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【未来】 ムーンショット目標 part2

どうも、ヤナギですー。
前回に引き続き、ムーンショット目標についてまとめます。
前回の記事はこちら。


ムーンショット目標は2050年を期限としていますが、詳しく見ると2030年の目標も明記されているんですねー。
実はたった8年後のことなのですが、中々に想像し難い世界が描かれています。
そんな目標の中でも、看護師の視点で気になることを中心にまとめます。

では、今回もゆるりとイキマッショウー!!!


2030年の目標一覧

まずは気になった2030年目標の文章を私なりの一覧にしました。
さらに注目する目標に関しては太字にしています。

目標1より:2030年までに、1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。
目標2より:2030年までに、人の臓器間ネットワークを包括的に解明する。
目標3より:2030年までに、特定の状況において人の監督の下で自律的に動作するAIロボットを開発する。
目標4より:2030年までに、環境汚染物質を有益な資源に変換もしくは無害化する技術を開発し、パイロット規模または試作品レベルで有効であることを確認する。
目標5より:2030年までに、上記システムのプロトタイプを開発・実証するとともに、倫理的・法的・社会的(ELSI)な議論を並行的に進めることにより、2050年までにグローバルに普及させる。
目標6より:2030年までに、一定規模のNISQ量子コンピュータを開発するとともに実効的な量子誤り訂正を実証する。
目標7より:2030年までに、小型・迅速・高感度な診断・治療機器や、医師の医学的所見・診断能力をさらに引き上げる技術等を開発し、個人の状況にあった質の高い医療・介護を少ない担い手でも適切に提供できる技術基盤を構築する。
目標8より:2030年までに、現実的な操作を前提とした台風や豪雨(線状降水帯によるものを含む)の制御によって被害を軽減することが可能なことを計算機上で実証するとともに、広く社会との対話・協調を図りつつ、操作に関わる屋外実験を開始する。
目標9より:2030年までに、こころと深く結びつく要素(文化・伝統・芸術等を含む。)の抽出や測定、こころの変化の機序解明等を通して、こころの安らぎや活力を増大する要素技術を創出する。加えて、それらの技術の社会実装への問題点を幅広く検討し、社会に広く受容される解決策の方向性を明らかにする。

内閣府ムーンショット目標より

やはりムーンショットは内容がすごいですね。
これが実現するなら、2022年の現在とは全く異なった社会になっていそうですね。少子高齢化、生産年齢人口の減少、社会保障など様々な問題にも光明が見えていそうですね。
看護師として気になったアバター・ロボットのこと、医療の変化について具体的に考察していきます。


ロボットと共同作業することが当たり前になる

目標1・3より 仕事が楽になる?人員競争が激化する?

目標1の文章はなかなかやばいですね。
アバター10体を操作できるようにするとのことですが、それが実現したらどんな社会になるのか想像つきますか。
単純に考えても、倉庫や食品加工のようなライン作業であれば、従業員が数名あとはロボット・アバターだけで足りてしまいそうですね。

そして、医療現場にロボット・アバターが入ってきたら看護師は歓喜の涙を流します。少なくとも私は泣きます笑。
医療現場って予期しないことがしばしば起こる場所なので、人員の采配が非常に難しいです。
休憩に入った矢先、急変や緊急入院によって呼び戻されるなんてことも。
他にも、看護師は何でも屋の役割を担っていることが多く、「これ看護師じゃなくてもいいよな」なんて考えながらも様々な業務をこなしています。
日本全体としても看護師不足が慢性的に言われているわけですから、機械が医療の一端を援助してくれると考えたら嬉しいですね。
現在の業務量が減るわけですから、考えただけでウキウキです。
人口減少が起きている以上、人員不足を解決してくれるのはロボット・アバターだけなのかもしれません。

ただ、何事にも副作用があってネガティブな面を考えると、看護師の競争が激化する可能性も危惧しています。
病院は治療が第一ではありますが、利益を出さなければ潰れてしまいます。特に日本は民営の病院が多いため、その傾向が強いです。
ムーンショット目標が現実になったとしたら、看護師を最低限の人数にしてロボット・アバターで補填しようと考える経営者は必ず出てくる。
病院の部署で最も人員が多く、経費が大きいのは看護師です。
技術進歩によって看護師の業務が半分に減れば、人員も半分になるかも知れません。
不足している現状から一転、看護師飽和時代が来てしまうかもしれませんね。



2030年の医療現場は今とは全く異なったものになる

目標2・7より 医療の形が根本的に変化する

今日までの医療は「悪くなったら治療する」という後手の行為でした。
しかし、それだと介入が遅いということで予防医療に注目されたのはわりと最近のこと。
ムーンショットが目指す社会はまさに、先手を打つことができる医療が実現された社会です

目標2・7どちらも抽象的なことが書いてありますが、要するに将来的には人体のことをより解明し、ウェアラブル端末によって医療が身近なものになりますよってことですね。

ウェアラブル端末って聞くとスマートフォンとスマートウォッチを想像しますが、間違いなくもっともっと多くのウェアラブル端末が日常に溶け込みます。
実際にスマートトイレなるものがあり、排泄物から健康状態をチェックすることができるようになるという研究が進んでいます。
鏡にセンサーを仕込めば表情や血流からもデータを得られそうですし、脱衣所の床にセンサーを入れれば毎日体重測定することもできそうですね。

日常の多くの場所にウェアラブル端末が配備されると、あなたの吐いた息、歩き方、声の高さ、皮膚の潤い、まばたきなど動作すべてがあなたの個人データとなり、それを活用することで早い段階で医療が提供できる。
病を治すのではなく、そもそも病にならない社会。
これこそが本当のQOL(クオリティーオブライフ)であり、医療が目指すべき場所なのかもしれません。

またこれもデメリットを書くのであれば、予防医療の充実によって病院の宿泊して治療するという機能のニーズは減るかもしれません。
一昔前であれば、がんは入院するのが当たり前でしたが、現在すでに抗がん治療を通院で受けるという方法があります。簡易な手術であれば日帰り手術なんてことも当たり前になりつつあります。
入院しないで済むのであれば入院しないという選択をする人がほとんどです。
病院がなくなることはありませんが、そこに必要な人員リソースは必ず見直されるときが来ると私は考えています。



まとめ

ムーンショット目標を2030年にフォーカスしてまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
肯定する人、半信半疑な人、否定する人。人それぞれの解釈があるかと思います。

わたしは最近、2010年後半〜2020年はじめに書かれていた未来予測の内容が徐々に実現され始めているのを実感しています。
3Dプリンターの家やウェアラブル端末、IoTによるセンサー内蔵の家電、ドローンによる空輸など。
2025年には大阪万博がありますし、まずはそこでムーンショット目標の描く世界を垣間見ることができるかもしれません。

いやあ、未来が楽しみですね。
日本政府が発表したムーンショット目標、ぜひ頭の隅に置いていただきどんな未来が来るのか未来を楽しみに待ちましょう。

さて、今回はこの辺で。
ではではー。

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