僕の体験した東京の90年代 第7回 小沢健二
富ヶ谷にあった僕の事務所は地下にあって、ちょっとした異空間だった。
初めての自分だけの場所。
それは幼少期から作っていた「基地」だったかもしれない。
「宇宙」をテーマに。
デスク・スペースには銀色の鉄板がテーブル代わりに。
そこに60年代に実際に使用されていた電話、とアクリルで出来た椅子。
そこに僕が東急ハンズで毎日のように買ってきたホワイト、ピンク、ブルーの風船が膝丈くらいまでに。
それをかき分けないと電話すら取れない。
またもう一つの打ち合わせスペースには巨大な宇宙のポスターが。
その星を一つずつを蛍光ぺンで塗り、ブラックライトで照らしていた。
扉にはP-Funkのポスター。
ちなみにブラックライトはオリジナル・ラヴ「Love!.Love!&Love!」のアルバム・ジャケットで使用したものだ。
毎週木曜日の夜12時には事務所がバースタイルに。色んな知り合いがふらっと来ては語らい、飲んでいった。
だいたいは朝方に僕が「矢沢永吉ヒストリー」のビデオを見ながら語り倒して終わるのだけれど。
コロナ禍の現在では難しいけど、思えば30年近く、店や事務所、時にはライブ・ハウスで「HOME PARTY」をしていたのか。
実際、その頃から今でもパーティに参加している友人も少なくない。
そこに小沢健二君もよく来ていた。
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