【よびし通信no.32】おたふく豆はこの炊き方がおいしいわぁ
よびし通信no.32発行しました。
多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技
「おたふく豆」この炊き方がおいしいわぁ
「おたふく豆」と聞いて、はじめ何の豆か分かりませんでした。しもぶくれの「おかめ面」のようなカタチの豆だから「おたふく豆」すなわち「そら豆」。
山間部の聞き取り調査でも、甘く炊いた「おたふく豆」をよく作ったと聞きましたが、作り方も分からず、乾燥そら豆を使うことも、今回レシピを教えていただき初めて知りました。 手間がかかりますが、この炊き方が美味しいと評判でしたので載せます。
乾燥そら豆
「そら豆」を、カラっカラになるまで乾燥させて保存するんは、最近はしないなあ。とKさんはおっしゃっていましたが、実は、一昨年、そら豆の餡で作った ニッキ餅をNさんと作り、Kさんにお裾分けしたところ、「こんなにそら豆餡が素朴な味で美味しいんやったら、たくさんそら豆作って乾燥保存してみるわ。」ということで、昨年たくさんそら豆を栽培して収穫してくださいました。
昨年の6月半ばに、畑で鞘が真っ黒になるまで乾燥させたそら豆を収穫。Kさんからレシピを教えていただきました。
おたふく豆煮
材料
乾燥そら豆300g/お好みの砂糖300g/塩小さじ1/炭酸小さじ1
作り方
①豆を水で洗い、たっぷりの水を入れ、しばらく炊く (しわになっていて、中心に芯があるくらい)
②豆をザルにあげてさらにたっぷりの水を入れる。 炭酸を入れる。 沸騰したら少し堅めで火を止める。そのまま一晩置く。
③次の日、これをザルにあけてやさしく洗う。
④洗った豆を鍋に入れ、砂糖、塩、水は豆がかぶる程度に入れ、弱火でゆっくりと砕けないように汁が無くなるまで煮る。落し蓋をすると良い。フライパンなどなるべく底の広い鍋にそら豆を広げて並べ様子をみながら煮るとよい。
⑤火を止めたら、冷めるまで触らない方がよい。 黒くて艶やかなおたふく豆になる。
つぶれた豆はそら豆餡に
おたふく豆のレシピと、小豆の餡と調味料は、ほぼ同じ。つぶれた豆は、皮を取り除いて、潰して餡の固さになるまで煮詰めて、こし餡にしました。以前、皮を取らずにそのまま潰してつぶあん風にしました。そら豆の風味が強く残り、皮をむいた方がより上品な味に。
そら豆餡で簡単おはぎ
少量おはぎを作る時は、もち米の入ったごはんは炊かずに、いつもの白ごはんを軽く潰しておはぎにします。
活動の記録
6月27日 YOBISHIの活動が『関西食の 「わ」プログラム』に認定されました!
近畿農政局では、2023年12月に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて10周年を迎えたことを踏まえ、2025年に開催される大阪・関西万博が関西の食や食文化の保護・継承の契機となるよう、団体、企業、個人が取り組む関西ならではの食や食文化を国内外に発信する活動について「関西 食の「わ」プログラム」として認定する取組を開始。関西の食の応援や学びの提供などの活動を募集。審査した結果、15の活動が「関西 食の「わ」プログラム」として認定されました。今後、関連ワークショップを随時開催します。
草木染とごぼう畑?!
多賀町桃原地区は、標高350mの鈴鹿山系にある集落です。 江戸時代の文献にも「多賀午房」とあり、古くからゴボウの名産地。石灰岩の上に堆積した赤土と、冷涼な気候が高級ごぼうを育む産地となったようです。昭和半ば頃まで、「お多賀午房がなければ正月が迎えられない」と、京都では高値で取引されていたそうです。
お多賀ごぼうが大人気だった理由は??
かつてのゴボウは太くて、切らないとおせち料理に使えませんでした。
しかし、多賀のごぼうは、細くて薫り高くサックっとした歯触り。細いので切らずにそのまま使えるので縁起が良く、おせち料理のたたきごぼうには欠かせないと大人気。さらに、京都の料亭で使うのに、多賀午房が争奪戦となったそうです。
そんなことなので、値段も法外だったようです。ゴボウが今日スーパーで並ぶ細さになったのは、多賀午房のブランド力が影響したとか。
多賀ごぼうの復活!
戦後、杉の植栽が始まり、燃料が薪からガスに変化した頃からゴボウの生産は下火になり、昭和50年頃には生産が途絶えてしまいました。
10年前、当時のゴボウ栽培方法を知る方に学びながら、ゴボウ栽培を復活させるのに尽力された方がおられます。栽培を継承するために、たくさんの人を巻き込み、ごぼう復活のプロジェクトを立ち上げられました。それが、桃原プロジェクトです。
杉が植林された山を伐り拓き根をとりのぞき、赤土を耕す。鹿の食害から守るために、電気柵を張り巡らせ、猿の上空からの侵入を防ぐために電柱も移動。
種まき、草抜き、収穫は県内外から100名を超える人が、山村の集落に集まり作業されます。
畑の雑草がたからものだった!
5~6年前、ゴボウ畑に生える雑草が、コブナグサで黄八丈の染料、八丈刈安らしい⁈と判明。
桃原プロジェクトのリーダーは、自然観察指導員もされる植物に大変詳しい人なのです。コブナグサは、思いがけずごぼう畑の副産物でした。
染まる科学を知ると面白い!
手探りで、染めてみたところ、とても美しい黄色に染まることに感動!
翌年から、NHK Eテレ『趣味どきっ』にも講師出演された染色家で、天然工房tezomeya代表、京都光華女子短期大学部准教授の青木正明先生に講師をお願いして、染め頃のコブナグサを刈りとるところからのワークショップを開催することとなりました。青木先生のワークショップは、色がなぜ染まるのか、染めの仕組みを小学生でも理解できるように、化学式を寸劇で説明しながら分かりやすく解説されます。
ワークショップのご案内
コブナグサで桃原yellowに染めよう
日時:9月7日(土)13:30~16:00
場所:滋賀県多賀町桃原 桃原工房
*送迎希望者は申し込みの上、12時半多賀大社前駅もしくは、13時あけぼのパーク多賀駐車場に集合
講師:青木正明先生
京都光華女子大学 ライフデザイン学科准教授主宰
草木染めの天然工房 tezomeya主宰
参加費:大人3000円・大学生以下1500円(材料費、講師料、保険料 含む)
持ち物:汚れてもよい服装、帽子、飲物、タオル、汚れてもよいタオル、あれば輪ゴムやビー玉など
内容:草木染の科学を分かりやすく、楽しく青木先生に教えてもらいます。
ごぼう畑で育ったコブナグサを収穫し、煮出して染色液を作り、手ぬぐいを染めます。鮮やかな黄色を「桃原yelllow」と名付けました。
申込:先着20人。9月5日締め切り。名前、連絡先、人数、送迎希望の有無を
多賀町立文化財センター(0749-48-0348)までご連絡ください。
主催:桃原プロジェクト
協力:YOBISHIプロジェクト
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