令和5年予備試験論文再現答案リンク

令和5年予備試験論文試験の全10通の答案の再現が完了しました。こちらの記事は各科目へのリンク一覧と、現時点での簡単な感想コメントとなります。細かい分析はこれからですが、試験全体の感想などを最後にまとめています。

再現答案へのリンクとコメント

憲法 https://note.com/yobiteki/n/n2ad48e561b53
X、反論、自身の見解、と別々に項目分けしていません。しかしそれ自体より、むしろもう少し反論を意識した内容にするべきだったと思います。

行政法 https://note.com/yobiteki/n/n24b167eb3877
旧計画の策定後、新市長が旧計画を改定して新計画を作成した、という部分が、答案を書く段階で完全に頭からすっぽり抜け落ちており、設問1は何とかごまかせているかな、と思いますが、設問2前段は話になりませんね。後段も時間が足りなくてスカスカです。

民法 https://note.com/yobiteki/n/n01c64e67e9bb
設問1は536条2項の筋でいいんですかね。415条の解釈論にするという筋も考えたのですが、Bは請負債務を全て免れているのに250万円全額請求できると強気の姿勢だったので、536条2項について論じてほしいのかな、と思いました。いずれにしても解答筋を決めるのに時間がかかり、設問2は全体的にややスカスカになってしまいました。なお、設問2の(2)は、112条1項の適用ではなく、類推適用にするべきだったんでしょうね。

商法 https://note.com/yobiteki/n/ned4ea05d62bb
設問1はまあまあ大丈夫そう。設問2は、3つある違法事由のうち不公正発行を落としてしまいました。あと通知公告のところで、「特に有利な金額による発行」を、なぜか「著しく不公正な「金額」による発行」と勝手に脳内変換し、210条1号の法令違反の問題にせず、同条2号を適用してしまうという条文の適用ミスをしています。

民事訴訟法 https://note.com/yobiteki/n/nded9c6a82504
設問1は訴えの交換的変更が新訴の提起と旧訴の取り下げであり、終局判決後の再訴禁止の問題(262条2項)であることには気づけたのですが、その後の展開を、訴えの利益の問題にせず信義則の問題にしているところがどうですかね。設問2は、和解の制限的既判力について触れず、手続きの安定性うんぬんで書いてしまいました。ここもどうかな。

刑法 https://note.com/yobiteki/n/ndb1fe22af123
携帯電話のところで不法領得の意思について問題意識を持てなかったのは残念でした。当然のように器物損壊にしてしまいました。また、監禁罪の保護法益(可能的自由か現実的自由か)を条文のどの文言で検討すればよいのかわからず、「不法に」のところで検討しています。

刑事訴訟法 https://note.com/yobiteki/n/n0aa3a2743cfc
設問1は、公訴事実の同一性がないこと、事件単位の原則に立つことを当然の前提として書いてしまいました。最低限度書いておくべきでした。設問2はまあまあかな。

民事実務 https://note.com/yobiteki/n/n434922009abd
設問1がなんだかな、という感じです。準備書面は調子に乗って書きすぎました(1ページ半くらい)。

刑事実務 https://note.com/yobiteki/n/n9b81bedb0057
全体的にもっと充実できたかな、と思いますが、時間不足で仕方がありません。

倒産法 https://note.com/yobiteki/n/nc8b71e480261
これは結構書けたんじゃないかな。個人的には全科目の中で1番の出来です。法的三段論法で書ききっていると思います。

総評
今年は、個人的には論点の発見が困難な問題はほぼなかったものの、時間のかかる問題が多かったような気がします。最低限度の基礎知識があることを前提として、それを基にした事務処理能力が問われているような感じでした。時間さえあればもっといろいろ書けたのに、検討できたのに、と思うことが多かったです。終わってみると例年以上の消化不良感が残りました。この傾向が今後も続くのかわかりませんが、基礎的知識の確実な習得と事務処理能力の向上を目指すべきですね。

成績予想に関しては、現時点では何とも言えないですね。論点を全部落とさずに書けた、と思えるのは倒産法くらいで、それ以外の科目は全科目に渡りなんか微妙に抜けてるんですよね。民法、倒産法あたりで浮上して、残りの科目の抜けを取り戻してくれてるといいんですけどね。とりあえず予備校の分析講義を見たり、他人の答案を参考にしてみたいと思います。

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