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ROLLING ON THE ROAD〜僕が見た東京〜

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#小沢健二

僕の体験した東京の90年代 第12回 小沢健二 ファンタスティカ

僕の体験した東京の90年代 第12回 小沢健二 ファンタスティカ

デビューシングル「天気読み」のリリースに向けて、フリー・コンサート後の宣伝効果に今一つ納得が出来なかった僕は、その夜の写真を使用した全面広告を朝日新聞に、と東芝EMIの宣伝部長に直訴した!
オリジナル・ラヴを辞める、と伝えたあの宣伝部長に、1年後には違うアーティストで全面広告を打ってくれ、と。いやあ、甚だ失礼だったと思う。

折角広告を出して頂いたので、自分なりになにか新鮮な恩返しは出来ないだろう

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僕の体験した東京の90年代 第11回 小沢健二 フリー・コンサート@日比谷野外音楽堂

僕の体験した東京の90年代 第11回 小沢健二 フリー・コンサート@日比谷野外音楽堂

当日は一体何人くらい日比谷野外音楽堂を目指したのだろうか?

日比谷公園の規則もあり、徹夜で並ぶのは厳禁。
告知をして、3日前からスタッフが夜回りをし、その度にお帰り頂いた。

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僕の体験した東京の90年代 第10回 小沢健二、高橋恭司との出会い、フリー・コンサート前夜

僕の体験した東京の90年代 第10回 小沢健二、高橋恭司との出会い、フリー・コンサート前夜

アーティスト写真を作成するにあたり、カメラマンを誰にしようか?
と悩んでいたある日、小沢君から、Joel Meyerowitz(ジョエル・マイロウィッツ)のような写真を撮る人はいないかな?とアイデアを受ける。
この感じいいんだよね!と「A Summer’s Day」の写真集を見せてもらった。

すごくいい!僕にとっても初めて見る色彩だった。
今でもマイロウィッツは好きな写真家で、インスタもフォロー

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僕の体験した東京の90年代 第9回 ネオアコ、él レーベル、そしてロリポップ・ソニックとの出会い。

僕の体験した東京の90年代 第9回 ネオアコ、él レーベル、そしてロリポップ・ソニックとの出会い。

話は少し80年代に戻る。

1982年にCherry Red Records(チェリー・レッド・レコード)よりリリースされた、いまでも語り継がれる名作コンピレーション・アルバム、「PILLOWS & PRAYERS 」からは多くの刺激を受けた。そういう音楽ファンは他にも多いと思う。

同じ年にLes Disques Du Crépuscule(クレプスキュール)からはThe Pale Founta

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僕の体験した東京の90年代 第8回 小沢健二 日比谷野外音楽堂への想い

僕の体験した東京の90年代 第8回 小沢健二 日比谷野外音楽堂への想い

小沢健二のマネージメントをすることになった僕だが、
オリジナル・ラヴの時のように全てプロデュースすることはなかった。
もちろん様々なアイデアは出したけれど。

天気読みのデモ、そしてレコード会社との契約、早速アルバムのレコーディングに入っていた。

小沢健二デビューにあたり、フリッパーズ・ギター時代を知る多くのファン、更なる音楽ファンに、なにが新鮮に映るかを考えていた日々だった。

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僕の体験した東京の90年代 第7回 小沢健二

僕の体験した東京の90年代 第7回 小沢健二

富ヶ谷にあった僕の事務所は地下にあって、ちょっとした異空間だった。
初めての自分だけの場所。

それは幼少期から作っていた「基地」だったかもしれない。
「宇宙」をテーマに。

デスク・スペースには銀色の鉄板がテーブル代わりに。
そこに60年代に実際に使用されていた電話、とアクリルで出来た椅子。
そこに僕が東急ハンズで毎日のように買ってきたホワイト、ピンク、ブルーの風船が膝丈くらいまでに。
それをか

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