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プレスリリースの書き方

こんにちは。やなです。

このnoteでは、現役ファッションプレスの私が、新米プレスの方やプレスの仕事を志す方に向けたものです。

プレスの実務を行う際の、参考書のような存在を目指して、書き綴っています。

前回執筆してからかなり間が空いてしまいました。

今回のテーマは、プレス・広報・マーケティング職の方が気になる話題「プレスリリースの書き方」です。

プレスリリースの書き方

 

プレスリリースとは


プレスリリースとは、新商品の発売や新サービス、新規事業の開始、あるいは経営・人事などの企業情報を、ニュース素材としてメディアの記者が利用しやすいように、文書や資料としてまとめたものです。

企業・団体がメディアを通して社会へメッセージを届けるための基本的なツールとして活用されています。


プレスリリースの配信目的


大きな目的として、メディアに対して情報を届けることによって、メディア掲載に繋げること、が挙げられます。

これまでなかったような商品、サービスの提供開始を告知したり、新店舗のオープン、コラボレーション、ブランド内の新規ラインなどのトピックスを企業側が意図する文書で発信するものになります。

・PR TIMES
・共同通信PRワイヤー
・アットプレス

上記のようなプレスリリース配信サービスを契約し、配信設定を行うことで、任意のメディアに対して情報を送り届けることができます。

配信された情報は、プレスリリース配信サービスが運営する、WEBやSNS上にストックされていきます。

その後メディアが、企業や団体から発信されたプレスリリースを見て、読者や視聴者に対しても価値があると判断を行い、自媒体へニュースを転載する、という流れになります。

メディア以外にも、ユーザーや、株主、投資家、ディベロッパーなど、社外のステークホルダーに向けた公式の情報を発信できるツールになります。


プレスリリースを書く前に


まず、リリースを書く前に何のために、誰に一番に読んでもらいたいか?を再度整理します。

整理をするときは、5W1Hを念頭に、リリースを発信してなにを得たいのか?読んだ人はその情報を見て得をするのか?世の中に価値があるニュースなのか?などを整理します。

受け手のことが想像できないときに、情報を発信する意味はありません。

リリースは日々、数々の企業や団体から発信され埋もれていく存在です。

たいしたニュース性もないのに、他の企業がやっているから、そういうものだよね、といった考えで書いたり、他の類似リリースを参考に書いて、あたかもそれっぽく発信するのは無意味です。

狙いを定め、伝えることを意識して書きましょう。


プレスリリースの構成


小売業、事業会社が出すプレスリリースの王道パターンです。

  1. タイトル

  2. リード文

  3. メインビジュアル

  4. 本文/メインの情報

  5. 本文/補足説明

  6. 配信した企業、団体についての説明

  7. 連絡先(取材や掲載確認の窓口)


タイトル

プレスリリースのタイトルの役割はタイトルはメールマガジンでいうところの件名にあたります。

メルマガを開封するかどうかは、件名を読んで判断すると思います。
つまり、プレスリリースにおいても、タイトルをキャッチーで、読みたくなるようなものに設定する必要があります。

業界初、新発想、〇〇ができる!、などの目新しさだったり、その商品やサービスのキャッチーコピーを含ませたりします。

その上で、簡潔な文章にします。

長々としたタイトルではパッと見のインパクトやキャッチ力が薄れてしまいます。

セールスライティングの本やコピーライティングの本を読んだり、過去の反応が良かったリリースをリサーチして、勉強することをおすすめします。
ex: パッと書けてすぐに売れる 稼ぐ人の「超速」文章術 


リード文

タイトルの次はリード文です。

リード文は、リリース本文の要約文となります。

本文を読む前に「このリリースにはこういった内容が書かれていますよ」と概略を伝えることで、理解を促す役割があります。

忙しいメディアの方が、ザッと斜め読みしてもらえるように意識しながら書きましょう。

先述のタイトル+リード文で、リリース内容の概要をつかんでもらえることを目指します。


要約文をどう書いたらいいかピンとこない方は、スポーツの試合ハイライト動画や、連続ドラマの冒頭に流れる前回までのあらすじを思い出してください。

リアルタイムで観たり、本編を観返したりせずとも、経緯や状況、見どころが分かりやすく伝わってきた経験はありませんか?

例えば、私がよく観る『名探偵コナン』では前編・後編と複数話にまたがる放送回があります。

後編の冒頭には必ず、前回までのあらすじが放送されますが、これまでの経緯や状況が端的で分かりやすく、前編をわざわざ観返さずとも内容が伝わってきます。


重要なポイントを取捨選択して、分かりやすく趣旨をまとめることが大切です。

要約力を高めるには、Twitterを始めることをおすすめします。

Twitterは1投稿が140文字までという制限があり、要約力を鍛えられる最高のツールだと思っています。

長すぎず、短すぎず、適度な文章量で、要点を伝えましょう。


メインビジュアル

タイトルとリードの次に、メインビジュアル1枚を差し込みます。

リリースを配信したら、配信サービスのSNSアカウントにも転載投稿されます。

その際に、メインビジュアルに設定した画像が投稿されるため、タイトルに代わるアイキャッチーなビジュアル、世界観を伝えるもの、独自性があるものを用意しましょう。

横長規格がおすすめです。


本文/メインの情報

メインビジュアルが設定できたら、いよいよ本文です。

タイトル+リード文であらすじは書けているはずなので、あとは発表する新商品やサービスを魅力的に、または、正確に、詳細に伝える本文を書いていきます。

何かやりたいことをあって、それを上司に承認してもらうとき、こういう背景があって、こうしたいとおもった。そこでこういった取り組みを考えた。これをやることでこういう結果が〜。というストーリーを順序立てて説明すると思います。

そうすることで、話が分かりやすく、意図を汲み取ってもらえますよね。

このように、プレスリリースの本文は無秩序に情報を書くのではなく、伝わりやすい順序で書いていきます。

私は普段プレスリリースを書くときには、自社のことやその業界のことを全く何も知らない方でも理解できるように、下記のポイントを意識しています。

・時流に合ったポイントや取り組みの根拠を書く。
・その業界でしか使われないような業界用語や専門用語を使わない。
・略称を使わない。(誤り:インスタ   正しい:Instagram)
・難しい熟語、言い回しを使わない。(中学生や高校生でも理解できる言葉)

さらに、企業や団体として出す正しい文書のため、文法表現にも気をつけましょう。

・「〜なので」や「〜みたいな」などの話し言葉を使わない。
・ら抜き言葉(誤り:食べれる    正しい:食べられる が正解)に気をつける。
・「など」は複数の事柄を指すときに使う。(誤り:雑誌などの〜    正しい:雑誌や小説などの〜)
・「〜たり」をつかうときは並列の2つの動作を指す。(誤り:これを着てキャンプに行ったり、釣りをする。  正しい:これを着てキャンプに行ったり、釣りをしたりする。)
・一文に登場する主語は1人(つ)。

さらに、読みやすさにも意識しましょう。

・一文を長々と書かない。
・漢字が続くときは、ひらがなやカタカナに変換する。
・句点を多用しない。
・リリース以外の場所で使用している表記と揃える。

小論文の書き方、でグーグル検索すると様々な情報が得られます。

本文/補足説明(商品画像、サービスやキャンペーンの詳細)

本文(テキスト)が書けたあとに、サービスの詳細を記載したり、画像を使って商品説明したりと補足説明したい場合には、下記の要素を盛り込みましょう。

※PR TIMES MAGAZINEより引用

<サービスの特徴>
1. 小見出し
簡単な説明文

2. 小見出し
簡単な説明文

3. 小見出し
簡単な説明文

<商品概要>
画像📷
商品名:〇〇
価格:〇〇円(税込み)
発売日:〇〇〇〇年〇月〇日

ここまで書けれたら、リリースの8割が完了となります。

残りは、配信した企業、団体についての説明と連絡先(取材や掲載確認の窓口)です。 下記の情報を載せましょう。

・企業ロゴ画像&企業概要(ボイラープレート)
・ブランドロゴ画像&ブランド概要(ボイラープレート)
・報道関係者向けの連絡先(窓口となるマーケティング部の代表アドレスがベター)
・自社サイトURL
・SNSアカウント名
・一般の方向けの連絡先(カスタマーサービスの問い合わせ先)


配信設定


リリースの配信後は、誰でも閲覧できる状態になりますが、特定のメディアに個別にプレスリリース配信することが可能です。

PR TIMESでは、一回に300媒体までとなります。

配信先の情報は管理画面にあります。

メディア種類や、カテゴリを選択します。

詳しいやり方はPR TIMES MAGAZINEに掲載されています。

自前のメディアリストをインポートして、普段からやり取りをしているメディア関係者へ配信することも可能です。


配信するメディアを選択することができたら、最後に配信時間を設定します。

私がプレスリリース配信にオススメする曜日と時間は、火曜日〜木曜日の、午前中です。

午後配信の場合は14時までに配信したいですね。

午後は、入稿作業や締切作業に追われている方が多いと聞きます。

月曜日は、週のはじめで慌ただしく、休日にできなかった作業を行う方が多く、リリースのチェックまで手が回らない方が多いと思います。

金曜日は、お客さま向けの情報配信には適していますが、対メディアには向いていません。

やはり連休前の仕事の追い込みや、プレスイベントなどへ参加し、物理的にリリースを見たり、転載したりといった行動が難しいからです。

やむを得ず金曜日に配信する場合は、午前中に配信できると良いと思います。

ただし、私が記載しているのはメディアの動き方をを見越した、あくまでも王道の配信時間帯です。

認知度の低いブランドや企業は、他の企業に埋もれないように配信時間を平均時間から敢えてずらす選択を検討しても良いでしょう。

その場合、10:00ぴったりに配信せず、10:15とか、半端な時間に配信してみるのも良いかもしれません。


いかがでしたか。

次のnote記事では「パブリシティの獲得方法」を書きたいと思います。


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2022.09.14

やな

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