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大学は遊ぶ場所だと決めたのは誰だ

「大学は遊ぶところ」

誰しも一度は聞いたことのあるフレーズではないでしょうか。

そして、「大学=遊ぶところ」だと刷り込まれてしまった学生はどれぐらいいるのでしょう。

僕もその中の一人です(笑)

「大学は遊ぶところ」というフレーズを間に受けて、大学4年間の多くの時間を「遊び」と「睡眠」に使ってしまいました。

もちろん、僕が誘惑に負けてしまったのは自分のせいです。

しかし、日本全体で考えた時、「大学は遊ぶところ」というフレーズは、日本の国力を下げたといっても大袈裟ではないと思っています。

そんなフレーズを、次世代へそのまま引き継ぐわけにはいきません。

今日は、「大学は遊ぶところ」の功罪、そして大学は遊ぶところではなく何をするところなのか考えていきます。

「大学は遊ぶところ」の功罪

日本の大学は、海外と比べて入るのは難しいが出るのは簡単だとよく言われます。

「大学は遊ぶところ」という言葉がいつ生まれたのかは定かではないですが、こうした日本の大学事情から生まれた言葉なのではないかと思っています。

では、このたった11文字の言葉は、多くの学生にどんな影響を与えたのでしょうか。

■ 辛い受験勉強を乗り切る魔法のコトバ

「大学は遊ぶところ」という言葉、実際どこから聞くのでしょうか。

意外ではありますが、この言葉、親から聞く機会が多いと思っています。

日本の大学受験は非常に厳しいです。

高校3年生にでもなれば、学校、塾、家など様々な場所で、1日の睡眠以外の時間を勉強に費やす学生がたくさんいます。

とはいえ、1年間もの間、「大学に合格する」という目標だけに向かって努力し続けるのは正直難しいです。

そんな時支えになるのが、「大学は遊ぶところ」という魔法のコトバです。

そして、そんな魔法のコトバをかけるのが、両親だったり塾の先生だったりします。

こんなに頑張ってるから大学生になったら羽を伸ばして欲しい
やる気を出してもらうために、大学はいいところだと伝えたい

そんな気持ちから、このフレーズを子どもに伝えれば、「今頑張れば、大学になったらたくさん遊べるぞ」
無事、受験へのやる気を取り戻すことができます。

まさに魔法のようなフレーズです。

しかし、どんな魔法にも副作用があります。

この魔法をかけられて受験勉強を乗り越えた子どもたちは、大学に入る目標が「遊ぶこと」にすり替えられてしまいます。

受験勉強は頑張れるが、頑張った反動で遊んでしまう。

「大学は遊ぶところ」というフレーズは麻薬なのです。

■ 大人数が「大学=遊ぶ」という先入観を持って入学

「大学は遊ぶところ」というキャッチーなフレーズにより、多くの学生は「大学=遊ぶ」という期待感を持って入学します。

もちろん、大学になっても「勉強しよう」「何かを頑張ろう」という志を持って入学する学生もいるでしょう。

しかし、人は周りに左右されやすいです。

最初は頑張ろうと思っていても、「大学=遊ぶ」と考えている学生が多ければ、頑張ろうとする自分が間違っているように感じてしまいます。

その結果、頑張ろうとしていた学生までもが、遊ぶ方向へ引きずり込まれてしまうのです。

大多数に「大学=遊ぶ」という先入観をもたらし
「遊ぶこと」を正解にしてしまう。

この言葉が生んだ罪は計り知れません。

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■ 遊ぶための「バイト」

さて、こうやって多くの大学生が遊ぶことに時間を費やすのですが、大学生の時間を奪うもう一つの要因があります。

「アルバイト」です。

文科省が2019年に実施した調査によると、半数以上の学生が、授業への出席時間よりもバイトをする時間の方が多いようです。

もちろん、学費を稼ぐためだったり、留学するためのお金を稼ぐためにバイトしている学生もいます。

しかし、多くの学生は遊ぶためにバイトをします。

バイトから学ぶことも多いですし、社会人になる前に働く経験をすることも必要でしょう。

でも、遊ぶために大学に入って、遊ぶためにバイトをしていれば、大学時代が「遊ぶこと」と「遊ぶためのバイト」埋め尽くされてしまいます。

「大学は遊ぶところ」というフレーズに影響を受けた大学生が、遊ぶためにバイトをして、多くの時間を「遊び」と「バイト」に奪われてしまう。

この言葉は、大学生の貴重な時間を奪ったのです。

大学は何をするところなのか

大学は何をするところなのでしょうか。

そんなのは「勉強するところ」
とは一概には言えません。

大学で学ぶ内容は非常に専門的であり、全員が全員、そこで学んだ内容を必要とするわけではないからです。

では、大学とは何をするところなのか。

それは、「自分のやりたいことに熱中するところ」だと僕は思います。

大学の特徴を1つあげるとすれば「自由」です。

どんな授業を、いつ受けるのか
どんな部活、サークルに入るのか入らないのか
どんなバイトをするのか
自由な時間に何をするのか

大学生には無数の選択肢が与えられており、時間的な自由があります。

この「自由」は、大学生だけに与えられた特権です。

社会人になったら自由がなくなるから、大学生の時に遊んだ方がいい

こういった意見をよく聞きますが、正直なところ社会人になっても充分遊べます。なぜならお金があるからです。

大学生は、自由な時間はありますが、お金がありません。

そのため、遊ぼうと思ったら自由な時間を犠牲に、バイトに費やさなければならないのです。

遊ぶことは社会人になってもできるが、自由な時間は大学生しかない

そして、自由な時間の使い道は、遊びだけではありません。

勉強、研究、部活、サークル、留学、起業など自由な時間を費やす選択肢はたくさんあるのです。

つまり、この自由な時間を使って、誰にも邪魔されずに自分のやりたいことに熱中できるのが大学時代なのです。

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そう考えると、何も考えずに「自由な時間」を「遊ぶこと」に費やすことってもったいなくないですか?

もちろん、社会人になってから、働きながらでも、自分のやりたいことに熱中したり、勉強したりすることはできます。

でも正直、時間は限られますし、やれることの選択肢は限られます。

僕も本当は、自分の力でお金を稼ぐ経験をしてみたいですが、公務員という立場上それはできません。

大学生のうちにやっておけばよかったと後悔しています。

大学は自由で遊べるところです。

しかし、「大学=遊ぶところ」と決めつけてしまえば、逆に大学は自由ではなくなってしまいます。

「大学は自由なところ」
「自由な時間でやりたいことに熱中するところ」

「大学は遊ぶところ」という言葉がなくなり、本当の意味で大学ライフを楽しめる時が来ることを僕は祈っています。

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さて、本日は「大学は遊ぶところ」という言葉をテーマに、大学時代の意義について考えてきました。

正直、僕自身が大学生で遊びきったので、遊びたいという大学生の気持ちは非常にわかります。

しかし、今となって「ああすればよかった」と後悔しても、自由な大学時代は帰ってきません。

遊ぶとしても、限られた自由な時間で自分が何をしたいのか真剣に考えたうえで、思いっきり遊んでください。

大学4年間は長いようで短いです。
そして思ったよりも、頑張った人と頑張らなかった人の差がつく期間です。

後悔のない大学生活を送れることを祈っております!

本日も最後までありがとうございました。

もし良ければスキ&フォロワーになって、これからも繋がっていただけると嬉しいです!

【自分にとって大切なことを考えた話】