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満足と納得の違いを知れば、不平不満の原因も見えてくる


満足はできたけど、納得はできない

「ある程度、満足はできたけど、納得まではできなかった」ということはありませんか?これは、時間の制約、情報の不完全性、価値観の違い、コミュニケーション能力の欠如などの要因が影響しているためです。

例えば、プロジェクトの期間が短くて、十分な情報の収集や検討ができなかった。チームメンバーの価値観や優先順位が異なって、結論が出なかった。
さらに、円滑なコミュニケーションが取れなくて、意図や情報が正確に伝わらず、誤解や不信感が生じた。

このような不平や不満に至る機会は、仕事だけでなく、日常生活の様々な場面でも起こり得ます。このテーマを理解するために、満足と納得の概念を紐解いていきます。

満足 (Satisfaction)

「満足」とは、期待や欲求が満たされた状態を指します。具体的には、以下のような特徴があります。

1.感情的な充足

自分の期待や希望が実現されたことで感じる喜びや充実感

2.主観的な評価

自分自身の経験(学歴や就業)に基づいた基準

3.達成感

目標の達成や要求の獲得

満足は、期待や欲求が満たされて心が満たされる状態を指します。具体的には、自分の望んでいた結果や状態が実現したときに感じる幸福感や充足感です。満足はどちらかといえば主観的な感情で、その度合いは個人によって異なります。

【例文】

  • 目標を達成したときに感じる達成感

  • おいしい食事を食べたときの満腹感

  • 期待していた商品が期待通りだったときの喜び

納得 (Conviction or Understanding)

「納得」とは、物事の理屈や理由を理解し、それに対して同意または受容する状態を指します。論理的に考えて、ある事柄や状況が正しいと認める状態を指します。以下の特徴があります。

1.理性的な理解

論理的に物事を理解し、その理由や根拠を受け入れる

2.客観的な評価

説明や状況を理解し、その妥当性を認める

3.納得感

説明や状況に対して、疑問や不満がなくなる

納得は、ある事柄や状況について理解し、合理的であると認める状態を指します。納得は理性的な理解を伴い、論理的にその事実や理由を受け入れることを意味します。納得することで、心の中に疑念や不満がなくなり、状況を受け入れることができます。

【例文】

  • 説明を聞いてその内容が理解できた

  • 決定に至った理由が明確だった

  • 相手の意見を聞いて合理的だと思えた

つまり、「満足」は主観的な感情で、自身の期待や欲求が満たされたという個人的な評価を示します。一方、「納得」は客観的な合理性や理解に基づくもので、物事の論理的な説明や理解を通じて得られる感情です。

離せばわかる

「満足」と「納得」の概念を理解しておくことで、過度の期待や誤解を抑止することができると思います。それでも困難な場合は、「話すことから、離すこと」に気持ちを切り替えていくことも大切です。「話すことから、離すこと」は、感情的な対立を避け、建設的な対話から解決策を見つけるアプローチです。感情的な負担が大きい場合に、冷静さを取り戻してストレスを軽減させることにつながります。

離して原因を探る

人間関係やビジネスでは、コミュニケーションの齟齬が問題を引き起こすことは多々あります。例えば、会議や打ち合わせで行き詰まった時、満足や納得の前段階に立ち戻る(離す)ことで、自分と相手が置かれている現状を見つめ直す時間が生まれます。もしここで自分が冷静になれたら、満足または納得に至らない原因を探る機会が巡って来るでしょう。

会話に出てくる主語(一人称:自分、二人称:相手、三人称:その場にいない人物)が把握できると、会話の流れや文脈をより理解しやすくなります。主語の使われ方に注目することで、会話の意図や関係性を深く理解し、不平や不満ではなく、満足と納得に結び付けるヒントになります。

例えば、話しの主語は三人称(上司)だけど、離してみると実は主語は一人称(対話の相手)で、本音(一人称)を隠すために建前(三人称)を使っていた、ということがあります。このような状況では、主語の使われ方に注目することで、相手の意図や感情を感じ取ることができます。「話すことから、離すこと」は、不平と不満を満足と納得に変えるアプローチです。

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