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現役マーケティングコンサルタントのつぶやき_顧客を縛るデメリット

短期的に儲かる手法は、長期的にはデメリットでしかありません。

通販会社のコンサルティング案件が多いのですが、そこで、よく問題になることを紹介します。

サプリや化粧品など、継続的に使用することを前提としている商品の場合は、定期コースを設定しています。

通販会社の場合は、広告費が一番大きな経費です。
安い価格のサンプル品などを広告で販売していますが、サンプル品を買ってもらっても、広告費がペイできません。

その時点では赤字なのです。
なので、サンプル品を購入した顧客は、見込み客となります。

見込み客を定期コースに誘導することで、継続的な収入を得られるようになります。
そこで、初めて黒字化できるのです。

定期商品を購入されても、すぐに継続を停止されてしまっては経営的に厳しい状況になります。

なので、初めから3回以上継続することを条件に、最初の1回目の購入価格をかなり下げた価格を提示します。
例えば、通常価格の半額などに設定をします。

これを「回数縛り」もしくは単に「縛り」と言います。
一時話題になった青汁王子などは、この手法で大儲けしました。

私の立場としては、「縛り」に関しては、反対です。
もちろん一時的には、収入が増えて良いかと思います。

しかし、長い目で見たら、ビジネスを末長く育てていきたいと思っていたら、デメリットになります。

つまり、ロイヤルカスタマーが生まれにくい状況になります。

ロイヤルカスタマーはいわゆるファン客です。
ファン客をたくさん抱えることで、LTV(ライフタイムバリュー)が高くなり、結果的に広告費を下げても利益が増える構造になります。

縛りは顧客を縛ることで、顧客からの不信感を高める可能性があります。

つまり、継続購入を辞めたくても、辞められない状況になります。
これで、顧客との良好な関係性が生まれるでしょうか?

縛りの手法を導入することは、短期ビジネスには良いと思います。
しかし、それは言い換えると「売り逃げ」なのです。

本当に、それでいいのでしょうか?
誇りを持って、そして、顧客のために始めたビジネスであれば私の意見に賛同していただけると思います。

ちなみに、私もかつては縛りの販売をテスト的にやってみたことがあります。
その結果を踏まえての私の意見です。

簡単に私が行った縛り販売についてご紹介します。
通常の半額で3回縛りの定期購入商品を販売しました。

多くの顧客を獲得できました。
しかし、2回目の商品の発送しても、受取辞退で商品が返品されるケースが多くなりました。
お客様に電話で伺うと「注文していない。」とのこと。
「3回購入を条件で買っていただきました。」と反論すると、
「そんなことは聞いていない。」とこと。このようなお客様が多数ありました。

このお客様達はもう、戻ってくることはないでしょう。


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