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続生まれもスダチも徳島

生まれもスダチも徳島」にて大麻山について書いたが、故郷の心の風景は眉山である。大坂から見える淡路島の山々の見間違いなのだが、難波津からは眉のように見えたからとの謂われ持ち、徳島市の中央に鎮座する徳島県のシンボル的存在だ。その優美な曲線美を持つ山影を徳島市のすぐ北の板野郡北島町から眺めて育った。北島町は徳島県のもう一つのシンボルである四国三郎吉野川下流の今切川と旧吉野川に挟まれた輪中なので、島のようになっている。徳島の北にある島だから北島だと信じてきたが、ブラタモリでわざわざ船で一周し、徳島市には完全な島があると証明していたのには驚いた。

そんな川に囲まれ水が豊富で土地も余っていたのか、繊維化学工場にも囲まれて徳島では公害の町と言われていた。今後最初の天下人として大河ドラマになるだろう三好長慶の居城が隣町にある。その勝瑞城が由来となる町唯一の勝瑞駅にディーゼル車が入駅すると臭くて窓を閉めていた。四日市で新聞記者が子供に聞いても臭くないとウソをつくと記事にしていたが、人間の鼻はすぐ馬鹿になるので当たり前だ。生家は渡れば徳島市の今切川に近いので小学校まで1km以上有り子供の足では大変だった。6年生で創立百周年を迎えた元来教育熱心な土地だ。中学校も一つでさらに遠いため自転車通学だ。

高校も市内へ自転車で通ったが、本流吉野川にかかる吉野川橋は全長1kmを超える。夏の暑いのも大変だが冬の北風は遮るものがなく必死に漕がなければ進まない。また南国徳島でも年に2回ほど雪が積もるが溶けた後再度凍って氷になるのが始末に悪い。滑ると川に落ちそうで命がけだ。河川敷はスポーツ広場になっていて小学校の頃は野球大会に出たし、高校の運動場が狭く毎週体育の授業に学校から自転車で通っていた。眉山をバックにしているのでスポーツ広場とは逆の吉野川の北側の河川敷でアンジェラ・アキがインタビューを受けている記事を見た時は懐かしさのあまり涙がちょちょぎれた。

吉野川から見る眉山が心の風景だが、その想いを強くしたのが映画化も舞台化もされたさだまさし原作の「眉山」だ。最初にそのタイトルを見た時には徳島の眉山以外にも眉山があるのかと疑うほどに驚き、本当に徳島の眉山だと確認した時は感激した。眉山は車でも行けるがロープウェイでも登れる。ザ・ピーナッツの前座で徳島を訪れた時に同じロープウェイで上がれる長崎の稲佐山と似ていて、頂上からの風景が素晴らしかったのが原点だそうだ。その眉山の稜線に奈良市から望む生駒山がよく似ているのを偶然発見した。放送送信所があるのもそっくりだ。大和が第二の故郷となるに申し分ない。

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