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本の解説や、特定のテーマに沿った本の紹介、気候変動や持続可能性など社会的なテーマについ…

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本の解説や、特定のテーマに沿った本の紹介、気候変動や持続可能性など社会的なテーマについて書いていきます。

最近の記事

MaaSが日本で展開するには?①ー日高洋祐他「Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―」ー

MaaS ーMobility as a Serviceー 公共交通や自動車、自転車などの交通手段をモノで提供するのではなく、検索や予約、決済までを一括したサービスとして提供しようとするものです。 以前、下の記事でMaaSに関する本を紹介しました。 今回紹介する本はその続編です。 ボリュームがあるため前編と後編に記事を分けており、今回は前編です。 本書の伝えたい(と考えられる)こと本書は日本での参入を促すことをとても意識しているように感じます。 そこには大きく2つのポイ

    • パタゴニアの歴史と理念ーイヴォン・シュイナード「新版 社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア経営のすべて」ー

      パタゴニアをご存知ですか? パタゴニアとは南米にある自然豊かな地域の名前ですが、その名前を冠したアウトドアウェアブランドの方が先に思い浮かぶと思います。 今回紹介する本は、そのパタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナード氏が執筆したパタゴニアの理念や歴史をまとめたものです。 パタゴニアには、 「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘わ鳴らし、解決に向けて実行する。」 というミッション・ステートメントが

      • 企業へのSDGs導入ー沖大幹他「SDGsの基礎」ー

        前回はこの本を、SDGsの基本という視点で紹介しました。 その中で本書以外の情報も含め、SDGsの基礎知識まとめとしました。 SDGsの基本的な内容については、まず前回の記事を見ていただければと思います。 今回は本書の趣旨である企業へSDGs導入について紹介します。 この本は世界のSDGsというよりは、特に日本の情勢にあわせた内容を書いているように感じました。 本書の目的この本は市民向けというよりは企業や自治体など専門機関向けという印象で、書き方も学術的な記述がされている

        • SDGsの基礎知識まとめー沖大幹他「SDGsの基礎」ー

          この本ではSDGsの基本的な知識と企業へのSDGs導入について書かれています。 本記事では、この本から学んだ内容と合わせて、他の本やwebサイトの情報をまとめ、SDGsの基礎知識として紹介します。 SDGsを知る上で重要と思われる内容を以下のようにピックアップしました。 SDGs(Sustainable Development Goals)とは?2015年の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」、日本語では「持続可能な開発目

        MaaSが日本で展開するには?①ー日高洋祐他「Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―」ー

        • パタゴニアの歴史と理念ーイヴォン・シュイナード「新版 社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア経営のすべて」ー

        • 企業へのSDGs導入ー沖大幹他「SDGsの基礎」ー

        • SDGsの基礎知識まとめー沖大幹他「SDGsの基礎」ー

          観光分野でも持続可能な発展ー 藤稿亜矢子「サステナブルツーリズムー地球の持続可能性の視点から」ー

          観光と持続可能性というキーワードに興味があり、この本を読んでみました。 サステナブルツーリズムについて内容をまとめ、紹介します。 読んで字の如くですが、持続可能な発展(SDGsなど)の観光分野がサステナブルツーリズムにあたります。 サステナブルツーリズムの基礎知識■サステナブルツーリズムとは? 旅行者、観光関連産業、自然環境、地域社会の需要を満たしつつ、現在および将来もたらす経済面・社会面・環境面の影響も十分考慮に入れた観光 小規模や大規模、地域観光、国際観光など形態に

          観光分野でも持続可能な発展ー 藤稿亜矢子「サステナブルツーリズムー地球の持続可能性の視点から」ー

          観光分野の発展には何が必要?ーデービッド・アトキンソン「新・観光立国論」ー

          著者のデービッド・アトキンソン氏は25年以上日本で暮らしているイギリス人。 ゴールドマン・サックスのアナリストから文化財を修繕する小西美術工藝社の社長に転身した人物です。 下のように著書も数多く出版されているので、ご存じの方も多いかもしれません。 『銀行―不良債権からの脱却』日本経済新聞社、1994年 『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』講談社+α新書、2014年 『新・観光立国論』東洋経済新報社、2015年 『イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」

          観光分野の発展には何が必要?ーデービッド・アトキンソン「新・観光立国論」ー

          本を通した人の繋がりー礒井純充他「コミュニティとマイクロ・ライブラリー」ー

          いつも記事として本を紹介していますが、数が揃ってきたらあるテーマに沿った本をまとめて「本棚」として紹介したいと考えています。 noteでいうと「マガジン」に似たようなものでしょうか。 「本棚」というと、個人の部屋の本棚、もしくは本棚がずらっと並んだ図書館を思い浮かべると思います。 そして、図書館というと自治体や学校のものなど、公共のものというイメージが強いのではないでしょうか。 そこで自分の中で浮かんだ疑問が、個人の本棚と公共の図書館を足して2で割ったような、「私設図書館

          本を通した人の繋がりー礒井純充他「コミュニティとマイクロ・ライブラリー」ー

          MaaSが起こす変化とは?ー日高洋祐他「MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ」ー

          車依存社会からの脱却という課題に興味があり、公共交通機関について調べていたところ、MaaSという言葉に行き当たりました。 そのMaaSという言葉は聞いたことがあるといった程度で、どういったものなのかよく知らなかったため、この本を読んでみました。 今回はこの本から得た情報をまとめて、MaaSについて紹介したいと思います。 MaaSとは?「Mobility as a Service」 従来のマイカーや自転車などの交通手段をモノで提供するのではなく、サービスとして提供する 移動

          MaaSが起こす変化とは?ー日高洋祐他「MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ」ー

          amazonは社会の仕組みをどう変えるか?ー成毛眞「amazon 世界最先端の戦略がわかる」ー

          amazon どれだけ利用していますか? 個人的には急にamazonを利用するようになったというよりは、気がついたらよく利用するようになっていた、というような感覚でした。 はじめは本だけ買っていたのが、いつの間にか他の商品までamazonで買うようになったという具合です。 amazonに対してどのような感覚をお持ちでしょうか? 他のサービスはほとんど利用したことはありませんが、ニュースや書店でその名前を目にする機会が増大すると同時に、自分の生活にもかなり浸透しています。

          amazonは社会の仕組みをどう変えるか?ー成毛眞「amazon 世界最先端の戦略がわかる」ー

          GAFAは何を掴んできたか?ースコット・ギャロウェイ「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」ー

          Google, Apple, Facebook, amazon 日常的にどれだけこれらの企業のサービスと関わっていますか? 自分もそうですが、関わりがない、といったことはまずないと思います。 書店でこの本を見かけたとき、 どんな企業で、どのように利益を挙げているのか?日常に浸透しているにもかかわらず、意外と知らないな、と感じました。 もちろん、それらの企業のサービスは知っていますし、CEOや創業者の名前は耳にします。 しかし、そのサービスの裏でどのように利益を得ているのか

          GAFAは何を掴んできたか?ースコット・ギャロウェイ「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」ー

          脱炭素社会・グリーン経済への可能性ージェレミー・リフキン「グローバル・グリーン・ニューディール」ー

          気候変動への影響を受けて、脱炭素社会への転換が必要だとされています。 しかし、太陽光や風力といった再生可能エネルギーへの転換が実際どこまで現実味があるのか、疑問は多いと思います。 この本はそんな疑問に対する可能性を示してくれる本です。 著者の伝えたいこと市民や投資家の気候変動への危機感の高まり アメリカ政府は2016年のパリ協定を離脱し、気候変動対策へは消極的でした。しかし、そのアメリカでも、2018年の意識調査では73%が温暖化が実際に起きていると答えるとともに、ここで紹

          脱炭素社会・グリーン経済への可能性ージェレミー・リフキン「グローバル・グリーン・ニューディール」ー

          地域課題解決へのツールー筧裕介「持続可能な地域のつくり方ーー未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン」ー

          一言でいえば、SGDsの考え方にもとづいて、地域における課題を解決するための方法論を示した本です。 この本で学んだ主な3つのこととその内容を下のようにまとめました。 SDGsの基本的な知識SDGs(Sustainable Development Goals)とは? 2015年の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」、日本語では「持続可能な開発目標」 5つの基礎知識 1. 途上国から先進国まで全世界、全地域共通の目標 2.

          地域課題解決へのツールー筧裕介「持続可能な地域のつくり方ーー未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン」ー