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<14>今の仕事を辞めることは決めたけど、次やりたいことが見つからない時はどうすれば良いのか?

自分のキャリアを次のステージに移行させたい時、あるいは、これまでの自分から新しい自分に変わりたい時、やるべきはリセットだと本マガジンでは繰り返し述べてきました。古い自分をリセットする、具体的には古くなった自分の夢、信念、仕事のやり方、習慣、などを終わらせることです。

(終わらせること、リセットする方法を知りたい人は、本マガジンの<13>までのコラムを読んで下さい。また、さくっと理解したいなら<><><10>のコラムが分かりやすいです)


終わったけど始まらない時期

そして、これまでの古い自分をリセットして、過去のものとなりつつあったアイデンティティ、考え方、行動パターン、習慣などを手放す決断をしたらどうなるのか。

リセットしたら、映画の場面がぱっと切り替わるように古い自分から新しい自分にすぐに変わるのでしょうか?

そんなことはありませんよね。これまでのコラムでも述べたように、多くの場合は「終わったけれども、新しく始まってはいない」状態となります。

期待して扉を開けたら、先の見えない真っ暗な道が先に続いている…というイメージでしょう。あるいは、深い森かも知れません。これが変化の3段階プロセスステップ2です。

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<自らを変化させる3段階プロセス>
1st:終わらせる(リセット
2nd:終わったけど始まっていない自分探しの旅の時期(ジャーニー
3rd:新しく始まる(スタート
*変化の3段階プロセスを知りたい人はこちら
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いづれにしても、ここからは明確なゴールが見えないまま歩みを進めることになります。それがステップ2のジャーニー(自分探しの旅)です。

さっさと答えを出したくなる

終わった直後、リセットした直後は、古い自分と過去の人生(キャリア)のステージが単に終わっただけの状態です。新しい自分や新しく始めることはまだ明確ではなくて、宙ぶらりんの状態ですね。こういう時、人はつい拙速に答えを出したがるものです。

今まで自分を支えてきたアイデンティティや目的がリセットされて消えてしまった時、人は次の新しいものが明確になっていないと不安になります。自分の存在価値を感じることが出来なくなることや、自分の中身が空っぽになった感じがしてしまうことが生じることがよくあります。宙ぶらりんに耐えられなくて、全ての問題を一挙に解決する答えをつい求めたくなります。

そうすると、例えばキャリアの問題であれば、目的が明確でないにも関わらず、焦って転職活動を始めてしまうことがあります。

拙速に転職活動を始めると・・・

似た経験をしたことがある人だと分かると思いますが、そういう場合は取りあえず求人サイトで自分の条件に合いそうな募集を検索して情報収集をすることや、転職支援会社に登録して求人リストを出してもらうなどしますよね。

しかし、この状態で求人情報を集めて仕事内容や会社の情報を見ても「何か違うなぁ」と大抵は興味をひくものではありません。

しかも、ここで無理に応募して面接に進んだとしても、例えば、面接担当者から「この仕事を志望する理由は?」と問われて、相手が納得をする答えを話すことが出来ずに不合格になってしまいます。

残念ですが、そもそも自分自身が納得をしておらず自信も無いので当然の結果です。でも不本意ですよね。

不合格ならまだしも、この様な状態で採用されてしまうと入社後に「自分がやりたい仕事ではなかった…」と違和感を持ってしまい短期間で再び転職をすることになります。これでは時間と労力の大きな無駄です。

なぜ、この様なことが起こるのか。

それは自分が本質的に求めていることを理解していないからです。

つまり、今の自分は何を求めているのか、何をやれると自分の気持ちを満たすことが出来るのか、分かっていないのです。

そもそも自分が求めていることを知らないのに、自分の興味に合う仕事を見つけることなんて出来ません。当たり前ですよね。

ただ、こうして客観的に見れば当たり前のことでも、不安な状態に陥った時に自分自身の問題になると冷静に考えることが出来ずに非合理な行動をしてしまいがちです。

古い行動パターンを繰り返す

また、その様な非合理な行動をする時は、新しい自分が何を求めるのか不明確な状態であるにも関わらず、古い発想のままで拙速に答えを出そうとするので、その行動は従来の古い行動パターンの焼き増しにすぎません。

自分ではリセットしたつもりが、実態としては古い状態に戻って過去の行動パターンを繰り返すだけになってしまっているということが多々あります。

仕事に働きがいを持てるということは、あなたがその仕事に価値があると信じているからそう感じるのです。

出来れば早くそう思える仕事に出会いたいものですね。その為には、焦っていきなり答えを出そうとせずに、腰を落ち着けて自分の内面に向き合うことが必要です。

過渡期の過ごし方

リセットして終わったけれども新しく始まっていない過渡期であるステップ2の期間では、自分が何者でもない宙ぶらりんの状態であるので不安ですけれども、この期間は新しい人生を始める為には必要な時間です。美しい花も冬の間は土の下で芽吹くのを待っていますし、美しい蝶も一見何の変化もしていなさそうなサナギの時期があります。

人も自然の一部ですから静止しながらも内面は変化と統合が静かに進んでいる時期を過ごすことは、新たに生まれ変わる為には必要なのでしょう。そう腹をくくってジャーニー(自分探しの旅)に出ることにしましょう。

(2023年11月27日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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