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フェミニスト先進国でレイプ犯が続々と無罪になる理由

女性が生きづらいフェミニスト先進国

フェミニスト先進国スウェーデンでは女性が安心して暮らせない、という話を以前ブログで書きました。


かいつまんで言うと、警察力の及ばない無法地帯(= vulnerable area or no-go zone)が無数にあり犯罪者集団が跋扈し住民が報復を恐れて通報をためらうようなスウェーデンでは、普通の暴力的な強姦(真性レイプ)の多くは暗数になり、夫婦やカップル間の痴話喧嘩(解釈レイプ)ばかりがカウントされているのではないか、というお話でした。

また、そのブログには書きませんでしたが、近年のスウェーデンではレイプより何倍も女性差別的な "名誉殺人" が問題になっています。家父長の言うことを聞かない婦女子がアパートのベランダから突き落とされて殺されてしまうという悲惨極まりないものですが、自殺や事故として処理されています。
フェミニスト先進国って、本当に生きづらいですね。


犯罪統計を誤魔化していると曰くつきの役所 BRÅ

しかしながら、「スウェーデンではレイプの定義や数え方が違うのだ!」 という屁理屈を盾にドヤ顔する人がチラホラ見受けられ、嘆かわしい限りです。


この屁理屈を率先して吹聴しているのは、実は防犯局(Brottsförebyggande rådet = BRÅ)という歴としたスウェーデンの政府機関です。上述のブログにも書きましたが、"妻が夫に一年間レイプされたとしたら我々はそれを365件と数える" (だからうちらはレイプに厳しいのやで、ドヤ!)と笑える弁明をしていた組織ですね。

実はこのBRÅは、政治家や政治団体から圧力を受けて犯罪統計を誤魔化しているともっぱらの評判で、つい先日も "政治家の言いなりになっている"、と大手紙に指摘されていました。


*犯罪統計を誤魔化していると評判の BRÅ を風刺する漫画1


*犯罪統計を誤魔化していると評判の BRÅ を風刺する漫画2


そもそも、レイプの定義や数え方が違うというなら、 定義や数え方を統一した統計を出せばいいのです。そして、"警察力の及ばない地域が多数あるので表に出ないレイプの暗数が多くある"、と正直に報告するべきなのですが、BRÅ はそういうことをしません。
内外の圧力や批判にアップアップしているので、そんな余裕はないのです。だから、"定義が違う、数え方が違う"、と見当違いのことを繰り返して、"BRÅ はちゃんと仕事してるのね、正義の味方なのね"、と世間が勘違いしてくれるのを期待するしかないのです。

漫画になっていることからも判る通り、現地の人は BRÅ の言うことを眉に唾をつけながら聞いています。そんな役所の苦し紛れの言い訳を、遠い極東にいる日本人が印籠のように振りかざしてドヤ顔することが、いかに愚かでトンマなことかよく考えていただきたいですね。

それより、このフェミニスト先進国では普通の強姦被害者が泣き寝入りし、ベランダから突き落とされた女性が自殺として処理される一方で、警察は痴話喧嘩の捜査で夫婦の寝室を嗅ぎ回っている、というドタバタ悲喜劇を直視するべきではないでしょうか。


セクソムニア(睡眠時性的行動症)という病

これまで、スウェーデンではレイプ犯がちゃんと逮捕されているのか?、野放しになっているのではないか?、ということについて語ってきましたが、実は検挙された後の裁判でも大きな問題が発生していたので紹介します。

近年、精神医学界でセクソムニア(= Sexsomnia、Sleep Sex、睡眠時性的行動症)という病気の存在が指摘されています。いわば夢遊病のような睡眠障害の一種で、寝ている間に自慰、性交、レイプ等の性的行為をしてしまい、目が覚めた後で本人はまったく覚えていない、という恐ろしい病気です。
スウェーデンでは、以下の例のように、「寝てたから覚えてない」と証言したレイプ容疑者が、この病気に罹っていると見做されて無罪になるケースが2014年頃から見られるようになりました。


2014年4月、女性をレイプした容疑で逮捕されたスウェーデンの男性が、"レイプの最中寝ていて覚えていない"、と控訴審で証言し、セクソムニアと判断され無罪に。

セクソムニアで無罪となった裁判の全てが報道されてるわけではないと思いますが、私が見つけることができた中で一番古いのが上記の記事です。


また、2016年3月には、スウェーデン中央部?で未成年の少女が妊娠していることが発覚、DNA検査をしたところ同居している50代の男性が父親だということが判ったため、未成年者と性的交渉したとして逮捕されました。しかし、被告はまったく覚えていないと主張し、少女の方も "行為の最中彼は寝ていた"、と証言したため、結局無罪に。

(この事件は、"この家族どうなってんだ?"、という困惑を禁じ得ませんが、話がそれるので深入りしません)


被告が裁判でセクソムニアを主張するケースがスウェーデンでどのくらいあるのかというと、報道によってまちまちです。
ラジオ・スウェーデンは2016年11月に、そのようなケースは過去6年間で18件あり、うち10件で無罪になった、と報じています。また、ヨーテボリ・ポスト紙は、2017年以降30件あり、うち7件で無罪になった、という数字をだしています。


「寝てたから覚えてない」がレイプ裁判でトレンドに

"寝てたから覚えてない"、という訴えがレイプ裁判でいくつも出てくるようになったため、2016年5月、スウェーデン、ヨーテボリの検察はそのような証言に対応するためのガイドラインを策定しました。

そのガイドラインでは、特に注意を払う点として、原告は事件当時被告をどのように見ていたか、被告が行為の最中混乱していたか、また、行為を明確に意識していたか等を挙げ、必要なときは睡眠の専門家を呼ぶことを提唱しています。

一方で、この疾病によってレイプ犯が無罪になってしまうことを批判する人達ももちろんいます。
以下の記事は、セクソムニアを主張することがレイプの裁判で "トレンド"になっていると嘆いており、無罪になった被告たちがセクソムニアに罹っていたとは思えない、という主旨のアメリカの専門家の批判的な意見を載せています。

このような批判があるにも関わらず、その後も被告が セクソムニア を主張するケースは絶えることがなく、以下のように無罪になるケースが出ています。

2020年11月、11歳の少女を強姦した28歳の男が、"全ては寝ている間に起った"、と証言して無罪に。


また、2021年5月、一度レイプ罪で有罪になった被告がやはりセクソムニアを認められ判決が覆りました。


このように、セクソムニアは、巷の批判にも関わらず、未だに弁護側主張のトレンドになっていると思われます。


ポンコツ・サイエンスに振り回される北欧

スウェーデンはフェミニスト先進国として名高く、数年前にも同意のない性交をレイプとみなす、と法律を改正して大きく報道されました。しかし、実際は、レイプが野放しになっているだけでなく、逮捕された後もこんな抜け道が用意されているとは、ビックリですね。
「アンタ昨晩アタシと寝たけど、同意してないで!」と妻に訴えられたら、「寝てたから覚えてないねん」と言えばいいわけですから、まるで夫婦漫才のボケとツッコミを聞いているようで、思わず苦笑してしまいます。

"あきらめ症候群" のときも、ノルウェーの児童保護問題のときも精神医学や心理学がトラブルの素になっていましたが、北欧諸国は心理学や精神医学などの未熟な科学を簡単に受入れてしまう傾向があります。宗教を信じなくなった代わりに、ポンコツ・サイエンスに振り回されていると感じざるを得ません。



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