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農家の平均年齢から考える若者が就農しない理由とは


こんにちは。


今日は少し堅い内容ですが、農業の未来について少しだけ書いていこうと思います。


現在、日本で従事している農家さんは全国で約130万人いると言われており、その平均年齢は67歳(2021年の統計)となっています。

この数字は他の産業ではちょっと考えられない数字ですし、2021年の統計なので、現在では平均年齢もさらに上昇しているかもしれません。

会社員の定年退職年齢は60歳から65歳へと徐々に移行しつつありますが、会社員に比べると、農業という仕事を60歳から70歳、75歳と当たり前のように続けていくのは年齢的にも少しハードな面があるのかなと思います。

たとえば、他業種でいうとIT業界の平均年齢は30歳。
物流業界は40歳。


そして、農家さんと同じジャンルにあたる個人事業主の平均年齢も男女平均で45歳となっています。

自分自身で農家という仕事を選択している事実

「農家は自分自身が好きでこの仕事(農業)をしているのだからしょがないじゃないか」という声を聞くことがあります。


確かに、一理あるのは理解できます。

数ある仕事の中から、その仕事を選んでいるのは彼ら自身でもあるからです。

会社員なら定年制度があって退職金も貰い、その後の再就職も失業保険をもらいながら余裕を持ってすることが可能なので、農業を仕事にするということは、就農前からハードワークになることは目に見えているはずです。


とはいえ、「農家の平均年齢が高いということは、現職の農家さん以外の若い人材が入ってこない」ということになってしまうので、それは別問題として捉える必要があるはずです。


他業種の平均年齢が30歳〜40歳というのは、定年間近の方だけでなく、新卒で入社してくる若い人もたくさんいるため、そこまで上昇することのない平均年齢の一定を保てているはずです。


農業人口の高齢化が進むワケ

前述したように、農業人口の高齢化は年々進んでいます。


そして、どこまで高齢化が進んでいるのかあくまでもデータに過ぎないので、統計上という数字だけでは本当の実態はわかりません。

「なぜ、農業従事者の高齢化が進むのか」という疑問を持ったとき、考えられることは僕は一つだと思っていて、それは"後継者がいない"ということ。


要するに、若者が仕事を選ぶうえで、"農業という仕事"を選ばないから必然的に高齢化が進むはずです。

僕もそうでしたが、高校を卒業後は大学へ行くかそのまま就職をするかのどちらか。あるいは、就職をするための専門知識を身につけるために専門学校へ通うか、この3択。

その中に、社会人経験が無い18歳の高校生が農業にチャレンジするという選択肢は99%出てこないといっても過言じゃないはずです。

世の中の仕事を知ろうとしない自分に非があるのはもちろんですが、大抵の場合、親や親族が農業を営んでいない限りその選択肢は見えてこないのが実情なのかなと思います。

日本は食料自給率が40%で、残りの60%は常に他国に依存している状況のため、ロシアとウクライナの戦争で物価高騰のダメージをかなり受けたと思います。

なので、進路選択に悩む18歳の高校生が興味を持つ、または魅力的な仕事を探しきれない社会人が興味を持てるほどのPR材料を盛り込み、後の食料自給率をアップさせることのできる取り組みをする必要があります。


若い人材が農業界に参入するためにやるべき課題

若い人材が農業界に参入するために本来やらなくてはならないのは、応募が殺到するぐらいの就農希望者を増やすこと。

「農業は儲かる」、「魅力的な仕事だ」と感じるためにはそれだけのPR材料が必要なわけです。

まずは、僕なりに現在の課題点をちょっとだけ下記にまとめてみました。

  1. そもそも農業界の情報が少ない

  2. 資金がない(蓄えがない)

  3. 厳しい労働条件

  4. 収入の不安定さ

  5. 地理的な制約


多くの課題の中から僕が考えるには、この5つを分解していくことだと思います。

一個ずつ分解していくと、


1.【情報が少ない】
→農業高校でない、または学校で自ら調べるでもしない限り、ほとんど無縁の世界。そして、自ら調べて自ら開拓できる人ではなく、(進路選択が明確なため)まだ何をしようか決まっていない潜在層に対してアプローチしていく必要がある。

2.【資金がない】
→いくら補助金や助成金をバックアップしているとはいえ、当然ながら自己資金0では不可能。若者にとって、初期費用の資金調達が最初の壁。

3.【厳しい労働条件】
→暑い日も寒い日も、早朝から夕方まで過酷な労働をするイメージなので、そのイメージを払拭するPRも必要。

4.【収入の不安定さ】
→台風や自然災害が来ると収入にダメージを与え、安定した収入作りができないため、または自信がないという観点から農業という仕事を知り得たとしても他業種に関心を持ってしまう。

5.【地理的な制約】
→都心に住み慣れた若者がいきなり田舎(農業ができる街)へ移り住み、または農地へ通うことを選ばないうえ、近年ではその街に居住していない者への農地の貸借を行っていない自治体も多くある。



単純に「後継者がいないから」とか、「農業は儲からないからやらないのか」ということで片付けることは簡単です。

でも、深掘りしてみるとこれだけの隠れた事実が見えてきます。


僕の記事を何度か読んで頂いている方なら、もう耳にタコができるぐらい聞いてると思いますが、僕はこの実態を踏まえて、現職の農家さんを支援するだけでなく、今後就農したいと思える若い人材の新規就農にも大きく貢献したいと考えています。

そのために、野菜を自らの手で仕入れ、自らお客様へ提供し農家さんへの利益還元を大幅にアップさせることを今後の目標としています。


単価が低いこの業界では1円でも利益がアップするだけで、農家さんにとってはかなり助かるし、もしかすると存続の危機に立たされている農家さんだと、あと一歩を踏ん張る力になるはずです。

僕の思いや、「こんなことが農業界で課題となっているよ」というような発信をこれからもコツコツと続けていこうと思います。

それでは、また。

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