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本の棚 #227 『とにかく仕組み化〜人の上に立ち続けるための思考法〜』



「あなたがいないと困る」
この言葉は麻薬だ

こんなスタートから綴られる一冊。

その瞬間は感動し、涙するかもしれない。

しかし時間が経つにつれて

「ほんとうにそうなんだろうか」

という思いがまた生まれてきて

同じことを言ってもらえると安心し

言ってもらえないと組織を去っていく。

そんなつもりで言っていないことが

そんな麻薬的な症状を生んでしまう。

よい組織をつくっていくための指南書として

客観的に自分が属する組織を見つめ直したい

そんな人におすすめの本になりそうだ。

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一人一人が何に集中するのか。
どういう改善に取り組むのか。
その差が積み重なって、ビジネスはうまくいきます。

迷ったり、戸惑ったり、散漫になったり。

そんな積み重ねが組織として

大きなマイナスを生み出してしまう。

組織のボトルネックに集中して

そこに合わせてリソースと投下する

仕組みを変更することで

飛躍的に成果が伸びることがある。


「歯車になること」の力に気づき、いったん受け入れた人から、成長ははじまります。

組織の歯車になるのは嫌だ。

そんな意見があるとしたら

人はどこまでいっても社会の歯車の一部だ。

事実をどう受け止めて自分の成長の糧とするか。

歯車を否定するのではなく

そのなかでのメリットを認識して

最大活用するほうがよいだろう。

「仕組み化」というのは、「ルールを決めて、ちゃんと運営する」ということ

いたってシンプルな説明だ。

ルールがなく、評価も曖昧である場合に

仕組み化ができていないと言える。

ルールについては、安藤氏曰く

「性弱説を前提に考えたほうがいい」

人は弱いから楽をしたくなる

より自然な方向へ流れていく。

この思想のもとにルール設計すること。

また圧倒的多数である「できない人」合わせて

仕組みを作り、全員を活かしたほうがいい。


「優秀な人が不在でも、チームとして機能することで勝てる組織」それが、優秀な組織です。

「組織は放っておくと属人化していく」

一人の人が長く同じ業務を続けることは

属人化の原因になりうる。

その状態を放置することは

中長期的視点で考えると危険だ。


人の上に立つなら、主語は絶対に「私」であるべきです。

「社長が〇〇と言っている」

「会社としては〇〇だ」

つい言ってしまうこのフレーズ。

人の上に立つなら主語を変えることから始める。


「仕事で求められる基準は高い」
「中途半端な仕事では評価してくれない」
「フィードバックが的確で反省する」
そういう人が、本質的な「怖い人」です。

感情的にただ怒るだけの恐怖

人格否定のように心を傷つける恐怖

それは真に怖い人ではない。

それらは弱い人だと、ぼくは考えている。

本質的に怖い人からの学びは

そのときは気づきにくいようにも感じる。

あとで遅れて気づくことが多い。

だから本質的に怖い人だと思える人が

近くにいるならば、積極的に接して

鍛えまくってもらうことをおすすめする。


「ゆるいブラック企業」
成長できないことへの不安

はじめて聞いたブラック企業の種類。

いや、でも間違いなくある。

そうなりつつある企業もたくさん…

世代、時代を言い訳にして

みんなが牽制しあっているこの隙に

成長する企業はおかまいなしに

ごりごり成長していく。

成長実感、進んでいる感がある企業は

世の中が不況であっても

粘り強く生き残り続けるだろう。

一歩一歩、階段をあがるときの絶妙な「負荷」を与え続ける

成長する仕組みをつくるときに

大切なことは絶妙な課題設定だと

ぼくは考えている。

いきなり10メートルの壁を登りなさいと

言われたところで一歩も踏み出せない。

しかし階段があったらどうだろうか?

一歩ずつ登っていくのではないか?

その一段一段を設計している組織が

成長の仕組みをもつ組織だと思う。

御社には人が育つ仕組みがありますか?

あと3ヶ月で、この質問に対して

YES!と答えられるようにする。


いまの世の中は、多くの人が「成長を諦めている状態」

自分の人生に対してあたかも他人事かのように

「この先どうなるんだろう」

という不安を口にする。

どうにもならない。ただこの国では

生きていける(生存できる)と思う。

生存したいのか、活きたいのか

どちらも悪くない。

ただどちらを選択するかくらいは

自分の責任において

だれにも文句を言わずに決めたい。

ぼくはマサラタウンでポッポとコラッタを

ひたすら倒しながら

微微たる経験値でレベルアップするよりも

ぎりぎりのラインで四天王にチャレンジして

カイリュウのはかいこうせんに打ちのめされるほうが

なんだか自分にとっては良い人生な気がしている。

自分の成長に期待して、チャレンジする人に

追い風がふいているようにも感じる現代。


感情を受け入れたうえで、どう振る舞うか、どう演じるかが大事

感情を完全に排除するかのように

誤解されがちな識学ではあるが…

安藤氏は、感情はどうしても残るとした上で

それでもマネジメントの判断は

感情にゆさぶられないルール、基準が

必要だという。

一時的な感情的判断によって

その場では落ち着いたとしても

長い目で見たときに結果として

感情の軋轢を生み出す。

その繰り返しを避けなければ

健全な組織運営はできないようだ。

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