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足関節捻挫と長腓骨筋の関係性 ~長腓骨筋の機能は低下する?~

足関節捻挫は急性スポーツ外傷であり、スポーツ関連外傷全体の約14%を占めています。足関節捻挫では、前距腓靭帯や踵腓靭帯、腓骨筋、腓骨・距骨・立方骨の剥離骨折など多くの組織が損傷する可能性があります。


足関節捻挫後、静的・動的安定化機構の機能不全が生じると、足関節は不安定となります。足関節の不安定性は、疼痛や可動域制限、足関節捻挫の再発、変形性足関節症に繋がると考えられています。


足関節捻挫は受傷率が高く、筋肉、靱帯損傷、骨折が伴うことが多いにも関わらず...医療機関を受診する人は少ないのが現状です。そして、足関節捻挫の既往歴が捻挫の再発を引き起こす最も頻繁な危険因子であるため、これは憂慮すべきことです。


そのため、足関節不安定性に対する介入、足関節捻挫再発や変形性足関節症の予防するにあたり、セラピストの介入は非常に重要になると考えられます。


今回の記事では、足関節捻挫後に不安定性の改善、足関節障害予防のために着目されることも多い、長腓骨筋の解剖や評価、トレーニング方法について考えていきたいと思います。


1.長腓骨筋の解剖と機能

長腓骨筋は腓骨近位部および外側部から発生し、第1中足骨と内側楔状骨に停止します。長腓骨筋の解剖のポイントは走行時、外果遠位と立方骨で2回急激に曲がることです。


停止部は長腓骨筋は第1中足骨と内側楔状骨だけでなく、約30%の割合で母趾球や小趾球を構成する筋群に停止するとも報告されています。そのため、長腓骨筋の機能は母趾・小趾にも影響を与える可能性があります。


長腓骨筋の解剖から足関節外返しや第一列の底屈が主たる作用と考えられます。また、母趾球や小趾球の筋肉にも付着することから、内側・外側縦アーチの支持に寄与する可能性が考えられます。


足関節捻挫において長腓骨筋の重要性は捻挫時に反射的に収縮し、足関節を安定化させる役割があることです。


また、長腓骨筋”腱”は外側側副靱帯と共に受動的安定性にかなりの影響を与えると述べられています。特に外側側副靱帯の損傷がある場合、長腓骨筋腱の機能は重要になります。


さらに、長腓骨筋は足底面で後脛骨筋と共同して、距骨下関節、中足部の安定化に関与します。長腓骨筋は後外側、後脛骨筋は後内側に牽引力が働き、足部を内外足から圧縮し、安定性を高めています。

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長腓骨筋の足関節外返し作用や足部アーチを支持する機能は足関節捻挫を予防するために重要です。ですが、私はこれ以外にも長腓骨筋には足関節捻挫を予防するために重要な機能があると考えています。


それは、感覚入力(フィードバック)による長腓骨筋の活性化です。

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