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作家友達から魔法のステッキを授かった話

こんにちは、矢御あやせです。今日は比較的元気です。自分に酔ってます。

去る12月28日、私は筏田かつら先生と二人きりの忘年会をした。今回はその忘年会で先生から頂いた魔法のステッキについて書いた。

筏田かつら先生と私

筏田かつら先生は私がデビューさせて頂いた企画「ネット小説大賞」を受賞されている。(私は受賞していない)

代表作はスクールカーストによる現代の身分違いの恋を描いた「君恋」シリーズで、こちら、爆発的にヒットしている。
その部数はうんじゅう万部だという。

実は私、ずっと〇万部ぐらい売れてる人にマウントを取られていて、「あんな凄い人になれないよぉ」としょっちゅう泣いていた。そんな私にとって、かつら先生は間違いなく神だった。

だけど、かつら先生は〇万部の人とは違って、決して私を下に見ていない。「あやせは凄いよ!」と私の文章を信じてくれる。とても大切な友人だ。

(余談だが、そのマウント作家さんは12月にきっかけなどなくツイッターをブロックした。ずっと限界で、繋がっているだけでも重荷だった。彼がマウントを取ることに、彼なりの理由があったが、私はその人の言葉で声を上げて泣き叫んだことがある。にも関わらずその人と繋がり続けていた。見捨てられるのが怖い気がした。だが、きっと違った。

私はその日を「解放記念日」と呼んでいる。冷静に考えればあの人と付き合っていけばどんどん自分の人生が面白くなくなっていた。
みんなもインターネットで生きていくうえで付き合う人は選ぼう! 私もよくブロられるけどね!)

さて、筏田先生はネット小説大賞では私と同期でもある。腐りかけてくれた私のことを励ましてくれた。ものすごく素敵な作家友達だ。

矢御(やお)もそうだが、筏田(いかだ)も実在しない苗字だという。
私は先生と自分の事を「宝島社の非実在苗字コンビ」だと勝手に思っている。

33万部と初版作家のコンビであるが、コンビといったらコンビだ。

売れてない人が売れてる人とコンビ組んだっていいではないか。いいんだよ!

お笑いコンビだって片方は「じゃない方」って言われている。
オードリーみたく春日が売れて、若林が売れて、今度は春日が売れて……みたいに、バランス取っていけばいい。そういう風にやってくんだよ!! 

……とまぁ、誰も思っていないだろうが自分の意地悪な部分が余計なことを言ってきたので全力で抵抗していく。新年早々自虐はしないと決めたが、葛藤はモロに出す方針でいかせてもらう。いきなりキレてたら申し訳ない。

上野という街の魔力


とにかく、飲み会の様子は完全に「お伝え出来ない系のヤバさ」だった。
私たち二人は二件目の酒場で既に酒の力を借りてコンプラもポリコレも張り倒してぐちゃぐちゃに踏みつけてしまったのだ。

レモンサワーやビールの一杯が表現に阻まれた壁を倒すための武器で、ごくりと飲んだそれは自由を得るための革命の種火だった。

酔っぱらった私は「逆引きえっちな人物百科事典」と化していた。「〇〇な人はエロい! これもエロい! これもエロ!」と日常の些細な出来事をエロいエロいと結び付けていた。手に負えない。

「飢えているからでしょ」とか言わないでね。作家だからです。これは私が神様に与えた才能なのです……とまた意地悪な自分に反論しておく。

あ、これ他人に言われたら何も言わずブロックするから覚悟してください。これ、テストに出ます。言ったからな!

私は、私たちはどうしようもなく下品であった。下品だが、世界がぐるぐる回る中で下品なことを言うのは自由でとても楽しい。酔っ払いどもが押し込められた、一人当たりのスペース配分の狭い刑務所のようなカウンター席だが、どこよりも自由な場所だった。

カウンター席で酩酊したあの瞬間の私たちは、日本で一番自由な作家だったと思う。

作家というのは思ったほど自由ではない。

私たち表現者は、いつもいつも「売り上げ」だとか「配慮」に押しつぶされて、原稿の中でさえ自由に泳ぐことができない時がある。私たちはあの時、本当の意味で解放されていた。
ちなみにあの場の発言をTwitterやnoteで言ったら普通に火柱を立てて燃えたかもしれない。

(どうでもいいが、私は有料note以外では基本的に下ネタを言わない方針でいる。Twitterでも意図的に控えている。だが、その実情は大の下ネタ好きである。)

そんなかつら先生が私に授けてくれたものが、今回の話の主役・魔法のステッキだ。
決して、酔っぱらいの巣窟で悪い意味で私を「自由にしてしまった」レモンサワーが主役ではない。

作家友達がくれたプレゼント

時間を少し戻して一件目。さあ飲み始めるぞ!という前に、かつら先生は私に一本の小さなショップ袋をくれた。
ピンクの紙袋・ジル・スチュアートだ。ピンクは2019年のラッキーカラーだった。そして、ある二次元コンテンツの「推し色」である。
「こういうの好きって言えないでしょ? だから」と言ってくれた。
受け取った瞬間、泣き出しそうだった。

実は私はずっとジル・スチュアートにあこがれていた。
周りはもしかすると「そういうの嫌いそう」と思われるかもしれないが、大好きなのだ。
にもかかわらず、一つも持っていなかったのは単純に「自由に使える金」がなかったからである。

私は基本的に人生のほとんどの瞬間をカツカツで過ごしていて、なおかつダラダラだったり衝動的にお金を使ってしまいがちのため、「自分へのご褒美の品」をあまり所持していないのだ。特にコスメ系は弱い。

珍しくデパコスを所持してる時も、「〇〇(用事)のため」と基本的に「目的ありき」だった。

上野という天国から現実の象徴・茨城にある家に帰った元酔っ払いは、玉手箱を開けるかのように恐る恐るプレゼント包装を開いた。

その包装紙を開いても煙などは出なかったが、代わりにキラキラが詰まっていた

酔っ払いを集めたあの場所は、竜宮城なんかじゃない。ただの上野の飲み屋だったのだ。

私は――実のところ――頑張ってない癖にあんな楽しい瞬間を過ごしたのはバチが当たらなきゃおかしいと思っていたのだ。
バカだと笑ってもいい。いや、実際笑ったらブロックするけど!

……バチなんて当たる訳がないのだ。……頑張ってない訳がないのだ。私という人間は本当にバカだ。自虐とかではなく、自分を大切に扱うことのできない人間だった……今までは。

本当にすべきは、見えない何かに怯えるよりも、筏田先生への感謝と、自分が楽しく生きるための権利を目いっぱい抱きしめることだ。

蛍光灯に充てられてキラキラと輝く銀の美しいリップを見て浮かんだ感情は、私が最近どうしても避けていた言葉、「頑張ろう」。

だけど、もう他人のために頑張るのはゴメンだ。
このリップの役割を思い出してほしい。リップは持ち主である私以外には使えないものなのだから

このリップは私を「新しい私」に変身させてくれる魔法のステッキだ。かつら先生は、私が変身するためのアイテムを授けてくれたのだ。

そして、奇跡的にも私は「ご褒美」を所持していた。買った時期こそ少し前だが、まだ下ろしたての品だった。色々あって地獄の底まで落ち込んだ自分を慰め、励ますために学生の頃から憧れでデザインの大好きなANNA SUIのチークの入ったコンパクトを買っていたのだ。

魔法のステッキとコンパクトがあれば、鬼に金棒というか魔法少女だ。
そんな組み合わせが化粧ポーチの中に一対あれば、明日をより明るい場所へと導いてくれる。だって、魔法のアイテムなんだから。

基本的に私は化粧無精だ。
だが、今年はお化粧をしたいと思う。
お化粧をして、親戚から頂いたアメジスト(多分)の指輪を身につけて執筆をしたい。ついでに指輪の宝石が何なのかも調べておきたい。この紫の宝石が好きだ。
服も、ユニクロじゃなくて安物だけどデコルテの見えるVネックを着たい。
私、もっとキュートにもセクシーになりたい。女の子になりたい!
あと痩せたい(笑)かわいくなりたいから痩せたいんだ!
あぁ、なりたい私への妄想が止まらない。

今だけは容姿も体型も30歳も関係ない。
私には魔法のコンパクトと魔法のステッキがある。
大それた目標はもう掲げない。なれる自分になりたい。
外に出る時、お化粧をして指輪をして、デコルテを出してる自分になら、すぐになれそうな気がする。

不安がないと言ったらうそになる。だけど、大丈夫。
魔法のアイテムたちは、私とかつら先生が上野で手に入れた自由の欠片をちょっとだけ分けてくれるのだから。

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筏田かつら先生の作品はこちら!
(近いうちに新作も発売されるそうです♪)

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