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我儘な子供を開眼させる魔法の言葉

日本人が訪れるべき三つの場所」は胃がんで亡くなってもう四半世紀になる親父の口ぐせだった。そろそろ親父の享年に近づいてきたのだが、定年を期に奈良市の健康診断の薦めに目を向けると胃がんリスク検診が無料で受けられるというので受けると、ピロリ菌が住んでいると言う。ピロリ除去には成功したが、除去成功後の経過観察のため胃カメラ検査を行うと再検査だ。

再検査で隆起が小さくなり治療の効果は出ている。ピロリ治療前の検査を含めて1年に3回も胃カメラを飲むことになったが、親父と同じ病気になることを回避できた。仕事を続けていたらリスク検診を受けるひまは無かったので離職して正解だ。胃がん原因の大半がピロリだが除去できれば胃がんにならないかと言えばそうではなく、毎年胃カメラ検査が必須なのは頭が痛い。

ピロリ菌は家族間で移るらしい。親兄弟に胃がんになった人がいるのならば胃がんリスク検診はマストにした方がいい。妹はどうなのか聞いてみると、何とピロリ検査が陽性で定期的な胃カメラ検査が必須のようだ。二回り年上のお袋は高血圧の薬が必須だったが、コロナ禍に認知症が進んでしまった。転倒して骨折入院すると病院やリハビリ施設でほとんど面会できないのだ。

声をかけても反応がないのは大変つらい。認知症が進むと老衰も進むのか。食事が喉を通らず胃ろうを希望したら、医者は既に心不全だし痛い胃ろうは勧めないと言われた。そのお袋が発した忘れられない言葉がある。この言葉を理解できるのだからもう小学校高学年になっていたはずだ。我儘な息子に我慢ならなかったろだろう。「あんたのために地球は回っとらんのじゃ。」

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