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令和5年予備論文成績と総括(1月11日行政法・刑法追記)

再現答案はこちら https://note.com/yobiteki/n/n4ae9d9166dd7 憲法 C 問題文を読み間違って3者間(2者間)で書いていないが、内容的にはCくらいいけているのではないかと思っていた。少なくとも形式をミスったくらいで即Fなどという採点基準にはなっていないらしい。まああれでも私見部分はちゃんと書いていることになるわけだしね。 憲法は対立利益(本問では証言拒絶権と公正な民事裁判権)を意識した基準を設定して、「メイン事実」を拾って評価していれば

    • 令和5年予備試験論文再現答案リンク

      令和5年予備試験論文試験の全10通の答案の再現が完了しました。こちらの記事は各科目へのリンク一覧と、現時点での簡単な感想コメントとなります。細かい分析はこれからですが、試験全体の感想などを最後にまとめています。 再現答案へのリンクとコメント 憲法 https://note.com/yobiteki/n/n2ad48e561b53 X、反論、自身の見解、と別々に項目分けしていません。しかしそれ自体より、むしろもう少し反論を意識した内容にするべきだったと思います。 行政法 

      • 令和5年予備試験論文再現 倒産法

        第1 設問1小問1 1 A社は仕入先20社に対し、未払い売買代金を約定通りに支払うことができるか。 2 仕入先20社は、再生手続き開始決定時の債権者であるから、これらの者の債権は、「再生債務者に対し再生手続き開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権」(民事再生法84条1項)にあたり、再生債権である。そして、再生債権については、再生手続き開始後は、再生計画の定めるところによらなければ弁済をすることができない(85条)。よって、A社は仕入先20社に弁済をすることができない。 2

        • 令和5年予備試験論文再現 刑事実務

          第1 設問1 (1) Aが所持していたVのリュックの中に、NKドラッグストアの会員カードが入っていたが、本件事件記録の中には同カードの会員登録情報の捜査記録がなかった。そうすると、会員カードがVの物なのかの確認が取れず、被害品の中に含めてよいのかの判断が不可能となり、その後の公判の維持も不可能となることから、Kに再捜査させた。 (2)本件において、Vは取られた水色のリュックの中に現金22万9500円とNKドラッグストアの会員カード1枚が入った財布が入っていたと供述している。そ

        令和5年予備論文成績と総括(1月11日行政法・刑法追記)

          令和5年予備試験論文再現 民事実務

          第1 設問1 (1)保証契約に基づく保証債務請求権 (2)YはXに対して220万円を支払え (3) 1 XはAに対して令和4年8月17日本件車両を240万円で売った 2 1の契約につき、XとAは、代金の支払いにつき令和4年8月から令和6年7月まで毎月末日限り10万円ずつの分割払いとし、Aが分割金の支払いを2回以上怠ったときは、催告等要せず、当然に期限の利益を喪失する旨を合意した。 3 XとYは令和4年8月17日、Yが1の債務を保証することを合意した。 4 3の合意は書面による

          令和5年予備試験論文再現 民事実務

          令和5年予備試験論文再現 刑事訴訟法

          第1 設問1 1 裁判官が甲を本件住居侵入・強盗致傷の事実に加えて、本件暴行の事実で勾留することは、本件暴行の事実での逮捕がなされていないことから、逮捕前置主義(207条1項)に違反しないか。そもそも明文規定がないことから問題となる。 2 法が、比較的身柄拘束期間の長い勾留の前に、身柄拘束期間の短い逮捕を置いた趣旨は、捜査の初期段階では、身柄拘束の必要性が流動的であることから、短期間の身柄拘束中に、より長期間の身柄拘束が必要かどうかを判断することにより、被疑者の人権侵害を必要

          令和5年予備試験論文再現 刑事訴訟法

          令和5年予備試験論文再現 刑法

          第1 設問1 1 甲が山小屋の出入り口を外側からロープできつく縛り、内側から同扉を開けられないようにした行為につき監禁罪(220条)が成立しないか。 2(1) 「監禁」とは一定の場所から移動することを不可能または困難にする行為をいう。一か所しかない出入り口扉を外側からロープできつく縛り、内側から扉を開けられないようにする行為は、これにより中にいるXは外部に移動することが不可能となるので、「監禁」にあたる。 (2) では、「不法に」といえるか。「不法に」とは本人の意思に反してい

          令和5年予備試験論文再現 刑法

          令和5年予備試験論文再現 民事訴訟法

          第1 設問1 1 Yの主張の根拠 本件では、XはYを被告として甲土地の所有権に基づき乙建物を収去して甲土地を明け渡すことを求める訴え(①訴訟)を提起しており、第一審では勝訴の判決を得ている。ところが、控訴審で、Yからの主張に基づき、①訴訟を維持することは不可能であると誤認して、この訴えに換えて、甲土地についてのYの賃借権の不存在を確認することを求める訴えに変更した。そうすると甲は、控訴審において訴えの交換的変更を行ったことになるが、その性質は新訴の提起と旧訴の取り下げと解され

          令和5年予備試験論文再現 民事訴訟法

          令和5年予備試験論文再現 商法

          第1 設問1 1(1) 乙社は、本件決議の取消訴訟(831条1項)において、乙社の議案の要領通知請求権(305条1項)が認められなかった点につき、「株主総会の招集手続が法令に違反し」ている(831条1項1号)と主張することが考えられる。これは認められるか (2) 乙社は会社法上の公開会社であるので「取締役会設置会社」である。そして乙社は令和4年6月頃から引き続き甲社の株式を1000株有している。よって、「300個以上の議決権を六箇月前から引き続き有する株主」である。そして「株

          令和5年予備試験論文再現 商法

          令和5年予備試験論文再現 民法

          第1 設問1 1 BのAに対する請求は認められるか。 2 本件請負契約の締結は令和5年7月1日であるが、Aは、個人宅における掛け軸の標準的な保管方法に反し、甲を紙箱に入れたのみで湿度の高い屋外の物置に放置したため、本件請負契約の締結に先立つ令和5年6月15日ごろまでに、甲は原形をとどめないまでに腐敗し、修復することができなくなってしまっている。そうすると、本件損傷の修復債務の履行は、「その契約の成立の時に不能であった」(民法413条の2第2項)といえる。 3(1) よって、B

          令和5年予備試験論文再現 民法

          令和5年予備試験論文再現 行政法

          第1 設問1小問1 1 Cは、本件取消訴訟において、本件処分により自身が既存の業者として一般廃棄物の収集運搬をする利益が侵害されているとして、「法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法第9条1項)にあたると主張することが考えられる。これは認められるか。 2 処分の取消訴訟は、自己の侵害された権利・利益を回復する主観訴訟であるから、「法律上の利益を有する者」とは、当該処分によって自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害され、または必然的に侵害される恐れのある者をいうと解する

          令和5年予備試験論文再現 行政法

          令和5年予備試験論文再現 憲法

          1 本件においてXは、Xの証言拒絶は、表現の自由(憲法21条1項)により保障される、報道の自由および取材の自由により正当化されると主張することが考えられる。これは認められるか。 2 事実の報道の自由は、国民の知る権利に奉仕し、国民が国政に関与する上での重要な判断資料を提供するものであり、「一切の表現の自由」として21条1項により保証される。そして事実を報道するための取材の自由も、21条1項の精神に照らし、十分尊重に値すると解する。そしてフリージャーナリストであるXにもこの報道

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