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<12>未来のキャリアを考える時は、これまで人生とキャリアを振り返って過去を捉え直す

これから先の自分のキャリアをプランニングする時は、いきなり目標の設定やビジョンを描くのではなく、まずは過去から現在までの自分の人生とキャリアを振り返ることが必要です。


キャリアの節目での悩みを打開する為に必要なこと

従来のキャリアの延長線上から自らのキャリアを変えるべきタイミング(=キャリアの節目)で、「変わらるべきとは感じるが、何を目指せばよいか?」「どうすれば良いのか?」が分からず悩んだ時に、過去を振り返るとは具体的に何をやれば良いのでしょうか?

先日のコラムで悩めるアラフォーの営業マネージャー和田さん(仮名)の事例をもとにしたコラムを3回に渡って紹介しました。(下記)この3つを読んで頂けるとヒントがありますが、ここでは簡単にポイントを述べます。


<参考コラム>

転機をむかえた中堅ビジネスパーソンが考えるべき3つのこと

スランプから抜け出せなければ「自分にとって何が終わろうとしているのか?」を考えてみよう~3つの質問への回答事例と解説~

キャリアチェンジが転職ではなく、仕事のやり方のチェンジだった話~ある営業マネージャーの事例(後編)~


上記コラムの営業マネージャー和田さんの事例には、大事なことがいくつか含まれていました。

その中で特に大切なポイントを3つ挙げると次の通りです。

①    自分のことを理解してくれている先輩に相談した。
②    自叙伝を書いて自分の過去を捉え直した。
③    一人旅に行った。

以下、①②③それぞれについて詳しく書きます。

人に相談する(①)

まず、①先輩に相談したことですが、人生の節目の変化の時期に不安になった時には信頼できる人に話を聞いてもらうことは大切です。

たまたま営業マネージャーの事例では自分と同じような経験をしていた先輩がアドバイスをくれましたが、例え有効なアドバイスをもらうことがなかったとしても自分のことを理解してくれる人に話を聞いてもらうことには効果があります。

この様な時期は自分が何に不安を感じているのか、どうして混乱しているのか、自分一人では分からないものです。しかし、自分の状況を相手に話すことによって考えが整理され、気づきが生まれます。ですから、信頼出来る友人、またはそういう人が自分の周りで見当たらなければ、プロのカウンセラーやコーチなどに依頼するなど、対話の相手を見つけることがお勧めです。

自叙伝を書いて過去を捉え直す(②)

次に、②自叙伝を書いて自分の過去を捉え直したことについてです。

本マガジンでは既に繰り返し述べてきましたが、新たな自分に変わる為や、新しいキャリアを始める為には、過去をリセットすることが大切です。
そして、その為に、考えるべき3つの質問を上記のコラムで紹介しました。
3つの質問に取り組むことで、自分の状況を理解し、手放すもの(リセットすること)を見出します。

ただ、ちょっと考えて答えが出るものでもないですよね。そこでお勧めは今までの人生やキャリアを振り返って、過去を捉えのすことです。

具体的には、どうすれば良いのでしょうか。

「自分とはこうだ」という思い込みは、これまでの人生での経験や出来事の積み重ねを通じて出来上がっています。そこで、人生の時の流れを巻き戻して過去の重要な経験や出来事を振り返って、それぞれの時に何を感じたのか、どう思ったのか、思い出してノートなどにどんどん書き出すと良いでしょう。

こうして、それぞれの経験をした時に感じたこと、思ったことを書き出すことで、それらを頭の中から外に出して対象化して見ることが出来ます。
それによって、自分が今はどう思うのかを考えて、過去の出来事を捉え直すのです。

営業マネージャー和田さんの事例では、自叙伝を書くことで従来の自分の行動パターンを知り、そして、それを手放すべきであると分かったのでした。

もし、あなたが考えるべき3つの質問に取り組んでも、何が終わって何を手放すべきなのかが分からないのであれば、自叙伝を書くことはお勧めです。

過去を手放した記念に一人旅(③)

そして、和田さんの例では、③過去を手放すことを決断した記念に一人旅にでました。これについては、また詳しく述べたいと思いますが、過去と現在、あるいは、古い自分と新しい自分を区別する為に、象徴的なイベントを行うことはとても効果的です。通過儀礼のようなものです。

象徴的なイベント(上記コラムでは一人旅)を行うことによって、自分の人生のステージを区切るのです。それによって、過去から未来に頭を切り替えることが出来ます。こうして過去の古い自分や古い自分の考えに戻ってしまうことを避けます。

過去を捉え直して現状を打開

今回は過去のコラムでご紹介をした営業マネージャー和田さんの事例をもとに、キャリアの節目で取り組むと良いことを書きました。

悩んでいる時には、誰しも自分のことになると冷静に、そして合理的に考えることは難しいものです。でも、他人に相談することで気持ちを落ち着けることが出来ます。

そして、気持ちを落ち着けたら、やるべきは過去の振り返りです。
人は自分のキャリアに悩んだ時は、すぐに答えを出そうと考えがちですが、
まず始めに取り組むべきことは、過去を振り返ることです。そして、それによって、今までは自分はこうだ!と思い込んできた過去の人生やキャリアを捉え直すことです。で、今の自分にとって古くなったことを手放します。

で、こうして、古い自分や古い自分の考えをリセットしたら、一人旅でも、なんでも良いので象徴的なイベントを行って、過去の自分とこれからの自分を区切ってしまえば、後戻りしにくくなります。

いずれにしましても、変わりたいときには、一度これまでの自分の歩みを振り返って、過去を捉え直すことがお勧めです。

(2023年11月11日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士


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