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2022年1月の記事一覧
雑記 294 梢を渡る冬の風
朝から風が強く、僅かな隙間を吹き通る風が
「ヒュー ヒュー」
と音を立てていた。
時に風の音は高くなり、また、弱まり、時に口笛を吹くように、時に悲しげな旋律に聞こえる。
外に出ると、空の高いところの梢を吹き渡る風が、
遠い彼方からゴウゴウと音を立てていた。
木立の高いところで枝枝が風に揺らいで擦れ、
遠くから近くに、近くから遠くへ、と
壮大な音の連鎖が空に響き渡って、
強くなり弱くなり、呼吸
雑記 290 雪空、雪晴、雪明
千代田区神田神保町に仕事場があった。
帰り道、お茶の水駅に向かう道のあちこちに古書店があり、店先に文庫本や雑誌などが二束三文の値段で売られていた。
後に仕事場が水道橋駅前に移ってしまったので、神保町に通ったのは3年ほどであった。
仕事の帰り道、つい面白そうな本はないかと古本屋を覗いて、
こんな値段で叩き売られるのは、本がかわいそう、と思ったりして買うので、家はどんどん古本で溢れていった。
ほどほ