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山際響:短編集

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山際響の短編まとめです。
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#掌編小説

雨のち晴れ

 一年のうち、七割は雨の日なんだって!
 この地域の話さ。信じられない。雨が降るからここら辺は森だらけで林業が盛んなんだよね。
 僕は奴の車に乗って、港町へと向かっているんだけど、今も雨が降っている。
 道路の両側には、大きなモミの木がいっぱい生えている。曇り空だから薄暗いし寂しい道さ。ものすごい大きな木を乗せたトラックが一分ぐらい前に、僕らの車を追い越してから、車なんて見てないね。
 僕らの住ん

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雪のお城

雪のお城

 その日は朝から雪が降っていました。

 十歳だった私は、マンションの窓から見える雪景色を見て興奮していました。
 普段は私を憂鬱な気分にさせる高層ビルが、真っ白に染められ、輝いているところを見るのは気分がよかったです。そして同時に、相も変わらず冷め切った母の態度に失望した事もよく覚えています。雪が降っている、と私が声を弾ませても、外を見もせず、そうなの、とだけ呟きました。
 私は母に、母らしい事

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