30歳を境に変わり始めたこと#4.4
#4.4 パワハラからの解放~そして成長へ~
1.解放されるも、自信がない
春になり、組織も変わり、パワハラも解放され、心機一転…といきたいところでしたが、パワハラで受けた心のダメージを引きずったままのスタートとなりました。
パワハラ上司に指示されていた応援業務を今年も続けるのかと思っていましたが、新しい上司のもとではそうではなく、異動先の部署にあった仕事を任されることになりました。
ベテランの先輩とともに仕事をすることになり、その先輩から教えていただきながらの毎日でした。その先輩とは、異動前からの付き合いがあり、私がパワハラされているときに、相談に乗ってもらったことがあります。人情のある先輩ですが、この方も感情的になることが多く、戸惑うことが多かったです。
先輩から教えてもらった内容は、私がパワハラを受けているときには既に検討がさなれていた内容で、それについて全く理解できていない私に対して「お前は今まで何をやっていたんだ?」という態度をとられました。先輩から口で説明されても、すぐに頭でイメージできず、キャッチアップするのに必死でした。
2.オンラインサロンでの成果が出始めた
今であれば、指示された内容に対して、すぐにA4用紙を取り出し、その場で指示内容をA4用紙に書き、アウトプットイメージを確認することができます。このやり方は、ゼロ秒思考オンラインサロンで体得しました。
指示内容をその場で言語化し、発注者に確認するためには以下が必要です。
確認することを躊躇しない
余計なことを考えず、その人の指示を誠心誠意聞く
日々のA4メモ書きで言語化能力を高めておく
1.に関しては、気持ちの問題が大きいです。自信があればできますが、「自信」という言葉自体にあまり意味はないと考えるようになりました。これは、「ゼロ秒思考」著者の赤羽さんからの学びです。
たぶん、発注者である先輩よりも、何かしら勝っているものがあれば、心に余裕を持って確認することができます。英語でもいいし、IT関係の知識でもいいし、なんでも良いです。
一番手っ取り早いのは、「情報収集」によって得た知識です。仕事上で関係のあることをGoogleアラートに登録して、毎日記事を読んでいると、仕事で関係のある情報が自然と身についてきます。もちろん、本当に専門的なことは、職場のベテランや専門家に聞く必要がありますが、みんなが知らない情報を知っているだけで、気持ちの上で一段優位に立てます。
2.に関しては、「アクティブリスニング」です。まずは相手の話を聞く、相手の話の腰を折らない、一瞬間ができたら躊躇なく質問する、などです。躊躇なく質問するところですが、質問をしないと認識のズレが生じます。なので、じっくり話を聞いた後、確認したいことは、間ができたら間髪なく聞きにいきます。
先輩や上司から指示を受けたときは、メモを取りながら、相手の話していることを集中して聞きました。最初の頃は、メモするのに精いっぱいになって、「メモは取ったけど、ここから何が言えるんだっけ?」「結局何をしないといけないんだっけ?」となり、そもそもアクティブリスニングできていない本末転倒状態でした。
その結果、再度確認して「何度確認すればわかるんだ!」と叱責を受けました。そもそも、「何度確認すればわかるんだ!」という叱責自体、やってはいけない行為なのですが、それだけ、私の頭が凝り固まっていた証拠です。
指示を聞いているときに、注意力散漫になるのは、不安なことや心配事、周りを気にしている、などが大きいです。それらは、毎日のメモ書きでだんだんと気持ちが落ち着いてきます。これには「多面的メモ書き」がオススメです。
なぜ不安/心配なのか?
どういうときに不安/心配になるのか?
不安/心配にならなかったときはどういうときか?
そもそも不安/心配とはどういうことなのか?
周りは自分をいつも見ているのか?
見ているとしたら何を見ているのか?
過去に見られていると感じたときは?
見られていても気にしなかったときはどんなときか?
気にしていて得したことはあったか?
先輩や上司は私の何を気にしているのか?
先輩や上司がそれを気にするのはなぜか?
私が先輩や上司の立場だったら相手のそれを気にするのか?
過去に関しては、仕事以外、家庭や友人との出来事など、これまでの人生すべてを包括的に書きます。思い出せなくても、まずは思い出せる範囲で書いていきます。これが「自分自身と向き合う」ということです。
「自分自身と向き合う」には、「愛着障害」への理解が必要です。愛着障害とは、「特に、生まれてから2歳までの間に、特定の人(母親とは限らない)からの十分な愛情を受けずに育ったことにより感じる、生きずらさ感、自己肯定感の低さによって、社会性(対人関係)が求められる場でさまざまな問題を引き起こすこと」と理解しています。
「愛着障害」と関連するのは、「毒親」です。やはり、親の影響が一番強いということです。幼い頃の私に限らず、すべての人にとって、特定の人とは、母親であることが多く、その母親からどれだけ愛情を受けてきたか、が問題になります。
ここでの愛情とは、金銭的な支援といった物理的なものではなく、子供の意見を心の底から尊重する、子供と価値観が違っても押し付けることはしない、子供が支援を求めてきたら迷わず全力で支援する(※子供が求めてもいないのに手を出すことは逆効果です)といった精神的なものです。例え、貧困であっても、親からの精神的な支援が十分であれば、子供は将来、貧困をはねのけて、自分の意思で力強く歩んでいけるはずです。
愛着障害、毒親からの支配があると、人間関係がうまくいきません。無論、仕事もうまくいきません。これらの理解が、生きずらさ解消の根本と言っていいと思います。
3.に関しては、前述した通り、日々のメモ書きにより、「これ以上考えないようにしておこう」「見なかったことにしよう」「辛いから考えないようにしておこう」「難しいから考えるのをやめよう」といったことに対して、深く考えられるようになります。
頭の中でグルグル考えていても、大抵の人は堂々巡りに終わってしまうと思います。仕事の中でも、何かをイメージする際は、すぐに紙に書き出すことをお勧めします。言葉に限らず、図や表でも、とにかく、何でもすぐに書いてみることです。
上記の内容は、オンラインサロンの取り組みのほんの一部でしかないですが、パワハラによって受けた心と頭のダメージが緩和されてきました。というか、パワハラされる以前から、私は相当なダメージを負っていたことに気付かされました。それが、両親との関係です。
両親、特に母親に関してです。母親と私の意思や価値観が同じ場合は、母親は全力で応援してくれました。祖父母の力もあり、大学進学や予備校通いのための資金援助、下宿の家賃援助、車購入のための資金援助、毎日の手作りの食事、天気が悪いときの送迎などなど、至れり尽くせりでした。
しかし、母親と私の意思や価値観が異なる場合は、母親は全力で否定してきました。「そんなことやってもうまくいくはずがない」「失敗するから絶対にやめた方がいい」「今の環境が一番だからここにいれば大丈夫だ」など。私の話を最初は聞いてくれても、埒があかないと感情を露わにし、怒り出します。たぶん、怒りでコントロールすれば、言うことを聞くと思っているのでしょう。
それを物語っているのが、「言葉で言って分からなければ、身体で分からせるしかない」という脅し文句です。そうやって、ビンタされたり、お尻をひっぱたかれたり、家の外に締め出されるという経験を何度もしてきました。
ですが、周囲の家ではもっとひどいことをされていました。小学生時代に所属していた、地域の運動チームでは、子供の父親が監督やコーチを務めるのですが、何か気にくわないことがあると、スパイクで子供を蹴り倒します。何度も何度も蹴りを入れる…そんな酷い状況を見てきたので、うちはまだマシな方では?と思いました。しかし、暴力の程度に差はあれど、心に追う傷には変わりはないです。
こういうことをされると、「ごめんなさい、許してください。お母さんの言うことを聞くから許してください」とすがるようになります。これは、私がパワハラ上司にしていたことと全く同じでした。
パワハラ上司は「これで最後だ!」「お前は断崖絶壁の近くにいて、オレがお前の頭に銃口を突きつけていると思え!」と言われ、「もう失敗しないので、もう一度チャンスをください!」と懇願していました。今思えばバカにもほどがあります。愛着障害による「見捨てられ不安」に私は支配されていたのです。
こうなると、自分の意思や感情が分からなくなり、相手に迎合するしかなくなります。迎合するとどうなるか?たちの悪い人は、迎合する人を都合よく利用し始めます。それが仕事でのパワハラ、セクハラ、家庭でのモラハラ、DVにつながります。
そして、この負の連鎖は繰り返される傾向があります。恥ずかしながら、私も、大切な人である妻にモラハラをしていました。
会社であった嫌なこと、自分の主張、会社やオンラインサロンで知ったこと、自己啓発的なこと、妻が興味のない科学技術の話などを、妻の立場もわきまえず、アウトプットし続けたのです。
それを続けること1年、妻は精神的におかしくなり、鬱傾向になりました。妻は「オンラインサロンは宗教みたいだ」「毎月の月謝はお布施のようなものではないか?」「なにかあればサロンが…、赤羽さんが…、って。私よりもオンラインサロンが重要なのか?」と言われる始末でした。
私はオンラインサロンに入る前は、自分の意見を発信することができなかったです。何をやってもムダ感にも支配されていました。
その理由は、前述した通り、親による支配、愛着障害があったからです。ですが、オンラインサロンでの活動を通して、自分の意見を発信する、自分の心にフタをしないで堂々と発言できるようになりました。
ですが、その矛先が妻に向いてしまったのです。これでは、まるで、オンラインサロンによって変化したことが悪であったかのように思えてしまいます。私にとって、サロンで得たものは劇薬に近く、それだけ劇的な変化を生んだとも言えます。
なぜ妻に向かったかと言うと、妻が最も手軽な相手だったからです。A4メモ書きよりも、オンラインサロンで発信するよりもずっと手軽で、私の話を聞いてくれる存在だったからです。妻に甘えていたと言えます。
この「甘え」がパワハラ上司にも、親にもありました。手軽な相手=コントロールしやすい相手=容易く自分の意見を押し通せる、ということです。この「甘え」と向き合うことになった本が以下です。この本は私のバイブルです。
では、吐き出せなかった甘えはどうするのか?甘えを押し殺していると、それこそ、心にフタをすることになり、悪循環を生みます。
「甘え」は害のない場所に吐き出すのが一番です。それの代表例が「紙」です。紙なら、何でも受け止めてくれます。誰にも見られずに、何でも吐き出すことができます。
そして、自分と同じく愛着障害に苦しむ仲間、過去に愛着障害だったが克服した人が集まる場所で、悩みや生きずらさを発信していけばいいです。その場所が「ゼロ秒思考 オンラインサロン」です。
今はオンラインサロンに傾倒したこと、妻に一方的にアウトプットしたことを心から反省し、妻の話を徹底的に聞く「本気のアクティブリスニング」を継続しています。
妻への信頼負債を、信頼貯金に変えるための新たなスタートを切り、徐々に成果を上げています。何事もバランスが大事ということです。
個人的には、バランス感覚の重要性は、以下の本を読むとよくわかります。
3.波があった1年
パワハラから解放されて数か月後、はじめて、職場で毅然とした立ち振る舞いができました。それは、ある別のチームの管理職から、メールの文章の体裁など、重箱の隅をつつくような指摘を受けたときのことでした。
正直言って、その管理職は自分に自信がないです。私が新人の頃、その管理職も、ひどいパワハラに遭っていたのですが、彼はそれを受け流していたように見えました。
ですが、心の中では、パワハラを消化できていないように見えます。彼は私と似たところがあり、辛さはよくわかりました。だから、「チクチクとこういう指摘をしてくるのだろう」、「自分に自信がないのだろう」と考えました。
メールのラリーを何度か続けていると、上司と部下の話になりました。そこで、私は以下の内容をその管理職に伝えました。
「上司の仕事は部下の力を100%発揮させることです。そのためには、上司は部下の話を最後まで、ちゃんと、誠心誠意聞く必要があります。私が管理職になったらそれを実践します。部下の勇気をくじくようなことは絶対にしたくないです。私が経験したことは絶対にさせないです。」
この内容は以下の本から学びました。部下の立場から、とても共感でき、「こんな上司になりたい」と心の底から思えました。
そのときの彼の回答は「あなたの意見はわかりました。それでうまくいったら、是非とも私にもシェアしてくださいね」のようだったと思います。
このように、毅然としてふるまえたときもあれば、以前のように、迎合して、相手の雰囲気に飲まれるがままだったときもあります。
この「雰囲気に飲まれる」という言葉ですが、新人時代の指導員から指摘を受けた内容です。指導員はとても厳しい方でしたが、私に対して、「雰囲気に飲まれるな!」と何度も言ってくれたことを思い出しました。彼なりに、私の将来を気遣って言ってくれた言葉だったんじゃないか?と最近は思っています。ただ、具体的なやり方は教えてくれなかったので、オンラインサロンを通して、見つけることができてよかったです。
次の#5を最後にしてこのシリーズは終わりにしようと思います。
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