好きだ

濃い目の珈琲をゆっくり飲みながら
朝寝している猫ちゃんを眺め
早くなってきた朝焼けを美しいと思う

今年の冬は緩かった
最高気温が10°cを下回る日はほぼなく
今週来週と20°cの日もある予報

冬好きとしては少し寂し

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点描画のバンダナ

点描画のバンダナ

昨日届いた
今朝開けた

迫力に気押された
元気玉を送る

届け元気玉

一生大事にする
宝物またひとつ
またひとつ増え
私は益々生きる

切手と葉書と思い出と

切手と葉書と思い出と

その日の朝
事件は起きた

私はポスト係だった
毎朝新聞と手紙をポストから取ってくる
母はお手伝いと言わず〇〇係に任命する

様々な係をやった
ポスト係
台布巾係
食器係
玄関係
お米係
洗濯係
……
自然と家事が身に付いていった

夏休みのその朝
ポストから新聞と手紙を取り
仕分けながら目を疑った

家族の中で漢字五文字の名前は私だけ
葉書に確かに漢字五文字が書いてある
何度も何度も確かめる

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冬好き

冬好き

四季の中で冬は特別に好き

関東生まれ育ちの私にとって
雪は特別で
雪が降り始めると
「お母さん雪積もる?ねぇ、積もる?」
「これは牡丹雪だから積もらないわねぇ」
「今夜は粉雪だから積もるかも知れないわね」

葉が色付いて落ち
木立ちに止まる鳥がよく見え
はぁっと吐く息の白さ
温かそうな湯気
長い夜
猫ちゃんと一緒のお布団
霜焼けでジンジンする手足
霜柱を踏む感触
水溜りに張った氷の光り
積もった

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一服のお茶を自分へ

一服のお茶を自分へ

とても面倒くさがりで
水分補給は一年中基本水だ
浄水器を通して水道の蛇口から出てくる水
夏は温く
冬は冷たい


用事を済ませた朝一だけは温めのお白湯を飲んでいる

今朝ふと一息ついたところで
頂いたお茶飲みたい
急に思った
遊びに行った先で淹れてもらったお茶を
お土産に持たせてくれた
香ばしさの大好きな私はあの味を思い出して唾を飲む

あぁそんな風に思うこと珍しいな

せっかくなのでポットを出

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たけへ

たけへ

たけ
最後に連絡取ったのいつだっけ?
あれからどうなった?
元気だといいな

私引っ越し多くて
自分のことでいっぱいいっぱいで
たけに連絡しなかったごめん

たけの今を知りたい
私の今を聞いてほしい
懐かしい話しもたくさんしたい

たけ
また一緒にナウシカ観たいな
ブランコ乗ろう
相変わらず脚速いかな
ゲーム得意かな

たけが居たから
居てくれたから
私今ここにいる

たけへ
もし今
元気じゃなく

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ものの住所と思い出の箱と宝物

ものの住所と思い出の箱と宝物

引っ越しのとても多い人生だ
移動を全部含めると
30回を越えるんじゃなかろうか

子どもの頃
家族からは「ぱなしちゃん」と呼ばれていた
出しっぱなしやりっぱなし開けっぱなし…
片付けられず狭くて暗い場所が好きだった
押し入れや机の下に座卓の下
マットレスをマジックテープで止めて立てた中にこもっていた時は
母に真剣に探された
あと少し這い出すのが遅かったら110番していたかも知れない

父が壊れた二

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