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肩関節周囲炎で上腕二頭筋長頭はどうして腫れるの?

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です!


まずはこちらの画像をご覧ください!

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エコーを見慣れている方はすぐに「上腕二頭筋長頭腱が腫脹している」「炎症が生じている」ということがわかる画像です。


この画像は肩関節周囲炎の方のエコー画像なのですが、肩関節周囲炎で疼痛が強い場合(特に前方部痛)、必ずと言っていいほど上腕二頭筋が腫れています。私の経験上、8割~9割は腫れがある印象です。


では、「なぜ?」こんなに上腕二頭筋長頭が腫れるのでしょうか?

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私は上腕二頭筋の作用や解剖学的な構造が関係していると考えています!当たり前ですが💦


その中で着目するべきポイントはプーリーシステムと上腕二頭筋の内外旋の作用です。

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「うん?回旋?」って思われた方はこちらの記事を読むと上腕二頭筋の作用を深く理解することができ、「なぜ?上腕二頭筋が腫れるか」ということも理解できると思います!


では、本題に入っていきたいと思います!!!


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1.上腕二頭筋の解剖

上腕二頭筋は長頭と短頭に分けられます。今回は上腕二頭筋の長頭にフォーカス当てて、説明していきます!

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上腕二頭筋は肩甲骨の関節上結節から起始し、橈骨粗面と上腕二頭筋腱膜に停止する筋肉です!支配神経は筋皮神経で、栄養血管は上腕動脈です。

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ここまでが一般的な解剖学として知られている内容だと思います。ですが、上腕二頭筋を知るにあたり、もう少し踏み込んで考えていく必要があります!


特に重要になってくるものが、冒頭にも記載した「プーリーシステム」についてです!


上腕二頭筋は結節間溝を通過する手前で急激に走行を変化させます。また、肩関節の屈曲-伸展、内外旋により、長頭腱が近位-遠位へと動きが生じるため、摩擦を軽減させる必要があります。


その役割を「プーリーシステム」が担っています。


「プーリーシステム」とは肩甲下筋、棘上筋、烏口上腕靭帯、上関節上腕靭帯から構成され、摩擦を軽減する構造を有する複合体です。

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さらに詳しく解剖学を知りたい方はこちらのツイートもご覧ください!


この構造が上腕二頭筋の炎症と密接な関係があると考えられます。詳細については「3.上腕二頭筋はなぜ腫れるのか?」で解説したいと思います!


さらに、上腕二頭筋の作用も今回のテーマでは重要になるので考えていきたいと思います!


2.上腕二頭筋長頭の作用

上腕二頭筋長頭の主な作用としては
・肩関節屈曲
・肘関節屈曲
・肘関節回外

が主な作用として知られています。

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上腕二頭筋の作用も同様に、もう少し深堀していきたいと思います!


上腕二頭筋長頭は肩関節屈曲、肘関節屈曲、肘関節回外の3つの作用以外に
・肩関節内旋-外旋
・肩関節回旋安定性の向上

・上腕骨頭の支持作用¹
の作用があると言われています!


肩関節内旋-外旋・肩関節回旋安定性の向上・上腕骨頭の安定化作用?


初めてこの3つの作用を聞いたという方は是非覚えて下さい!臨床上、すごく重要な機能です。それでは、それぞれについて解説していきます!


2-1.肩関節内旋-外旋作用

上腕二頭筋腱は肩関節内旋、中間、外旋位によって位置関係が異なります。こちらの図をご覧ください!

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