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完璧な夫婦生活を壊した真犯人は?ラストまで読者を悩ませる完璧な心理スリラー

MarissaとMathew Bishopは周囲の誰もが羨む「ゴールデン・カップル」です。夫妻共に見た目が良く、互いにビジネスを成功させていて、まさに”理想の夫婦”に見えていましたが、ある日Marissaはその結婚を自ら壊しにかかり、直ぐに後悔します。

崩壊してしまった結婚生活をどうにか取り戻そうと、Marissaはコンサルタントをしている元セラピストAveryを雇います。Averyはあることが原因で5年前にセラピストのライセンスを剥奪されているのですが、彼女が行う「10セッション・プログラム」は人生を変える力がある、と定評がありました。

セッション1「The confession 」「告白」を受けにきたBishop 夫妻の緊張を和らげようと、Averyは並々注いだテキーラのショットをオファー。キッカケを掴んだMarissaがMathew にした「告白」は「ジムで知り合った男性と寝てしまった」という、Averyにしてみれば、あまりにもありふれた夫婦間の問題でしたが、その「告白」を聞いたMathewの表情にAvery は違和感を覚えます。

全てのカップルや夫婦は秘密を持っている。「ゴールデン・カップル」Bishop 夫妻も例外ではありませんでした。

「ゴールデン・カップル」の妻は何故浮気したのか?Marissaが浮気した”謎の”ジムの男は誰なのか?Avery は何故セラピストのライセンスを剥奪されたのか?Avery が感じたMathewに対する違和感の正体は?…と読み進めるうちに、知っていると思っていたことが間違いだと気付かされ、更には新たな疑問が生まれ、登場人物全員が疑わしくなります。

一見何の関係もなさそうな過去の殺人事件を回想するシーンがツイストしてくる後半。ページをめくる手が止まらず、一気に読み切ってしまいました。

本書はGreer HendricksとSarah Pekkanenという2人の女性作家の作品で、全米ベストセラー入したデビュー作「The wife between us」を読んでから、新作が出版される度に必ず購入してしまうほど大好きなペアなのですが、本書も「さすがです!!」の一言に尽きるほど完成度の高い心理スリラーでした。

アメリカで問題視されている抗不安薬「Xanax 」をMarissaが何度も服用するシーンがあったり、自分の正義を貫きライセンスを剥奪されてもセラピストを続けるAveryの仕事に対する情熱など、心理スリラーとして犯人がわかった後に、背後にある社会課題や法律の壁に対する問題提起を残して終わる部分もあり、心理スリラーという形で社会問題に触れられるのがとても良かったです。

とはいえ、スリラーは読み始めるとやめられなくなる、その疾走感が最高なわけで、毎回とまらなくなるスリラーを書くこのペアの次作に今から期待しています。

面白かった!!


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