内向型の魅力を教えてくれた本
私は、子どもの時から「静かだね」「おとなしいね」と言われてきた。うん、その通りだろうと40代の今も自覚している。授業中には、どんどん自分から発言できる子がうやましかった。あんな風に言えたらいいのに、とどれだけ思っていたかわからない。典型的な「内向型」である。
学校の自己紹介でよくある項目である「性格」に、たいていの子どもたちは、「明るい」と書く。「明るい」方がウケもいい。人気者にもなれる。「おとなしい」と自分から書く人はあまりいない。「おとなしい」=「暗い」というネガティブなイメージが、どうしてもつきまとってしまうのだ。
だから、自己紹介をみながら、「あの子が明るい?ん?」というようなこともあった。私自身も同じタイプであった。
社交的で、大勢の前でもどんどん意見が言えて、たくさんの友だちがいて、活発な「外向型」がいい、そうなるべきだ、という風に言われて育ってきた。
そのため、私はずっと内向型な自分を、マイナスイメージと捉え、コンプレックスに感じていた。自分が内向型だからって、何か悪いことをしているわけじゃないのに、なぜか心の奥底で謝罪しなきゃいけないような気になってしまうのだ。
先日本屋さんをぶらぶらしていたときに、ふと目に入った本があった。
「静かな人」の戦略書 ジル・チャン著(神崎朗子訳)
この本に出会って、内向型のマイナスなイメージがくつがえされ、むしろ内向型の魅力に気づかせてくれた。まるで内向型の魔法のレシピが書かれた本のように感じた。
本記事では、私がこの本から私が学んだことをまとめている。
※ ※ ※
● 自分のタイプを知る
自分が内向的だとか外向的だということは、0か1の世界ではない。
本の冒頭には、「自分のタイプを知るテスト」がある。自分に当てはまるものにチェックを付けた数字が、それぞれの特性に紐づき、チェックの数を比較することで、内向型か外向型かの傾向を知ることができる。ここでは、テストから一部を引用する。
内向的な傾向があるかどうか、外向的な傾向があるかどうかは程度の問題でもある。私自身も、チェックの数からは「内向的」だと判断できたが、歓迎会や歓送会にも参加するし、初めていく場所にもワクワクしたりもすることがあることから、外向的な一面もあると思っている。
● 内向型と外向型の違い
本書では、日常生活からまとめた、内向型と外向型の違いを紹介している。
私は、多くの項目で自分を見つけ、納得してしまった。
私は疲れた時はとにかくひとりになりたくなる。ひとりで部屋で過ごすことで自分を取り戻す感覚を覚え、心身がスッキリするタイプである。
● 内向型ならではの利点
内向的であるとか外向的であるとか、生まれ持った脳の構造が異なるという。そのため、その性質をまずは受け入れる、内向型はどんな気質なのか、自分にどんな特徴があるのかを捉えることが大切だという。本書では、内向型ならではの利点が紹介されている。一部を紹介する。
私は、とっさに意見を求められると困惑してしまう。相手の発言があとで頭の中でぐるぐる回り、こういうことを伝えたかったのか、私はこんな風に答えればよかったのに、どうして言えなかったんだろう、という場面がとても多い。
この時、自分の頭の回転や瞬発力のなさに嘆くのではなく、「深く考える」特徴があるんだとプラスに捉えれば良いということである。
● 内向型の特性を生かす
この本では、「戦略」という言葉がタイトルに含まれているように、内向型の人はどう振る舞えばいいのかについて具体的なアドバイスがかかれている。
内向型が持つ「聞く力」やじっくり考える「分析力」は、目立たないが価値のある能力であるということ。この特徴を武器に準備を進めれば、交渉や社交の場、人前でのプレゼンも乗り越えられるという。
私は、上司との面談では毎回モヤモヤしていた。成果をアピールすることが私はとても苦手であり、十分に伝えきれないことが多かった。上司の特性のパタンによって、アピールするポイントが変わることを知ると、あらかじめ準備ができるという。会社員23年目、もっと早く知りたかったとも思う。
貼られたレッテルで殻に閉じこもってしまうのではなく、魅力的な部分に気づいてそれを生かすということが大切である。それは、内向型についてだけではなく、外向型にもいえるという。
最後の言葉が私にとってとても心に響いた。
リーダーになりたいということではないが、ただ道に迷ったときや自信を無くしたときに、この本を開き、私の道標にしていきたいと思っている。
本日もお読みいただきありがとうございました。
読書感想文にトライしましたが、夏休みの宿題を思い出すような感覚になってしまいました。
またお立ち寄りいただけると嬉しいです。
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