見出し画像

40歳以上の転職者が急増!~その理由とミドル世代がやるべきこと~

40歳以上の人々の転職が急激に増えています。
ここ数年の傾向です。

日本人材紹介事業協会が発表する
人材紹介大手3社での41歳以上の転職者数は
2015年から2021年で2倍以上に増加しました。
(15年上半期2447名→21年上半期5710名)

私が勤務するアンテロープ社へ転職を希望して
申し込む人々の中で40歳以上が占める割合も
この10年で倍になっています。
(約15%→30%超です)

その他でもミドルの転職者数が増えているという
情報はジョブマーケットであふれています。
なぜ、そんなに増えているのでしょうか?

きっかけの1つ:大手企業によるリストラ

近年、大手企業がミドル世代を対象に早期退職の
希望者を募集する事例が増えています。
JT、本田技研など有名企業が1000名を超える
水準で実施しました。
JTは46歳以上を対象に募集して
3000人以上が応募したと報道されました。
また、2021年に早期退職募集を実施した
上場企業は84社です。

早期退職の募集などがきっかけとなって、
転職活動をする人々がいたわけです。

また、大々的に報道される有名企業が
早期退職希望者を募集するニュースを見て、
勤務先の将来性が不安になったり、
自分の収入の低さを解消したいと思い、
転職を考えるミドルは随分多いのです。

しかし、あと20年は働く必要があって、
住宅ローンや子供の教育費などの負担を抱える
40代以上が早期退職に応募する意思決定が
出来たのはなぜでしょうか?

早期退職の人は割増退職金が得られるにしても
人生はまだ半分残っています。。。

40代は転職で年収UP、50歳以降はダウン

厚生労働省の2020年雇用動向調査では
40代は転職で年収UPした人の方が多かった
と発表されています。

具体的には、前職の賃金に比べて、
増加した割合と減少した割合の差は、
40歳~44歳が+10.6ポイント、
45歳~49歳では+9.7%ポイントです。
しかし、50歳以上はこれがマイナスに転じています。

50歳を超えると転職できたとしても
年収は現状よりも下がることの方が
多いと言うことです。

***
<参考>

令和2年雇用動向調査結果の概況
(4)転職入職者の賃金変動状況
***

それであれば、40代の内に転職した方が
良いですよね。

成長企業での強い採用ニーズ

そして、現在は空前の人材不足です。

スタートアップ(ベンチャー企業)の中で
一定の規模に成長してきた会社では、
業績を伸ばすために稼げる営業社員や、
増えた社員をマネジメントする管理職経験者、
あるいはIPOに備えて管理部門を強化する為に
経理、財務、法務、人事などなど管理部門で
実務経験が豊富な人材が必要です。

これらのポストを実務経験者で埋めようと思っても、
20代、30代前半までの若手層で充足させることは
ほぼ不可能になっています。

よってDay1から活躍できる即戦力のミドルに
採用のチャンスがあります。

地方企業での採用ニーズも活発

また、地方にも数多くの優良企業があります。
世界でニッチトップの製造業や
地域に根差した優良な中小中堅企業など。
それらの会社でも多くが人材不足です。

かつてであれば地方への転居がハードルでしたが、
今はリモート併用の勤務体系を採用している
地方企業が増えていますので、地方企業への
転職も選択肢に出来ます。

私の知人(50代初頭)で大手企業の営業部長は
九州にある同じ業界の地場の会社に営業部門の
役員として転職をしました。

地方企業にとっても、大手企業のノウハウや
顧客ネットワークは魅力的です。
また、地味ですけれども、例えば、
大企業では当たり前のKPI管理手法などは
地方のオーナー企業などでは普及しておらず、
そんなちょっとしたノウハウも役立ちます。

大企業で幹部コースからは外れている場合、
次はいつ自分が切られるかビクビクしながら、
名ばかり管理職の安月給でこき使われるよりも、
求められる会社でのびのびと働く方が
やりがいがありますよね。

40代はキャリアの転機

早期退職や望まない異動などの外部要因が
自分のキャリアを考えるきっかになることは
多いでしょう。

あるいは、外部要因がなくても、内的要因で
キャリアの転機は訪れることは非常に多いです。
(参考:40歳までに転職すべきか?

アラフォーの時期は「中年の危機」と言われる様に
自分の内面、価値観、アイデンティティ等の
変化がある時期です。
多くはキャリアや人生の転機が訪れる時期です。

例えキャリアの躓きなどの出来事がなくても、
立ち止まって自分のキャリアを棚卸して、
今後のキャリアと人生を再設計することをお勧めします。

そして、新たな一歩を踏み出すのか、
または、従来の仕事を“新しい考え”で続けるのか、
自分の人生を選択することが大切です。
それが、その先のキャリアや人生で納得感を得て
すっきり充実させる為に必要なことです。

(2022年10月24日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?