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人をほめて育てる時に必要なコツ

「てめー、仕事遅いんだから、
徹夜して終わらせろよ。」
・・・と上司に詰められて、
それに食らいついて仕事をして、
2,3年後には一人前に成長していた。
こんな働き方が10年くらい前までの
プロをOJTで育成する一般的な方法でしたね。

コンサルでも、金融でも、スキルが必要な
専門職の世界ではこんな感じでした。
今だと、この様なことを言われる職場は、
ブラックだと言われてしまうでしょう。

ほめて育てる時の難しさ

では今はどうやって新人を育てるのかと言えば、
「褒めて育てる」ですよね。
やってみたら分かりますが、
これで効果を上げるのは簡単な様で難しいです。

褒めても、効果が無いことが多々あるのです。
部下のやる気につながらないどころか、
反発を受けてしまうってこともあります。

褒められる立場に身を置いて考えると
それはそうです。
何でも褒めて良いってもんではありません。
例えば、「君、名刺交換が上手だね。すごいね」
と褒められたらどうですか?
「バカにするな(怒)」ってなるでしょう。

また、毎日毎日、出来て当たり前のことで
繰り返し褒められても、わざとらしくて、
「うざいっ」てなってしまいます。

ポイントは、意外性

褒めることが効果を上げるキーワードは、
意外性です。

よく褒めてくれる優しい上司から
日常的に褒められるのと、
滅多に褒めない厳しい部長から褒められるのと、
どっちが嬉しいでしょうか?
大抵の人にとっては、普段は褒めない
厳しい部長から褒められる方が嬉しいものです。

なので部下や後輩と親しい関係を築けている人は
当たり前のことを褒めても効果はありません。
その人をよく観察して、親しいからこそ分かる
希少なポイントを褒めることです。
加えて、褒めるとともにお礼を添えると、
自分の気持ちが相手に届きやすくなります。

一方で、自分が不器用で普段は人を褒めない場合や
対象者が日常的には顔を合わせない様な
距離がある関係性の場合は、
たまに褒めると効果があります。
その場合は素直に良さを認めて褒めてみましょう。

ちゃんと観ないとほめる点は分からない

また、本人は口に出さないながらも
頑張っているようなこともあるかも知れません。
褒めるのであれば、
そういったことを、見つけることが大事です。

褒めるのは難しいものです。
表面的なことを褒めてばかりの人に、
褒められてばかりではイラっとくるでしょう。
そうすると不本意ながら、
相手への承認とレスペクトを示そうと
良かれと思って褒めたことが逆効果です。

褒めることが効果を上げるのは、
意外性がある時です。
そして、その様な褒めるべき行動は、
その人をしっかりとみないと分かりません。

(2022年9月5日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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