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本の棚 #245 『企業文化をデザインする』

「御社の企業文化は見えにくい」

以前こんな指摘を頂いたことがある。

そのときは正直意味がわからなかった…

今になってみると

「企業文化が薄まっている」

という意味に聞こえてくる。

少しずつ会社が大きくなるなかで

秘伝のタレが薄くならぬように

継ぎ足し継ぎ足し…

文化を継承していくにはどうすればいいのか。

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Culture eats strategy for breakfast.
(企業文化は戦略を凌駕する)

これはドラッカーのことばである。

カルチャーの上に戦略がある。

カルチャーを無視した戦略は

うまくいかないどころか、反発が起こる。

ゆえにまずは企業文化の理解。

そしてそれを浸透させていく。


企業が成長することで、企業のメインカルチャーとサブカルチャーが必ず発生する。(中略)「AND思考」で考えながらデザインするべき

部署がわかれ、課がわかれ…

そのたびにサブカルチャーが発生する。

これを「or思考」でどちらか選ぶのではなく

「AND思考」で合わせながら設計する。

どっちが正しい、どっちが上だ、なんて

対峙していても企業という一つの生命体の中の話でしかない。

左足が前に進んでも、右足が後ろに退いたら

前に進むどころかただ横を向くだけだ。


組織作りにおいてダイバーシティは大事、それはバックグラウンドや年齢に関して。ただし、コアバリューに関してダイバーシティは必要ない。

ダイバーシティ=多様性は否定しない。

しかし企業のコアバリューは

所属するものであれば共通理解が必要なところ。

そこのダイバーシティを認めると

組織という生命体は長くは生存できない。

真逆の価値観が内包される組織

サンジとゾロはそう見えるかもしれないが

実は女性に対しては死んでも手を出さない

という価値観は持っているし

ルフィを海賊王にするんだという

強烈な共通目標がある。

「すべては人で始まり、人によって成長し、人で終わる」という徹底した「ピープルファースト」の経営姿勢

これがリクルート式だそうだ。

つまりは「言行一致」で

言ってることとやってることが合ってる。

当たり前のようなことだけど

これがなかなかに難しいのだ。

サイバーエージェントにとってコミュニケーションは「コスト」ではなく「投資」

この考え方は好きだ。

「コミュニケーションコストが…」

イキってこんな発言をしたくなるものだが

それは意味のある投資であったりする。


 レアル・マドリードには「カンテラ」と呼ばれる育成機関が存在します

スポーツの世界にもカルチャーを教育する機関がある。

下部組織のなかにこの機能を持つレアル・マドリードは

レギュラーメンバーの7割ほどが

この機関出身者だという。

スポーツ界でもカルチャーが戦略を凌駕する。


企業カルチャーは作るものではなく、基本的には「すでにあるもの」

すでにある。

どこに。

目に見えない、見える気がしない。

けど感じるはずだ。

一人ひとりの行動、姿勢、ことばの集合体が

カルチャーなんだから。

それを言語化できるかどうか。


あなたの会社のカルチャーを最も体現している人を、1人だけ選ぶとしたら誰ですか?

まぁまず創業社長がイメージとして浮かぶ。

それ以外はだれなんだ?

ここでだれもいないみたいになったら

カルチャーの伝承者がいないわけだから

薄まっていく一方だよね、という話。

カルチャーのミスマッチは、人体にたとえるならば、輸血作業における血液型のミスマッチと同じくらい危険

採用の中でできるだけ起こしたくないのが

そう、ミスマッチ。

輸血における血液型間違いは

それはなんかやばい感じはする。

ミスマッチを避けるためには

まず自社のカルチャーを深く理解すること

そして相手のカルチャー、価値観を

限られた時間の中で感じ取ること。

この差分が小さいと判断したならば

一緒に働こうよ!となるわけだ。

功ある者には禄を、徳ある者には官職を

逆はいかん、逆は。

成果をあげたものを単に官職を与えると

カルチャーの不具合による負の電波を

あっという間に組織に伝えてしまうことになる。

徳をつむ、器を大きくすることに励む人に

官職を与えることで

組織としてまた一段成長していく。

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#組織論 #人事 #価値観

#冨田憲二

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